児童労働のない未来へ-NPO 法人ACE代表 岩附由香のブログ

東京新聞夕刊コラム「紙つぶて」

2021年4月21日

子どもの権利条約

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国連子どもの権利条約をご存知だろうか。一九九八年に採択された条約なので「自分の子ども時代にはなかった」という人もいるだろう。子どもを権利の主体と認め、十八歳未満を子どもと定義している。百九十六カ国・地域が締約し、ここにある子どもの権利を認め、国としてそれを保障する義務を負っている。日本は九四年に批准した。

五十四条ある条文の内容を大まかに分けると、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」にまとめられる。参加する権利の中には「自分が影響を受ける決定について意見を表明する権利」が含まれる。意見を聴かれ、大人が真剣に受け止める権利だ。子ども自身に関わることだけでなく、決定する政策が未来に影響を及ぼす場合、実は子どもが最も重要なステークホルダー(利害関係者)になり得る。子どもの声を聴き、年齢に応じた参加を家庭、学校、地域社会、そして政策決定の中で実現していくことが、実はこの条約の謳う「子どもにとって最善の利益」を実現する近道なのでは、と感じている。

国連子どもの権利委員会が日本政府に繰り返し強く勧告していることがある。条約を方で裏付ける「子どもの権利に関する包括的な法律」を制定することだ。こども庁の議論が活発化している。批准して二七年間、放置されてきたこの宿題も忘れてはならない。

NPO「ACE」代表 岩附 由香

(2021年4月20日の東京新聞・中日新聞夕刊コラム「紙つぶて」に掲載)

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