今こそ誰一人取り残さない〜 ACE SDGsプロジェクト2020 開始のお知らせ

「子どもを誰一人取り残さない」ために、子ども・若者が自らの意志で人生や社会を築ける社会の実現を目指し活動する認定NPO法人ACE（東京都台東区、代表　岩附由香）は、児童労働撤廃の実現をより確かなものとするために、昨年に引き続き、「持続可能な開発目標（SDGs）」の達成に向け啓発・連携を呼びかけ行動をともにすることをねらいとしたプロジェクトを本日より開始いたします。

新型コロナウィルスの世界的感染により、SDGs達成のための取り組みの後退が懸念されるなか、「誰一人取り残さない」というその精神を実践にうつすことが今、改めて強く求めれられています。持続可能な世界の実現のために私たちが大切にしないといけないことについて見つめ直し、希望あふれる未来に向けて手を取り合って前進する再スタートの機会にしたいと考えております。

当プロジェクトの活動資金を募ることを目的として、6月12日の児童労働反対世界デーに先立ち、本日より2020年7月15日までの期間、READYFOR株式会社が運営するプラットフォームを活用しクラウドファンディングを実施いたします。

詳細は以下の通りです。

１．クラウドファンディング（CF）の概要

１）CFプロジェクトの名称：「今こそ誰一人取り残さない。ACE SDGsプロジェクト2020」
２）目標金額：　500万円（成功時実施型（All or Nothing型））
３）実施期間： 2020年6月3日 (水) 〜　2020年7月15日(水)
４）資金使途：　持続可能な開発目標（SDGs）の8.7（児童労働の撤廃）に向けた活動全般
５）CFサイトUR：https://readyfor.jp/projects/ACESDGs2020

２．プロジェクトの概要

１）名称：　ACE SDGsプロジェクト2020
２）目的：　児童労働撤廃の実現、SDGs達成のため幅広く啓発し支援を募る
３）実施期間： 2020年6月3日 (水) 〜　2020年12月31日(木)
４）ACEの活動　
これまでの経緯と今後の展望：
ACEは1997年12月の発足以来、学ぶ機会を失い未来を奪われている子どもたちを一人でも多く救いたいとの想いで活動を続けてまいりました。児童労働はビジネスの中のサプライチェーンにある問題という観点から、企業や消費者も重要なステークホルダーとして共に問題解決に取り組む仲間として巻き込み、ビジネス構造の変化も促してきました。

ガーナのカカオ産地の支援活動では2020年3月に新たな転機を迎え、現地政府が児童労働のない地域を全土に広げるための制度を導入するなど、手応えのある成果も出始めました。
しかしながら、現在、新型コロナウィルス感染拡大の影響が世界に及ぶ中、ACEの支援地であるインドやガーナのコミュニティにも、また日本を含む世界中の子どもたちにも影響が及びつつあります。
戦争、災害、そして今回の新型コロナウィルスの感染拡大のような危機的状況において、最も大きな影響を受けるのは、社会経済の中で弱い立場におかれた人々であり、2020年4月に発表された国連の報告書では、減少傾向だった貧困人口が今回のウィルスによる影響で1990年以降はじめて増加に転じることを、また極度の貧困の子どもの人口が4200万～6600万人増えるとの予測を伝えています。また、世界に1億5200万人（2017年ILO発表）いるといわれる児童労働者数は減少傾向にありましたが、今後増加に転じることを懸念する声が支援地の現場からも伝わってきています。

３．ACEの活動とSDGs 　

ACEが取り組む活動は、児童労働・強制労働撤廃のSDGs8.7を含むSDG8「働きがいも経済成長も」のほか、下記の通り複数の分野の目標に関連しております。

SDGs

2011年に国連の場で「ビジネスと人権に関する指導原則」の枠組みが全会一致で合意され、企業の責任は原料の生産過程まで及ぶことが確認されました。また2015年に英国で「現代奴隷法」が制定され、企業が自社のサプライチェーンに強制労働・児童労働や人身取引がないことを担保するために実施した取組みについて報告することが義務付けられたのを皮切りに、フランス、オーストラリア、オランダなど、同様の法制化が先進各国で進んでいます。

ACEはこれまでも、企業向けに児童労働のないビジネスモデルの提案や、研修やコンサルティングをおこない、政府に対しては政策提言をおこなってきましたが、サプライチェーンから児童労働をなくすことが喫緊の課題であるいま、目標を共有する様々なパートナーとの連携が従来以上に重要であると考えております。

４．プロジェクト期間中の活動スケジュール（2020年6月～12月）

＜児童労働撤廃の現地支援＞

・新型コロナウィルスの影響により困窮している家庭への緊急支援（ピース・インドのプロジェクト地テランガナ州の３村）
・スマイル・ガーナプロジェクトにおいて、コミュニティレベルで住民が児童労働をなくし、教育環境を改善するための仕組みづくり
・ガーナ政府との協働で作り上げた「児童労働フリー・ゾーン構築のためのガイドライン」の普及に向けた、コミュニティでの実践、現地関係者への周知、政府・行政・企業・NGOの連携促進
・スマイル・ガーナプロジェクトにおいて、住民の手で児童労働をなくし、教育環境を改善するための仕組みづくり
・ピース・インドプロジェクトにおいて、児童労働のない村の仕組みづくりと地域の児童労働対策強化への働きかけ
・日本の児童労働問題の予防のための啓発活動