「児童労働のない」チョコレートの実現に向けて企業と協働 | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

幸せへのチョコレート

「児童労働のない」チョコレートの実現に向けて企業と協働

日本でチョコレートを食べるわたしたちだけでなく、カカオの国の子どもたちもハッピーにしたい…。そんな想いを込めて、チョコレート企業各社との協働を通し、ガーナでの支援活動を支える取り組みへの参加を呼び掛けてきました。

チョコレートの売上一部ご寄付によるご支援

2009年から2017年までは、売上の一部が「スマイル・ガーナ プロジェクト」への寄付になる商品として「しあわせを運ぶ てんとう虫チョコ」を自分たちで仕入れて加工、販売し、多くの方々のご支援により、累計で1,400万円をガーナの活動に活用することができました。

2011年以降は、森永製菓の「1チョコ for 1スマイル」や、フェリシモのLOVE&THANKS基金など、チョコレートの販売を本業とする企業による売上からのご寄付や、企業やお客様からのご支援をいただきながら、ガーナでの活動を拡大してきました。

森永製菓「1チョコfor1スマイル」ガーナの子どもたち

活動地域で採れたカカオ使用のチョコレート

2016年には立花商店の協力により活動地域で生産されたカカオ豆の日本への輸入が実現し、日本を代表するショコラティエやBean to BarのチョコレートブランドなどでもACEの活動地域産カカオ豆が扱われるようになりました。今では、ガーナのACEの活動地域で採れた「児童労働のない」カカオ豆を使ったチョコレートは日本各地の70社以上、200アイテムを超えるまでに広がっています(2023年1月時点)。

これまでの連携の延長上で実現した「希望」のチョコレート

2023年12月には、ACE創設25周年を記念し、ACEの活動地域で生産されたカカオを使用したチョコレートを、立花商店、クラウン製菓、市川歩美さん(チョコレートジャーナリスト)と共同開発。現地の言葉で「希望」を意味する「ANIDASOƆ-アニダソ」と名付けました。UPDATERの協力により、生産地までのつながりがブロックチェーンでたどれる技術も搭載しました。1枚につき500円が生産地支援になるチョコレートによる課題解決にむけた取り組みの輪の広がりを目指しています。

UPDATERとは、これまでも両社で児童労働のないバッテリー製造実現に向けた基礎研究や、児童労働のないサプライチェーン構築のためのブロックチェーンの活用方法を共に探求し、消費者からの寄付金の行く先をブロックチェーンを用いて見える化した「タドれるチョコ」の共同開発も過去に行っています。ACE法人会員としての寄付者・被寄付者の関係を超えて、今回もアニダソチョコレート開発段階よりご協力をいただきました。

企業のサプライチェーン上の児童労働対策を進める上での連携

ブラックサンダーを主力製品とする有楽製菓とは、2018年に同社会長と初めて対話をし、以降サプライチェーン上の児童労働撤廃取り組み強化にむけて、継続的にアドバイスを行っています。2022年9月にブラックサンダーのカカオ原料が、その後2024年7月に全商品のカカオ原料が、児童労働問題に配慮されたものにすべて切り替わりました。

2022年10月からは、江崎グリコがトレーサブルカカオを調達しているガーナのアシン・サウス郡において、児童労働フリーゾーンの認定要件に則ったコミュニティの仕組みづくりに取り組んでいます。同地域でカカオ農家の生産技術向上を立花商店が支援しており、三者が連携して取り組みを推進しています。

業界全体での連携~コレクティブインパクトの創出をめざして~

企業との連携でさまざまな取り組みを進めてきましたが、企業が個別に取り組むだけでは、まだまだ課題全体への解決には程遠いため、より大きなインパクトをめざして、業界全体を動かすことが必要であると考えていました。

そこで、JICA(国際協力機構)と連携し、企業や業界だけでなく、NGOや政府機関を含む様々なステークホルダー(関係者)が協力して、カカオのサステナビリティの問題への取り組みを促進するためのプラットフォームづくりも進めてきました。その結果、2020年1月にJICA主導により「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」が立ち上がりました。日本を代表する大手チョコレートメーカーや原料メーカー、フェアトレード・ラベル・ジャパンやレインフォレスト・アライアンスなどのNGOなど59企業/団体、127個人が加盟しており(2024年1月現在)、ACEも設立時からのメンバーとして活動に参画しています。

また、2021年12月には、同プラットフォーム内に「児童労働撤廃分科会」を設置し、2022年9月に「児童労働撤廃に向けたセクター別アクション」を策定しました。メーカーや商社、流通など、企業でも業界内の立ち位置によって求められる役割が少しずつ異なるため、それら異なる各ステークホルダーに期待される具体的な行動を示しています。セクター別アクションを示すことにより、カカオ産業に関わる企業の人権デュー・ディリジェンスの実施を促進し、責任ある企業行動・調達の実現に資する実務的なガイダンスとして活用されることも意図しています。セクター別アクションに基づく取組の進捗状況は定期的な公表が予定されています(2024年2月に公開された初版についてはこちら:「児童労働撤廃に向けた取組状況レポート」にACEの活動が好事例として掲載されました)。

 

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