【Forbes】グローバル経済に潜む児童労働の実態

【Forbes】グローバル経済に潜む児童労働の実態

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米国雑誌Forbes(日本語版)5月号にインドの児童労働について特集記事が掲載

インドで労働を強いられる子どもたちの過酷な実態、児童労働による製品がグローバル経済の複雑なサプライチェーンの中で先進国へ供給されていること、国内での取り組みの現状や課題などについて記されています。

児童労働の状況について、ACEがこれまで注目し取り組んでいる内容の多くがカバーされています。例えば、ACEの国際協力事業「子どもにやさしい村」プロジェクトが行われている州での石切り場やカーペット織り、アンドラ・プラデシュ州でのコットン栽培などがあります。さらに、ACEのパートナー団体である「児童労働に反対するグローバルマーチ」とBBAの活動やコメントも含まれています。

以下、掲載記事を一部要約したものをお届けいたします。

インド:グローバル経済に潜む児童労働の実態

手織りのカーペット、刺繍ジーンズ、ビーズ財布、サッカーボールなどの輸入製品の製造に、ほとんどの場合、児童労働が関わっており、米国ではこれらの製品が大型チェーン店で販売されている。途上国と先進国をつなぐサプライチェーンは複雑で、不法行為の有無を輸入業者がいくら注意しても、そのすべてを監視することは不可能だ。

インド西部、ラジャスタン州の砂漠地帯ダビでは、7歳の少女が石切り場でのみとハンマーを使ってけがをしながら働く。インドは大理石、花崗岩、粘板岩、砂岩など、庭石の輸出で世界第3位。米国のホームセンターなどで販売される。岩石の屑が混じった空気を吸うため、児童の多くが結核、気管支炎などを患っている。1日9時間働いて日給は138.6円。休みは月に2日。

ウッタル・プラデシュ州ではカーペット織りが知られている。14歳の子どもは小学4年生の時に学校へ行くのをやめて、別の州から出稼ぎにきた。朝6時から深夜11時まで働き、得ている月収は2800円。


インド南部、アンドラ・プラデシュ州の綿花産地では、遺伝子組み換えによって開発された害虫に強い綿の種子が栽培されている。綿農園の経営者は利益を出すために、賃金の安い子どもを雇って手作業による授粉や綿摘みをさせている。子どもの賃金は時給22円。

綿農園の経営者はアメとムチを使い分けて子どもたちを働かせている。暴力で威嚇して働かせる時もあれば、アメや菓子をやったり映画を見せて子どものやる気を引き出す。

種子を買い取っているモンサント社(米国)は、子どもの使用をやめた経営者に対して報酬を支払った。しかしその金額は、経営者にとって、おとなを雇い払わなければならない高い賃金と比べれば割が合わず、子どもを雇った方が利益が上がるという。

もう一つの問題は、1週間に1回の頻度で綿畑に散布される殺虫剤。インドで広く使用されているのは米国では禁止されている。人が触れると、下痢、吐き気、息切れ、けいれん、頭痛、うつ病なその症状が起きる。

綿栽培が行われているインドの4つの州で、18歳未満の未成年労働者の数は42万人。その54%が14歳未満の児童の不法な就労と推定されている。インドの法律では、農作業においては14歳未満の児童でもある一定の条件を満たせば就労が認められている。雇用者が法律に違反した場合は、罰金や禁固刑に課されるが、監督官庁による厳しい取り締まりは行われていない。

NGOによれば、グローバル企業と契約している農園は広大な地域で栽培しているが、監視員の数が少ないため、児童労働の十分な監視が行われていないという。また、インド政府は児童労働を禁止する法律をきちんと実施していないため、NGOによる監視が重要な役割を果たしているという。


最近、NGOグループはメディアとの連携を重視するようになった。児童労働を使用して過酷な条件で違法な労働を行っている町工場を発見した場合、警察に届ける前に報道記者に情報を流すのだ。昨年、「児童労働に反対するグローバルマーチ」は、ギャップの下請け工場で刺繍ブラウスの縫製を行う児童労働を、英国紙に通報した。その後ギャップは、この工場での発注を減らし、工場の作業環境を改善するために補助制度を設けた。これに対しNGOグループはさまざまな解決策を提案しているが、子どもの教育が先か、あるいは親の就職を優先すべきか、その中でも相互の合意に達していない。子どもを働かせている家庭のほとんどの場合、両親が失業しているのが現状。

一方、中間業者は児童労働が知られないように、製造工場名を記したラベルをはずすようにした。BBAによれば、違法な児童労働を行っているインドの工場で作られた製品の動きを追跡するのがますます難しくなってきているという。

出所:May 2008 Forbes/US

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  • カテゴリー:メディア掲載
  • 投稿日:2008.04.17