【開催報告】10/8「ACEフェス(設立25周年記念イベント)」

【開催報告】10/8「ACEフェス(設立25周年記念イベント)」

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ACEは2023年10月7日に設立25周年記念イベントである「ACEフェス」をDeloitte Tohmatsu Innovation Park(東京・丸の内)で開催しました。当日は、参加していただいたみなさんのほかスタッフとインターンを含む総勢86名が参加しました。

感染症対策による開催制限がなくなって以降初めての対面イベントだったため、会場は終始和気あいあいとした雰囲気に包まれていました。フェスでは、ACEにゆかりのあるゲストとスタッフがトークセッションや体験ブースを通し、ACEの「現在」をお伝えしました。

今回はその様子をACEインターンのSUMIREが報告します。

オープニング

オープニングでは、ACE副代表白木さんと事務局次長成田さんが、ACE設立からの25年間をスライドをお見せしながら振り返りました。

トークセッション1~ACEという生命体の

セッション1では、NexTreams合同会社共同代表の石井宏明さんと、ACEの組織開発担当である山下さんが組織に課題と可能性を感じている人へ向けて、​ACEの組織変遷を一つの試行錯誤の例として挙げながら、ACEの今をつくりだしている歴史を紐解いていきました。

写真左:ACE山下、写真右:石井さん

まずは、お二人の自己紹介とACEの組織開発の歴史についてのエピソードからスタートしました。現場の疲弊感をぬぐえないことへジレンマを抱き、人材育成の道へ進んだ石井さん。同じ目標を持っているのにみんな疲弊していき、自分が働けば働くほど辛くなるという自身の体験談を語りながら、ACEの組織変遷の歴史には様々な困難と苦労があったことを話す山下さん。この二人の様子からも、組織そのものの強化に本腰を入れなければいけないと考えた強い意志がくみ取れました。

そして、個人の思いを大切にし、個人の集まりとしてみんながどうしていくか、どのような対話をすれば深みがでてくるのかということを重視し、志の育成に携わった経緯を振り返りました。

私自身、25周年を迎えることができるほど、確立できていると感じていたACEがこんなにもたくさんの壁にぶつかりながら、現在の姿を築き上げているのだということを知って驚きました。ACEのこれまでの活動を振り返りながら、団体理念や方針を改めて考え、組織拡大に向き合う過程を語りながら、お二人に共通している考えが、ACEは学んで繰り返して学んで実践して対応することができる場であり、常に成長し続ける場であるということでした。

その後、ACEの自己組織化へのステップの話を交えながら改めて組織をどう捉えるのかということを考えながらこのセッションは幕を閉じ、ACEの今までの歩みを振り返り、そして参加者のみなさんと今後を描く場にもなりました。

トークセッション2 子どもの命の声から学ぶ子どもの権利
~あなたの子ども時代が教えてくれたことは何ですか?~

セッション2では、前半と後半で登壇する人が分かれ、参加者の皆さんに問いを投げかける形式で行われました。前半は、ACE子どもの権利チーム成田さん、坂口さん、田柳さんが登壇しました。後半は、デロイト トーマツ コンサルティングの村上元気さん、特定非営利活動法人沖縄青少年自立支援センターちゅらゆいの平林勇太さんと屋部千明さん、そしてACEの田柳さんが登壇しました。

前半では、最初にこれまでACEが行ってきた児童労働撤廃のための現地支援プロジェクトを振り返りました。スマイル・ガーナ プロジェクトを例に挙げ、ガーナのカカオ生産地で児童労働に従事していた当時中学2年生のゴッドフレッドさんの詩を読み上げました。絶望の中でも希望を見出し、勇気を出して発言しながら、おとなの力を信じようとする彼の言葉が会場全体を包みました。ACEのスタッフとして登壇されたお三方も、この言葉に共鳴し子どものエンパワメントの重要性を強く語りました。

そして現在、ACE内で進めている日本の子ども支援戦略や、日本の子ども若者の現状を述べるとともに、日本における深刻な子どものウェルビーイング(幸福度)の状態を伝えました。子ども・若者が自らの意志で人生や社会を築ける世界の達成のために、「子ども・若者のエンパワメント」と「コミュニティ」を2つの重要な軸としてとらえ、現在開発中の「わたしらしさを大切にする子どもの権利ワークショップ」を現在の活動として紹介しました。

トーク前半の最後は、成田さんが「子どもの命の声から学ぶことをテーマにした意義を述べ、人はだれしも子ども時代があり、それがどう今の自分に活かされているのかということを考えるきっかけになれば」というお言葉で締めくくられました。お三方が子ども時代の経験を通して、その経験が現在のいろんな活動に生かされていることを述べる姿に、首を縦に振るなど共感する参加者の方も多くいらっしゃって、非常に印象に残ったセッションでした。

 

後半は、デロイトの村上さん、ちゅらゆいの平林さんと屋部さんが登壇し、体調不良のACE代表の岩附さんに代わり、田柳さんが代打という形でセッションの進行を行いました。

最初に、沖縄県内で居場所支援等を行うちゅらゆいとの共同実施であり、デロイト トーマツ ウェルビーイング財団の助成およびグループ社員3名が伴走支援を行っている「沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクト」の活動紹介から始まりました。

平林さんが、この活動を行うにあたり、これから社会に出ていく子どもたちをどう支援するのか、また子どものエンパワメントをどう守っていくのかということがご自身の根底にあり、それがACEと一緒に支援するきっかけになったというお言葉をいただきました。

そして伴走者のデロイトの村上さんから、今回の伴走内容の目的や特徴をご紹介いただきました。協働助成の仕組みや、事業推進に求められるプロジェクトマネジメントやインパクト測定に関する知見やノウハウを提供する伴走者として応募したきっかけや、実際の伴走内容を、田柳さんとの会話を交えながら話すお二人の姿をみて、伴走者としてコレクティブインパクトの創出を目指す協働の形が垣間見えた気がしました。

うまんちゅ沖縄子どもの権利推進プロジェクトNVC研修(子ども支援者向け/親子向け)のお話の際に、平林さんと屋部さんのお二人が、当時の活動を振り返りながら、感極まって涙する場面も見受けられました。会場に私もいたのですが、声を震わせながら語る姿から、子どもたちを本当に心の底から思っているのだという熱い思いが伝わり、思わずもらい泣きをしてしまいそうになりました。

前半と後半に分けて行われたセッションは、最初の方に参加者の方に投げかけられた「あなたの子ども時代が教えてくれたことは何ですか?」という質問とともに締めくくられ、参加者の方々にとってもスタッフや我々インターン生にとっても改めて子どもの権利について考えさせられる機会となりました。

写真奥左からデロイト村上さん、ちゅらゆい平林さん、ACE成田、写真手前左からACE坂口、田柳、写真手前右がちゅらゆい屋部さん

トークセッション3 わたしが変わる→社会が変わる?
~社会の変化と個人のウェルビーイングの関係~

セッション3は、スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版 共同発起人、一般社団法人 INNO-Lab International 共同代表である井上英之さんとACE副代表白木が登壇し、主に会場にいる参加者の方に質問したり、お互いに質問しあったりなど他のセッションとは一味違った形式でした。

最初にお二人の自己紹介の後、しあわせへのチョコレート プロジェクトの歩みを例にとり、支援するコミュニティを増やすことを突き詰めるあまり、どこまでやったらいいのかと疲弊していき、「外側を動かすには、まず自分を変えることが大切」と学んだ白木さんの言葉から始まりました。

この気づきから「今、何を経験しているか」に注意を向け、その瞬間に気づくというマインドフルネスの重要性についてトークは進んでいきました。

実際に井上さんと白木さんが出したお題に対して周囲の人とディスカッションする機会や、対面イベントらしいその場に即した質疑応答もあり、現場は終始和やかな雰囲気に包まれていました。

自分の意識と意図がどこにあるのか、自分が本当にしたい意図と現在が合致しているのかということに気づくことが、良い結果につながるのだという井上さんのお言葉をいただきました。

写真左:ACE白木、写真右:井上さん

新型コロナウイルスの感染症対策は緩和されたにせよ、その影響で人とのコミュニケーションが希薄になりつつある現在において、自分の中の気持ちを見つめて見える化をすることは、自己理解につながり、それが他者理解ないしはシステム理解につながることを意味するため、とても重要だということもおっしゃっていました。

そしてセッションは、「良いパターンの繰り返しが世界の良いパターンに繋がり、良いことも悪いことにも目を向け、自分の幸せが世界の幸せにつながりそれが世界のためになっている」という井上さんのお言葉で締めくくられました。

クロージングセッション

クロージングセッションにはACE事務局長小林裕と、広告・ファンドレイズマネジャー青井彩乃の2人が登壇し、谷川俊太郎さんのサイン入り絵本をかけたACEに関するクイズ大会が開かれました。

ACEにインターン生として参加した私にとっても問題は真新しいものばかりで、クイズをしながら驚く点が多かったです。和気あいあいな司会進行のもと、今回のフェスを振り返りながら、終始和やかな雰囲気で締めくくられました。

しほの部屋・スナックMIHOKO

17時以降は同フロアにある別会場にてNVCを体験するスペース「しほの部屋」とスタッフと交流の場「スナックMIHOKO」を開催しました。

終始温かい雰囲気と共に、さまざまな方々が集い、交流が生まれまれる場となりました。

しほの部屋の様子

スナックMIHOKOの様子

ご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました!これからもACEをよろしくお願いします。

司会はACE佐藤が務めました

サポーター募集ブース

AFRIKA ROSEをいただきました

作成:インターンSUMIRE

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2023.11.28