NHK「視点・論点」をご覧いただいたみなさまへ
NHK「視点・論点」をご覧いただいたみなさまへ
こんにちは。ACE事務局長の白木朋子です。この度はACEのウェブサイトにお越しいただきありがとうございます。
2013年6月1日から横浜で開催される第5回アフリカ開発会議(TICAD V)に合わせて、5月27日から31日かけて、NHKの番組で「視点・論点」でアフリカイシューが取り上げられ、「アフリカとどう向き合うか:児童労働をなくすために」というテーマで出演させていただきました。
2013年5月30日 NHK「視点・論点」に出演
テーマ「アフリカとどう向き合うか(4)児童労働をなくすために」
出演:NPO法人ACE事務局長 白木朋子
放送日時:NHK総合 5/30(木)午前 4:20~ 4:30
NHKEテレ 5/30(木)午後13:50~14:00(再放送)
アフリカ開発会議(TICAD V)にあわせて
日本政府の主導により、2013年6月1日から横浜で開催される第5回アフリカ開発会議(TICAD V)を前に、アフリカの話題が新聞などで目につくようになってきました。距離的に遠く離れているアフリカですが、実は日本の私たちの暮らしや企業活動と深い関わりがあります。
かつて、飢餓や貧困、紛争といった「かわいそうなアフリカ」というイメージばかりでしたが、今は「成長するアフリカ」や「希望の大陸」など、多くの期待と注目を集めていることは喜ばしいことです。わたし自身2008年からガーナと日本を行き来していますが、行くたびに街の風景が変わっていく様子を目にし、期待に胸を膨らませてきました。ガーナも急速に経済が成長し、海外からの投資やビジネスの進出がどんどん増えています。
しかしその一方で、成長の影に取り残される人たちが忘れ去られてしまうのではないか、格差はどんどん広がるばかりではないか、という危機感も感じています。また、携帯電話に使われるタンタルといったレアメタルなどアフリカで採掘される資源へ注目が集まる中、資源採掘過程における児童労働や人権侵害、資源をめぐる紛争での子ども兵士の問題が話題にされることはなく、さらに状況が悪化するのではないかということも気になっています。
成長するアフリカは全体のごく一部分
現在のアフリカの成長は、都市部や一部の人たちに限られたもので、アフリカ全体に等しく恩恵が行き渡っているわけではないことをあらためて強調しておきたいと思います。ガーナでは年14%を超える経済成長を記録し、それに伴なう物価上昇が進んでいます。食糧や燃料、生活必需品などの価格が上がることで、一般市民、特に貧困層の生活を圧迫しています。エネルギー需要が急激に高まり、供給が追いつかないため都市部でも停電が頻繁に起きています(私たちが活動する村には電気自体が通っていませんが)。
政府は、教育や医療制度の充実に取り組んではいますが、農村部の環境整備は不十分で、学校の校舎は不完全、数も足りません。僻地の学校には先生が来たがらないため、子どもたちは学びたくても授業が行われていないこともよく見かけます。病院や保健センターが遠く離れており、治療可能な病気や原因不明の症状で命を落とす人たちも後を絶ちません。わたし自身も、顔見知りの子どもやおとなが亡くなっていく知らせを受け、何度も悲しい想いをしてきました。
今こそ取り組むべきアフリカの課題
アフリカの暗いイメージを強調したいわけではありませんが、いまだに人間として最低限の安全や健康的な生活、教育の機会を得ることができない子どもやおとなたちへの対策にも同時に取り組まなければ、成長はゆがんだものとなってしまいます。ビジネスにおいて、児童労働や人権配慮などにはじめから取り組まなければ、いずれリスクとなり、企業の競争力や価値を下げることになりかねません。
アフリカが成長するためには、労働人口の大半を占める農業分野や人材育成の基礎をなす基礎教育にもっと力を入れる必要があります。ACEは2009年からガーナで「スマイル・ガーナプロジェクト」を実施してきました。その経験から、農業と教育をセットにした取り組みが、貧困や児童労働からの脱却に効果があるとわかってきました。
日本とアフリカの対等なパートナーシップ
政府、企業、NGOなど、それぞれ異なる役割がありますが、ともに協力して取り組くむことで解決できる問題もたくさんあります。まずは、アフリカに注目が集まるこの機会により多くの方々がさまざまな角度からリアルなアフリカを知っていただければうれしく思います。そのうえで、それぞれの立場から貢献できることを考え、実行していくことができれば、日本とアフリカが対等なパートナーシップのもとに共に成長していくことができるのではないでしょうか。
2013年5月29日
認定NPO法人ACE 事務局長 白木 朋子
アフリカの子どもたちのために、今、できることを。
NHK「視点・論点」をご覧になったみなさん、そしてこのページをご覧いただいたみなさんにぜひお願いしたいことがあります。ぜひ、アフリカの子どもたちのために、今、できることをはじめてみてください。
(1)児童労働に対する取り組みについて問い合わせる
ACEは講師派遣やワークショップを行っています。BOPビジネスやサプライチェーンにおける児童労働に関するご相談も承っています。ぜひお問い合わせください。
(2)映画『バレンタイン一揆』上映会やイベントに参加する
TICADや6/12の「児童労働反対世界デー」にあわせて、さまざまなイベントも行っています。まずはお気軽にご参加ください。
【横浜:6/1】[TICAD公式サイドイベント] 映画『バレンタイン一揆』上映&トーク
【沖縄:6/2】映画『バレンタイン一揆』上映会 「いのちをつなぐアースハーモニー」
(3)未来を支える子どもとカカオ農家を支援する
ACEは、ガーナのカカオ生産地域で子どもの教育と零細農民の自立支援を行っています。チョコ募金へのご協力をどうぞよろしくお願いします。少しの支援でもたくさん集まれば、より多くの子どもたちを助けることができます。(※ACEは認定NPO法人です。寄付控除や税額控除を受けることができます。)
ガーナの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!
- カテゴリー:メディア掲載
- 投稿日:2013.05.30