アフリカ・カカオ生産地の今(11/23帰国報告会・開催報告)
2013年11月23日(土)、連合会館にて「カカオ畑の児童労働って、いまどうなってるの?? ACEスタッフ ガーナ帰国報告会」を開催しました。2013年10月から11月にかけて、ガーナへ行ってきたACE事務局長の白木朋子と、国際協力事業・ガーナ担当の近藤光から、ACEが支援するガーナのカカオ生産地域の最新情報や今後の課題などをご報告し、参加同士で感想共有や意見交換をしてもらう時間も設けました。
村に中学校の校舎が完成!
ガーナのカカオ生産量は世界2位で、日本が輸入するカカオの約8割を占めると言われています。ガーナのカカオ生産地では、今もなお多くの子どもたちが学校に通えずに労働をしている現実は、決して私たち日本人とも無関係ではありません。ACEは「スマイル・ガーナ プロジェクト」を通じ、カカオ生産地の子どもたちを危険で有害なな児童労働から守り、学校に通えるように支援してきました。
このスマイル・ガーナ プロジェクトを通じて、新たに300人以上の児童が就学することができました。現在支援に取り組んでいる3つの村でも、少しずつ学校環境が整い、村の人々が自主的に問題解決に取り組みつつあります。また、2012年2月に支援が終了した村では、建設途中だった中学校の校舎がついに完成しました!綺麗な校舎を見て、近隣の村から新しく就学する児童も増えているとの報告を受けて非常に嬉しく感じました。
カカオ生産地における人身取引の課題
今後、現在支援を行っている3つの村に加えて、新たに周辺地域5村に拡大していく予定です。今後はカカオ生産だけでなく、養豚や生姜の栽培を行うことでさらに収入安定の強化につなげていく予定です。
また、今回の出張では強制結婚による被害を受けた女の子を保護しました。発見することが難しい人身取引から子どもたちをどのように守っていけばよいか、国境を越えた人身取引にどう対応していくべきかが今後の大きな課題です。
スタッフからの報告後、参加者同士で感想や質問を4人1組のグループで共有していただきました。
参加者同士で報告会の感想や質問を共有しました
帰国報告内容の感想や質問をポストイットにメモ
参加者からの質問
参加者から寄せられた質問に対し、白木と近藤からお答えさせていただきました。
- Q.子どもたちの親への説得はどのように行っているのか?
- 最初から子どもを学校に通わせるよう強く言うのではなく、まず家庭訪問をして、各家庭の事情や就学させられない理由を聞き、解決方法を模索してます。学用品の提供や貯蓄の話、ビジネススクールへの参加などを提案し、子どもを学校へ通わせるための方法を、親が自ら考えてくれるよう努めています。
- Q.プロジェクトが終了した村への取り組みは?
- プロジェクト終了後、支援がなくても自立して村を良くしていけるようになっていることが大切です。村の人々たち自らの力で継続できるシステムを構築するよう努めています。
- Q.人身売買に関して他の団体と協力する予定は?
- 人身取引については、行政との連携を通じて問題解決に取り組んでいきたいです。現在協同して現地NGOとは、モニタリングの徹底や家庭訪問による子どもたちの保護の強化を通じて、問題に対応していく予定です。
すべての質問を載せられないのが残念ですが、参加者から率直な意見やご感想をいただくことができてよかったです。限られた時間でしたが、みなさん活発に話し合いをしていただき充実した報告会となりました。
参加者からの質問に答えるACE事務局長の白木
小学生の男の子も報告会に参加してくれました
ご参加いただきどうもありがとうございました!!
※子どもの権利保護の観点から、村の名称及び子どもの名前は仮名にて表記しています。
報告:ACE国際協力事業担当インターン 渡辺 知世
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- カテゴリー:報告
- 投稿日:2013.11.29