インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2002年度報告&2005年度スタディツアー報告

インド「子どもにやさしい村」プロジェクト 2002年度報告&2005年度スタディツアー報告

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ACEがインド「子どもにやさしい村」プロジェクトとしてはじめて支援したウッタル・プラデシュ州の村を視察するため、2005年9月18日~26日にACE初のスタディツアーを実施しました。ツアーには、普段ボランティアとしてACEの活動に参加している大学生4人が参加しました。

2002年度の「子どもにやさしい村」プロジェクトの報告と、ACE初のスタディツアー実施を報告させていただきます。

「子どもにやさしい村」プロジェクトについて

村の入り口に立てられた看板「子どもにやさしい村(ヒンディー語でBal Mitra Gram)」 プロジェクトは、インドの貧しい農村で児童労働がなくし、すべての子どもが学校で学べるように支援する活動です。インドのパートナーNGOであるBBAはこれまでに、インドの9つの州の53の村と6つの区で「子どもにやさしい村」プロジェクトを実施し、教育の質の改善などさまざまな成果をあげてきました。

ACEは2002年にウッタル・プラデシュ州メーラト県の4つの村で実施されるプロジェクトを支援しました。2005年5月からは、ACEチャリティフットサル大会での収益などで、新たにガンゴール村でのプロジェクト実施の支援を開始しました。

「子どもにやさしい村」プロジェクトの活動内容

インドでは14歳までが義務教育となっていますが、貧困などが原因で親が子どもを学校に通わせることをあきらめ、働かせてしまうことがよくあります。ACEが支援してきた村では、農業のほか、サッカーボールやクリケットのボールなどのスポーツ用品の製造が村人たちの主な収入源になっています。学校に行けない子どもたちがおとなと一緒にこのような仕事を行うことも珍しくありません。

「子どもにやさしい村」プロジェクトでは、子どもの教育は家族や社会全体にとって重要で、教育を受けることは子どもが本来持っている当然の権利であるという考え方を村全体に浸透させることにより、児童労働をなくし、村のすべての子どもが学校に通い、教育を受けられるようにしています。

子ども村議会を作り子どもの声を届ける仕組みづくり

子どもたち自身が投票して子ども村議員を決めます「子どもにやさしい村」プロジェクトでは、子どもの意見を村の自治へ反映させるための仕組みづくりを行います。まず、子どもたちが選挙を行い、代表として選ばれた子どもたちで「子ども村議会」を作ります。子どもたちは定期的に「子ども村議会」で子どもが抱える問題について意見交換をし、話し合ったことを村のおとなの議会へに届け、子どもの問題に村全体が取り組むよう働きかけていきます。

 

「子どもにやさしい村」プロジェクトの特徴は、子どもたちが指摘した問題を解決するための活動に、ACEやBBAなどのNGOがお金や資材を出さない点です。村に学校がなければ村人自身が自治体に申し立てをしたり、村の改善のための補助金制度を活用したりするよう促します。NGOが行うことは、村の人たちが自分たちの持っている資源やすでにある国や自治体の制度を使って、自分たちの力で問題を解決できるように必要な助言や技術協力などを手助けをしていくことです。

「子どもにやさしい村」プロジェクトの成果

訪問した村での様子ツアーでは、2002年に支援を開始した村の一つ、ポーリ村に訪問しました。村では女性の活動家が中心となり「子どもにやさしい村」プロジェクトが行われてきました。

インタビューをした子ども村議会のメンバーのひとりの少年は、子どもたちの話し合いにより道路とトイレの問題に取り組んだといいました。その結果、雨季に大雨で水溜りができて歩けなくならないように小学校の校庭の真ん中に通路としてレンガが敷かれていました。また、中学校には新たにトイレが設置されていました。

新しく選挙で当選したばかりという27歳の若い村長さんにもお話を聞きました。「子どもの教育は村の発展にとってとても重要であり、子どもの教育には積極的に取り組んでいきたい」と真剣なまなざしで語ってくれました。また、村では子どもの教育以外にも、病院がないなどの問題をまだ抱えているということでした。

「子どもにやさしい村」は持続可能な村づくりの第一歩

タージ・マハールにて村での問題がすべて解決されるわけではありませんが、「子どもにやさしい村」プロジェクトでの取り組みを通じて、村の住民が自分たちが抱える問題について話し合い、行政の仕組みや村人たち自身の工夫により解決していく方法を身につけはじめています。

村人たちの自立によって、外部からの依存に頼らない、持続可能な村の発展を実現していくことが可能となるはずです。

ACEでは、今後もインドの「子どもにやさしい村」プロジェクト実施地域を訪問するスタディツアーを開催してまいります。インドの子どもと会って、日本の私たちに何ができるか考えてみたい方は、ぜひご参加ください。

(← ツアーで訪れたタージ・マハールでの一枚)

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  • カテゴリー:子ども支援
  • 投稿日:2005.10.26