児童労働のない未来へ-NPO 法人ACE代表 岩附由香のブログ

東京新聞夕刊コラム「紙つぶて」

2021年3月23日

消えた名前

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「岩附(いわつき)」という名字は旧姓で、結婚して戸籍上の本名は夫の姓になったが、仕事はそのまま旧姓で続けている。

どの場合にどちらの名前を書くか。迷うのが家族で出す年賀状だ。友人や親せきが中心だが、私の仕事関係の人も多少いる。そこで、○○由香(岩附)と、かっこで旧姓を併記していたが、それをうっかり忘れた次の年、大学院時代の指導教授からの年賀状の宛名に私の名前はなく、面識もない夫の名前が書かれていた。私の存在は、きれいさっぱりなくなっていたのだ。

先日、「手紙の書き方」を学習中の小学二年生の娘から、私宛のはがきが届いた。宛名は本名の名字が書いてあったが、よく見ると、その下にうっすら「いわつき」を消した跡がある。どうやら娘は不安になって、通学時にこっそりパパに確認し、夫の姓に書き直したらしい。

娘に聞くと「だって、会社で『いわつきさん』って言われていたでしょ。だから、ママのなまえは『いわつきゆか』なのかと思ったの」。

実は、娘を伴って「子連れ出勤」したことが何度もある。会議であれ、イベントであれ、母が仕事で何と呼ばれていたのか、ずっと見聞きしてきたのだ。そうだよね、「いわつきゆか」でも、普通に郵便が届くようになるといいよね、と思う。

NPO「ACE」代表 岩附由香

(2021年3月23日の東京新聞・中日新聞夕刊コラム「紙つぶて」に掲載)

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