トークイベント 「Dream, Discover, Do! ~ノーベル平和賞受賞者カイラシュさんが教えてくれたこと~」開催報告
トークイベント 「Dream, Discover, Do! ~ノーベル平和賞受賞者カイラシュさんが教えてくれたこと~」開催報告
2016年6月12日、ILOが定めた「児童労働世界反対デー」であるこの日に、目黒区にあるHUB TOKYOにて、「Dream, Discover, Do! ~ノーベル平和賞受賞者カイラシュさんが教えてくれたこと~」と題したトークイベントが行いました。このイベントでは、5月に来日した、2014年にノーベル平和賞を受賞されたインドの人権活動家、カイラシュ・サティヤルティさんとの日々を振り返りました。
当日は、電通ソーシャル・デザイン・エンジン代表の並河進さんとACEから代表の岩附が登壇し、カイラシュさんから受け取ったメッセージを振り返って、児童労働のない未来のために私たちにできることを考えました。
トーク「Dream, Discover, Do! ~ノーベル平和賞受賞者カイラシュさんが教えてくれたこと」
メイントークは、並河さんと岩附の対談形式で行われました。はじめに岩附から、カイラシュさんと過ごした怒涛の4日間の振り返りがありました。
カイラシュさんは講演会やシンポジウム、懇談会など日本各地で様々なイベントに参加し、政財界のリーダーのみなさんや、これからの時代を担う若い世代や子どもをはじめとする様々な人たちに向け、児童労働をなくすための行動を呼びかけました。カイラシュさん来日中の詳しい活動についてはこちらをご覧ください。
◆ ノーベル平和賞受賞者カイラシュ・サティヤルティ氏来日報告
トークはカイラシュさんのいくつかの印象深い言葉を軸に進められました。来日中にカイラシュさんはたくさんの言葉を私たちに残してくれました。ここでは当日取り上げられたいくつかの言葉を紹介したいと思います。
「3つのD:Dream, Discover, Do」
Dream:何かを変えたいなら大きな夢を持とう
Discover:自らの能力、力を見いだそう
Do:今から行動を起こそう
この3つのキーワードはカイラシュさんが講演会を通して唱え続けた言葉であり、日本の特に若い世代に向けての励ましの言葉でもありました。
私は普通の人間です。
カイラシュさんはノーベル平和賞受賞後も変わらず、「自分は特別なことはない普通の人間である」と言いました。この言葉は、私たちを含めた他のどんな人にも夢をかなえるパワーがあり、可能性を秘めているのだと感じさせてくれる希望の言葉でした。
私はゼロからスタートした。
カイラシュさんは児童労働の問題について、誰も自分以外に取り組んでいる人がいなかったため、自分がやることにしたと語りました。自分にできることから行動に移し、それを続けたことがノーベル平和賞受賞につながったのではないか、と並河さんは言いました。
怒りがわいたときもあった。そんなとき、こう思いなおした。産業に反対しているわけではない。悪に反対しているんだ。
並河さんは印象に残った言葉としてこの言葉を挙げました。カイラシュさんは、怒りを素直に表に出す人でしたが、しかしその怒りを人ではなく問題に向け、常に問題を解決しようと努力を惜しまない方でした。
大切なのは、クリエイティヴィティ。
並河さんは、クリエイティヴィティと聞くとデザインをつくることを思い浮かべるが、カイラシュさんがこの語で表現しているのは、アイディアをだして実現すること・イメージを出して形にすることだと言いました。このクリエイティヴィティがカイラシュさんを動かし、多くの人々を巻き込んできたのです。
思いやりのある知性 compassionate intelligence
カイラシュさんは思いやりのある知性を育てることが大切だと言いました。これを受けて岩附は、児童労働の解決には民間企業の協力が必要であり、思いやりをもって判断できる人が多くいる企業とそうした企業を支持できる消費者が増えてほしいとまとめました。
参加者同士のシェアタイム
メイントーク後は参加者同士で感想を共有する時間を持ちました。2~3人のグループに分かれ、ACEスタッフも加わっての話し合いはどのグループも盛り上がっていました。この日のイベントには、カイラシュさん来日時は講演会やシンポジウムに参加できなかった方も多くご参加くださり、皆さんそれぞれにカイラシュさんの言葉から得るものがあったようでした。
最後に、ACEスタッフから「そのこ」の未来キャンペーン紹介がありました。
トークイベント終了後には、軽食を囲んでの懇親会も行われ、参加者の皆さんとの交流の場となりました。
参加者・スタッフ全員で「児童労働にレッドカード!」の記念撮影を行いました。
参加者の声(印象に残った言葉と感想)
- 「Dream, Discover, Do」夢を持って、自分にできることを見つけ、行動することの大切さを知れました。自分の知らないことを知る、これが一番の近道だと感じました。(大学生)
- 「思いやりのある知性」消費者がエシカルな消費をしていくことが大事だと感じました。(会社員)
- 「クリエイティヴィティ」今関心や問題意識を持っていない人、持っていてもアクションを起こすのが難しいと思っている人をどのように巻き込むかを考えるときに、クリエイティブになることが大切なのだと思いました。(高校生)
カイラシュさん来日中のイベントや、今回のイベントに参加して下さった方も、そうでない方も、カイラシュさんの言葉にパワーを得て行動を起こす人々が増えることを願っています。私自身も大きな夢を持って、一歩ずつでも行動を起こして進んでいきたいと思います。
報告:啓発・市民参加事業担当インターン 長畑美郷
- カテゴリー:報告
- 投稿日:2016.09.08