ACE代表と副代表がシステムチェンジを語る ~未来を共創するリーダーシップ~

ACE代表と副代表がシステムチェンジを語る ~未来を共創するリーダーシップ~

広報スタッフの赤坂です。4月19日、チェンジ・エージェントの20周年記念シンポジウム「システムチェンジのためのシステムリーダーシップ~未来を共創するリーダーたちのあり方」に、ACE代表の岩附と副代表の白木が登壇しました。

チェンジ・エージェントさんにはこれまでACEで学習する組織、Theory of Changeなど多くの研修を実施いただいたご縁があります。

本記事では、シンポジウムでお話しした内容や私たちACEの取り組みについてご紹介します。

社会課題解決のために求められるシステムチェンジの必要性とACEの取り組み

現代社会は気候変動や経済格差、ジェンダー不平等など、複雑で相互に関連する課題に直面しています。これらは個々の努力だけでは解決できず、システム全体を変革する「システムチェンジ」が求められています。ACEはこの視点を取り入れ活動しており、「システム思考」と「学習する組織」の実践を団体の行動指針(ACE’s Way)の中で掲げています。

代表岩附と副代表白木がシステムリーダシップのシンポジウムで語ったこと

まず、副代表の白木の基調講演では「システムチェンジでカカオの児童労働撤廃に挑む」と題し、多様なステークホルダーを巻き込みながら16年にわたり取り組んできたACEの「しあわせへのチョコレート」の事例を紹介。白木が救出に関わったガーナのカカオ生産地で起きている子どもの人身取引など児童労働の現状をお話ししつつ、子どもが働かざるをえない家庭の貧困への対応を現場で行うだけでなく、現地の教育・福祉などの公的サービスの整備、安価な労働力に依存する経済システムの変革などに、政府機関や企業を巻き込みながら取り組んできたことをお伝えしました。

今力を入れて取り組んでいるガーナ政府と連携した「児童労働フリーゾーン」認定制度の構築で、ACEのような小さなNGOが大きな企業やガーナや日本の政府・政府機関と連携し、国の制度を作る大きなチャレンジをするに至った過程には、社会、事業、組織、自分個人など、様々な側面での変化があったことも振り返りました。

最後にシステムリーダーシップについて、意図を持ち続けつつも結果には執着せず、コントロールできない不快さに辛抱しながら成果が出ることを信じて待つことが大事という、体験に基づく学びを紹介しました。

ACE副代表 白木(写真右)

 

続いて、代表の岩附はパネルディスカッション「システムリーダーシップを探求する」に登壇。ここではシステム全体を俯瞰しつつ、個人がリーダーシップを発揮する重要性が紹介されました。

システムリーダシップの実践者の一人として、これまでのACEの組織運営における学習する組織を目指した実践や、組織のメンタルモデルを言語化しそれを乗り越えるための考え方「ええんやで5原則」等を紹介。全スタッフが主体的に学び合い、リーダーシップを発揮できる環境づくりをどう実現できるか、登壇者のみなさまとの意見交換を行いました。

実践するために個人レベルでできることとして、相手との境界線を一旦横に置くことや、ACEの行動指針の一つである、夢を描き、可能性を見出し、信じて、行動し続ける(Dream, Discover, Believe, Do)なども紹介しました。

ACE代表 岩附

 

パネルディスカッションを受けて

パネルディスカッションのあとは、モデレーターを務められた渋谷聡子さんのファシリテーションで会場全体でのグループワークが行われました。渋谷さんはこれまでのACEの学習する組織研修を担っていただき、スタッフへのNVC研修を行っていただいている方でもあります。

会場全体で「ない」ものではなく「ある」ものに目を向け、視点を変えることで自分のニーズとつながる体験を共有しました。

登壇後の懇親会ではシステム・リーダーシップの関心の高い関係者の方々からも発表に対するフィードバックがあり、ACEのシステム・チェンジを図る活動や、組織開発がインスピレーションになったことが感じられ、今後の取り組みに向けたつながりも生まれました。

子どもたちに自由の力を、すべての人に変革の力を

ACEスタッフは入職時に全員がチェンジ・エージェント社によるシステム思考を含む学習する組織を学ぶ研修を受けます。実は、私自身、社会課題をシステムとして捉え、対処療法ではなく根本解決を目指すACEの在り方に共感して入職しました。

今回のシンポジウムを通じ、システムリーダーシップは特定の人に限らず、誰もが発揮できるものだとあらためて感じました。個人の情熱が周囲を巻き込み、組織や社会全体に変革をもたらす力となります。あらためて、「子どもたちに自由の力を、すべての人に変革の力を」というACEのパーパスが胸に響きました。

ACEは今後も児童労働問題の根本解決に向け、システム思考に基づく取り組みを続けていきます。また、日本や世界のあちこちでシステムチェンジを起こすようなアクションやリーダーシップが生まれるよう、ACEでの体験や学びを共有していきたいと思っています。

システムチェンジという大きなチャレンジにぜひ仲間として加わっていただき、温かいご支援をいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

世界の子どもの笑顔のため、世界を変える小さな一歩を。

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2025.05.20