“リスク対応”から“価値創造”へ──人権が企業の未来をひらく 学研グループでの人権研修をレポート

“リスク対応”から“価値創造”へ──人権が企業の未来をひらく 学研グループでの人権研修をレポート

「“ビジネスと人権”って、難しそう?」―――そんな印象を少し変えるきっかけになったのが、今回の学研グループでの研修です。今回は、学研グループでACEが実施したサステナビリティ研修の様子とそこに込めた想いについて、研修の講師を担当した佐藤よりご紹介します。

なぜこの研修を?

学研グループは、教育や医療福祉といった分野で、子どもや高齢者に深く関わる事業を展開しています。だからこそ、従業員一人ひとりの「人権を守ることが、企業の責任であると同時に、価値の源泉でもある」ことについての理解が、これからの持続可能な経営に欠かせのではないかと、私たちは考えております。

今回の研修では、そうした視点を共有することを目的に、「ビジネスと人権基礎講座」をカスタマイズ。ACEが設計・実施を担当しました。

どんな内容だったのか?

研修の前半では、「人権問題は遠い世界の話ではなく、日々の企業活動とつながっている」ということを、具体的な社会事例を通して伝えました。芸能事務所の性加害問題、介護施設での高齢者虐待、学習塾での児童への性暴力など、近年の報道事例をもとに、企業の責任と信頼の関係性について解説しました。学研グループの事業とも関係するこれらの事例は、参加者の関心を引いたようです。

後半では、学研グループが人権課題に対応するうえで大切な2つの視点「セーフガーディング」と「レバレッジの活用」を軸に解説しました。

  •  セーフガーディングは、教材表現や学習環境の安全、高齢者ケアの現場での尊厳の確保など、「サービスを受ける人」の人権を守るための仕組み。
  •  レバレッジの活用は、自社の影響力を活かし、サプライヤーや業界全体に変化を促すアプローチ(例:サステナブル調達や業界連携など)。

最後にはグループワークも実施し、「自分の業務と人権との接点」や「学研グループだからこそできるアクション」について、参加者同士で意見を共有する場となりました。

“リスク対応”から“価値創造”へ

人権に配慮することは、単なるリスク管理にとどまりません。安心して学べる環境、信頼できるケア、健全な職場文化。こうした基盤は、企業価値を高め、社会との信頼関係を築く源になります。

参加者からは、「人権という視点をもとに、業務判断を見直していきたい」「自分の仕事の意味が深まった」といった声が寄せられました。

すでに人権に向き合ってきた学研グループのみなさんだからこそ、今回の研修は“社会に価値を生み出す”企業としての取り組みを、さらに一歩前に進める時間になったように感じました。

ACEの想いと、企業の挑戦をともに

私たちACEは、「世界の力を解き放つ -子どもたちに自由の力を。すべての人に変革の力を-」というパーパスを掲げ、企業のみなさんとともに、社会をよりよくする力を引き出す研修を設計・実施しています。

今回の研修でも、「レバレッジの考え方を活かして、他部門との連携も考えたい」「サプライヤーや外部との関係性の中でも人権配慮ができると知った」といった声が寄せられ、組織全体での広がりや行動への意欲が見えました。

また、「セーフガーディングは、まさに自分たちの事業に関わる大切な視点だと感じた」との反応もあり、現場で実践できる視座を得た方も少なくありません。

人権への取り組みは、時に難しく、正解が見えにくい領域です。だからこそ、ひとつひとつの気づきと対話が、企業文化を変える種となります。

私たちは、そうした変化を支え、ともに歩むパートナーでありたいと願っています。
人権研修やサステナビリティ推進についてご関心のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

人権研修やサステナビリティ推進についてのお問い合わせはこちらから

「お問い合わせフォーム」にて「企業向け研修・講演について」を選択して送信いただくか、以下担当者までご連絡ください。

認定NPO法人ACE 佐藤
Eメール:partnership%acejapan.org(%を@に変えて送信してください。)
電話:03-3835-7555(受付時間:平日午前10時~午後5時)

  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2025.05.20