インド:刺繍産業の債務児童労働者13人が救出される

インド:刺繍産業の債務児童労働者13人が救出される

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ニューデリー(2008年7月14日)- BBA(ACEのパートナーNGO)、地方行政局、デリー警察が共同で刺繍・革製品工場への強制捜索を行い、13人の債務児童労働者が救出された。救出された子どもたちは全てビハール州の村出身で、8~15歳、工場で2~3年間働いていた。

10歳のサミ君(仮名)は3年前、仲介業の男性にデリーに連れてこられた。男性は彼の父親に事前に500ルピー(約1350円)を渡し、デリーで教育と職業訓練を施すと伝えたが、刺繍工場で働かされた。働きたくないというと「父親に金を貸した。それを返済するまでここを出ることはできない。」と言われた。これまで3年間無給で働き、食事を2回与えられるだけ。刺繍のミスをすると熱した鉄棒で腕を焼かれ、逃げると捕えられ殴られた。

BBAスタッフから自宅へ帰れると聞くと「村では小学校3年生だった。クラスに戻って大好きな勉強を続けたい」と言った。

子どもたちは朝7時から夜の12時まで働き通しで、無報酬で働かされていたことから、1976年制定の債務労働制(廃止)法 に基づき、債務労働者として社会復帰の支援を受けられることになった。

BBAによると、これまで6カ月で約400人の債務児童労働者が救出され、リハビリ支援を受けた。デリーではまだ約1万人もの子どもたちが債務労働者として働いているが、労働局は事態を全く把握しておらず、緊急に対策を計画し実施しなければならない状況である。

救出された子どもたちは、BBAが運営するリハビリセンターで過ごした後、家族の元へ帰還することになる。債務労働制(廃止)法に基づいて、家族はリハビリのための2万ルピー(約5,4000円)の資金支援措置を受け取り、子どもたちは学校に戻ることになる。

出所:Global March Against Child Labour

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  • カテゴリー:児童労働ニュース
  • 投稿日:2008.08.28