サッカーボールを縫っていたソニアさん(インド)

サッカーボールを縫っていたソニアさん(インド)

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2001年に来日し記者会見でサッカーボール縫いの児童労働を話してくれたインドの女の子

記者会見のため来日してくれたソニアさん(15歳)

2002年、日韓共催でサッカーのワールドカップが日本で開催されました。華やかなグラウンドでの魅力的な試合に人々の関心が集まりましたが、その一方で、たくさんの子どもたちが劣悪な環境でのサッカーボールの製造にたずさわっていました。

日韓共催サッカーワールドカップの一年前、2001年5月31日に一人の女の子が記者会見のためインドから来日しました。それがソニアさんです。ソニアさんは5歳からサッカーボールを縫う仕事をしていました。ソニアさんは記者会見でサッカーボール縫いについて話してくれました。

私は朝7時から夕方5時までボールを縫う仕事をしていました。
1つのボールを縫うと5ルピー(約15円)もらえました。
縫う時、手に針を刺してしまい、とても痛かったです。
勉強をしたかったけど、病気の母を看病している父に
『学校に行かせてほしい』とは言えませんでした。(ソニアさん)

サッカーボール縫いの児童労働

サッカーボールは正六角形と正五角形のパネルを縫い合わせてできています

サッカーボールは32枚のパネルでできています

サッカーボールは、32面の硬い人工皮で出来たパネルを縫い合わせてできています。それを縫い合わせる作業にインドやパキスタンの多くの子どもたちが関わっていました。

パネルを縫い合わせる作業はとても時間がかかり、一日かけてボール2個を縫い終わるのがやっとです。ソニアさんのお母さんは病気で、お父さんはその看病に追われていました。ソニアさんは親戚と一緒にサッカーボールを縫って家計を助けていましたが、7歳の時に失明してしまいました。それでも、彼女はボールを縫い続けていたといいます。

ソニアさんは現地のNGOのスタッフによって救出され、自分の体験を語るために日本へ来日しました。記者会見で、ソニアさんは力強く日本に住む私たちに向かって、こう言ってくれました。

サッカーボールを使うときは、
大人が正当な賃金をもらって作ったものを使うようにしてください。
子どもは学校に行くべきです。そのために、どうか協力してください。(ソニアさん)

 

初めて外国へ来たソニアさんでしたが、日本語の発音を真似したりと、とてもほがらかで明るい性格の女の子でした。当時、サッカーボールを作る児童労働があることを知らなかった私たちはソニアさんを通じて、サッカーという世界中の人に愛されるスポーツの裏側に児童労働があることを知りました。そして、サッカーボール産業における児童労働のことを多くの人に伝えるためのキャンペーンを日本で行いました。それが「ワールドカップキャンペーン~世界から児童労働をキック・アウト!」です。

ワールドカップにあわせてサッカーボールの児童労働に反対

ワールドカップキャンペーンでの児童労働反対マーチの様子

ワールドカップキャンペーンの様子

「ワールドカップキャンペーン」は、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン日韓アジア基金と共に実施しました。約4000人の動員数を得て、多くのメディアから取材を受け、さまざま媒体でサッカーボール産業の児童労働が報じられました。この体験を通じて「もっと児童労働のことを日本に人に伝えたい!」とか「そのためにもACEの活動を充実させなくては!」という気持ちが強くなり、ACEをNPO法人にする決意したきっかけとなりました。

実は、ソニアさんは日本で記者会見をしたあと韓国にも行きました。韓国で初めてお医者さんに診断を受けましたが、残念ながら見えなくなってしまった目はもう治らないことがわかりました。

それでも彼女は、その事実をしっかりと受けとめたそうです。困難に負けず、芯の強いソニアさんを誇りに思うと同時に、ソニアさんのように、子どもの頃の労働環境が影響で、健全な成長や将来の可能性を奪われてしまう子どもがたくさんいることに気づかされました。

世界では、今もなお1億6800万人の子どもたちが働いています(※国際労働機関:2013年発表推計)。一人でも多くの子どもが、その子の可能性を花開かせられるよう、児童労働をなくす運動も、もっともっと盛り上げて行きたいと思います。ぜひご協力をお願いします。

「サッカーボール産業における児童労働」関連ページ

サッカーボールと児童労働

児童労働をなくすキャンペーン

 

「そのこ」の未来キャンペーンに参加してください!

ソニアさんのように、遊んだり、勉強したいと思いながらもそれが叶わず、おとなと同じように働いている子どもがいます。

ACEでは2016年5月から8月末まで、「そのこ」の未来キャンペーンを実施中です。このキャンペーンでは、私たちACEが児童労働のない社会を実現するため活動資金を集めることを目的とし、みなさまからのご寄付を募っています。あなたも「そのこ」の未来キャンペーンに参加し、一緒に児童労働のない未来をつくる一員になってください。

(詳しくは「そのこ」の未来キャンペーン特設ページをご覧ください)

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  • カテゴリー:子どものエピソード
  • 投稿日:2010.07.06