顔をあげて、一歩づつ前へ。 | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

児童労働のない未来へ-NPO 法人ACE代表 岩附由香のブログ(single-blog)

日々是発見

2011年4月1日

顔をあげて、一歩づつ前へ。

はじめに、東日本大震災により被災されたみなさまに心より見舞い申し上げます。また、大切な人を亡くされたみなさまへ、心よりお悔やみ申し上げます。

被災地にいらっしゃるACE会員・マンスリーサポーター・学校・企業など、これまでおつきあいのある皆様には、個別に安否確認、ご支援の継続の意思の確認を含めたご連絡をさせていただきます。

また、今回の震災にあたって、ACEでは専門性がないことから緊急支援活動(水、医療、食糧などを届ける活動)は行わないことを決めました。

ACEとして震災復興支援のため活動することを決定

一方で、復興支援という観点で、この震災を受け被災地の子どもに裨益する活動を行うことを理事会で決定いたしました。ACEが目指す「子どもの権利が保障され、すべての子どもが希望を持って安心して暮らせる社会」の実現に向けて、ACEの強みを活かし、被災地の子どもたちが困難な状況を乗り越えるささやかな一助となる活動を現在検討中です。

震災が起きてからしばらくして、私の頭に浮かんできた言葉が「レジリエンシー」です。日本語で言えば「自己回復力」。カーペット業界では「カーペットが踏まれても起き上がる回復力」として従来使われていたようですが、一般にはあまりなじみのない言葉かもしれません。

私がこの言葉を知ったのは10年以上前にさかのぼります。

人は立ち上がる力を生まれつき持っている

児童労働や商業的性的搾取で子どもの権利を奪われ、心身を傷つけられたにも関らず、法廷に立って証言したり、自ら他の子どもたちを救おうと立ちあがったりする子どもたちがいます。なぜ、そんな状況でも立ち上がることが出来るのだろうと、という問いに対する答えが、尊厳を回復していく力、つまり「レジリエンシー」だったのです。どんなに傷つけられても、自ら尊厳を回復できる力を人は生まれつき持っていることを教えられました。

今回の震災でも、家族の行方がわからない、家財道具一切を家ごと流されたなど、厳しい状況の中、被災地の子どもも深く傷つき、不安がいっぱいに違いありません。そんな中、避難所で率先してボランティアする子どもたちがいて、やはりこの言葉を思い起こすと同時に、その姿にどんなに大人が励まされているかを感じました。

子どもたちが無理にがんばりすぎないよう気をつけながら、子どもが苦難を乗り越えようとする意欲と行動をサポートできるか、大人の姿勢が問われる気もします。

日本が戦後発展してこれたのはどうして?

途上国へ行くと「日本は戦争で負けたのにどうやってそんなに発展したのか」と質問されることがあります。太平洋の隅っこにあるこんな小さな島国が、原子爆弾を落とされながらも社会、経済を発展させたことは驚きをもって受け入れられているようです。そう考えると、日本は最もレジリエンシーが高い国のひとつなのではないでしょうか。

持ち前のレジリエンシーを発揮すれば、私たちは、きっと大丈夫。下を向いてしまうと、まわりが見えなくなり、助けも呼べないし、助けを必要としている人も見えなくなってしまいます。

だから、顔をあげて、上を向いて、一歩づつ前へ、共に歩きましょう。

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