NPOのフルコストリカバリー(Full Cost Recovery)の考え方 | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

児童労働のない未来へ-NPO 法人ACE代表 岩附由香のブログ(single-blog)

NPO経営/NGO組織運営

2008年4月1日

NPOのフルコストリカバリー(Full Cost Recovery)の考え方

昨年、2007年の10月に、イギリスの国際会議に招かれて参加してきました。その会議は、ACEVOという団体のお招きでしたが、ここの団体で購入した書籍をいまようやく手にとっています。その本の名前は “Full Cost Recovery, a guide and toolkit on cost allocation” です。

これまで常々疑問だった「管理費を各事業でどのような割合で負担すべきか」という予算作成・財務上の課題に真正面から取り組むのが、フルコストリカバリー(Full Cost Recovery)です。

フルコストリカバリーとは

「総費用の回収」を意味します。NPOの活動には、事業担当者の人件費や講師謝金、交通費、印刷代など、事業には直接的には係らない経費だが、事業を実施するうえで欠かすことができない「管理費」が必要です。その「管理費」を、いかに回収するかを考えることです。NPOの経営にとってとても重要なことです。

 

Full Cost Recovery, a guide and toolkit on cost allocation“では、ステップバイステップ(Step by Step)で手取り足取り教えてくれて、その通りに計算してみると、各プロジェクト(活動)が管理費のどの部分をどれぐらい負担すべきかということが見えてきます。

各事業でどの程度の全体コストをカバーすればいいのかが見極められれば、各事業の財務目標が確定する。その財務目標が各事業でカバーできない場合は、その補填をどこからもってくるのかを考えればいい。そこを全体の資金調達でカバーするような資金調達計画を立てればよいわけです。

フルコストリカバリーのコンセプトはそこそこ理解できたので、とにかくやってみようとExcel(エクセル)で計算してみた。なるほどーーー。各事業で現在の2倍以上の収入がないと成り立たないことがわかりました。

もちろん、事業によっては収入が得にくいものもあるので、その分は会費などから補うことも考えられるわけですが。。。実際のコストがわかったところで、そのコストをどう解釈し、そのコスト分をどのような戦略で埋めていくのかが今後の課題・・・。

このツールを使って、今後3ヵ年の財務の方向性を定めた「資金的自立計画書」と照らし合せながら、ACEの財務計画を練っていきたいと思います。

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