幸せへのチョコレート

ガーナ・カカオ生産地の児童労働

カカオ畑での収穫風景

チョコレートの原料カカオは、赤道近くの高温多湿な地域で栽培されます。そのカカオ生産地では、農薬の使用や森の伐採などにより生態系や環境が破壊されたり、地域の子どもたちが学校に行けずに危険な労働を行っていたり、さまざまな問題がおきています。ガーナを含む西アフリカ4カ国で、カカオ農園で数十万人の子どもが働き、そのうちの64%が14歳以下であることが分かりました(国際熱帯農業研究所、2002年)。

 

ガーナ・カカオ生産地で働く子どもたち

ガーナ、カカオ畑での児童労働

ACEが2008年2月にガーナのアシャンティ州で行った調査では、子どもがカカオ作りのすべての工程に関わり、 机やイスが足りないなど、学校の設備も不十分であることがわかりました。農園ではナタや農薬などを扱うため、ケガや病気の危険にもさらされています。

カカオを収穫できるのはガーナの南部一帯だけ。ガーナの北部地域は気候も大きく異なり、農業もままならず産業が少ないため、現金収入を得られる仕事や土地を求めて移住してくる人たちが後を絶ちません。ガーナ北部だけでなく隣国のブルキナファソ、トーゴなどの国々から移住してくる家族も少なくありません。移住してきた家族がカカオ農業に従事する中で、その家庭の子どもが児童労働をしているケースもありますが、最も最悪の場合は、子どもが家族と引き離されて労働者として連れてこられるケースも起きています。これは人身取引にあたり、国際条約やガーナの国内法でも固く禁じられていますが、実際にはなくならないのが現状です。

 

ガーナのカカオ生産地の今

ガーナでは、憲法で義務教育が保障されているほか、国連の子どもの権利条約や国際労働機関(ILO)が定める児童労働を禁止する2つの条約にも批准しており、国内法でも児童労働や人身売買は禁止されています。カカオ産業における児童労働については、欧米を中心としたカカオの取引先国からの圧力などもあり、ガーナ政府によるカカオ産業の児童労働撤廃に向けた国家計画などの取り組みも行われてきました。そのため、ガーナのカカオ生産地では児童労働をなくして子どもの教育を徹底しなければならないという意識は広がってきています。ただし、問題を解決するためには、児童労働や人身取引などの予防や取り締まり(法律の徹底)、そのための意識啓発にはじまり、カカオ生産における農家の技術向上や生活向上支援、教育環境の改善、地域経済の活性化や雇用の拡大など、幅広い課題への対応が必要なため、大規模な改善はまだ見られていない状況です。2015年7月の米国チュレーン大学の調査レポートでは、ガーナではいまだに約90万人の子どもたちがカカオ生産において児童労働の状態にあることが報告されています。

現在カカオ生産地域が抱える問題のひとつに、カカオ樹の老齢化や後継者不足をはじめとする労働者不足があります。カカオ樹の生産性は30年ぐらいまでが最もよいと考えられていますが、ガーナの場合は多くの木が樹齢50年近くになる状態で生産性が落ちています。また近年の気候変動による天候不順も収穫高が伸びない要因の一つとなっています。収穫高が伸びない一方で、ここ数年は、カカオの国際取引価格も低水準になっており、これがカカオ農家の収入が伸びない要因にもつながっています。

カカオの収穫高が上がらず、価格も低ければ、カカオ農家の収入は低くなってしまい、子どもの教育や将来への投資にかけられる余裕はどんどんなくなってしまいます。国際価格の安定化やカカオ生産技術の向上と収穫高の拡大が、カカオ農家の貧困からの脱却には必要となります。

参考:チョコレート1枚につきどれくらいが生産者の収入になるのか
チョコレートはカカオ豆だけでなく、砂糖やミルクなどの原材料が使われています。商品によって原材料の比率やカカオの値段も国によって異なるため、チョコレート1枚当たりのカカオ生産者の収入を算出するのはとても難しいことです。例えば、70gの板チョコでカカオ含有量40%の場合、ガーナのカカオ生産者価格(*)で計算すると、生産者の収入は板チョコ1枚につき2.8円(約3%)程度だと考えられます。

(*)「カカオ生産者価格」2009年7月調査時点の価格
1袋(64kg)=102ガーナセディス=約6,500円
1kg=約100円で計算(2009年10月29日為替レート)

カカオ農家と子どもを支援する活動「スマイル・ガーナ プロジェクト」

ガーナのカカオ生産地域の子どもたち

この状況に対しACEでは、子どもたちが危険な労働から守られ、学校で質の良い教育が受けられるようになることをめざし、2009年2月からガーナのアシャンティ州アチュマ・ンプニュア郡の8村で、さまざまな活動を行ってきました。これにより、2017年までに、454人の子どもたちが児童労働から抜け出し、新たに学校へ通えるようになりました。また、教育環境の改善を通じて、約4000人の子どもたちが継続的に教育を受けられるように貢献してきました。

ガーナでの支援活動「スマイル・ガーナ プロジェクト」

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