第7回アフリカ開発会議に向けたアドボカシーを行いました
第7回アフリカ開発会議に向けたアドボカシーを行いました
第7回アフリカ開発会議(TICAD7=Tokyo International Conference on African Development)が、2019年8月28日~30日に横浜で開催されました。アフリカ開発会議は、日本政府の主導で1993年に開始された、アフリカの開発をテーマにおこなわれる国際会議です。(アフリカ開発会議について、詳しくは外務省ウェブサイトをご参照ください:外務省|アフリカ開発会議(TICAD))ACEは、ガーナで児童労働を無くすためのプロジェクトを実施していることから、アフリカの政府に対するアドボカシー活動を「市民ネットワーク for TIACD」を通じて進めてきました。ここでは、第7回アフリカ開発会議に向けてACEが行ってきたアドボカシー活動についてご報告します。
会議に関連して:外務省などへの働きかけを実施
アフリカの児童労者数は7210万人。人数自体も、子ども全体の人口に占める割合としても、世界で最も高い地域です。児童労働者数は世界全体では減少していますが、アフリカは唯一増加しています。また、ACEがプロジェクトを実施しているガーナとその隣国のコートジボワールは世界の2大カカオ生産国ですが、その2国のみでも220万人の子どもがカカオ生産にかかわる児童労働に従事していると言われています。
深刻なアフリカの児童労働問題を解決するため、ACEは2014年に「市民ネットワーク for TICAD」に参加し、アフリカに関わる活動を行う他のNGO団体と協力してアドボカシー活動を行ってきました。具体的には、より多くのアフリカのNGOがアフリカ開発会議に参加できるよう、また、政府首脳が話し合う本会議の場でNGOが発表できるように、外務省への働きかけなどを続けてきました。
2019年には、外務省とNGOの間で「第7回アフリカ開発会議に向けた外務省と市民ネットワーク for TICAD連携協議会」という対話が4回(3、5、7、11月)行われました。この第2回目の対話では、ACE代表の岩附が、児童労働をなくすための具体的な行動を起こすことや、成果文書において児童労働撤廃へのコミットメントを示すことなどを要請しました。(第2回目の対話について詳しくはこちらから:外務省|第2回「TICAD7に向けた外務省と市民ネットワークfor TICAD連携協議会」
会議当日:サイドイベント等を通じてメッセージを発信
第7回アフリカ開発会議のテーマは、①イノベーションと民間セクターの関与を通じた経済構造転換の促進およびビジネス環境の改善、②持続可能で強靭な社会の進化、③平和と安定 でした。今回は民間企業などがこれまでよりも多く参加し、アフリカでのビジネス展開や投資促進に大きな関心があることがうかがえました。サイドイベントや非公式な対話の中でACEは、ビジネスにおいて人権を尊重することの重要性、サプライチェーンに児童労働などの搾取が存在すること、そしてそれを解決することが持続可能な経済発展につながることを訴えました。
成果文書への明記は実現しなかったが、新たなネットワークを獲得
3日間の会議の最後に、2つの成果文書が発表されました(「横浜宣言2019」、「横浜行動計画2019」)。第7回アフリカ開発会議では、残念ながら児童労働やビジネスと人権についての議論はほとんど行われず、成果文書にも明記されませんでした。今回はビジネスや投資を活発化させること、さらにはテロや紛争が大きなテーマともなったこともあり、児童労働をはじめとした人権問題への関心が高まらなかったからと考えられます。
この点は残念ではありましたが、この会議を通じてACEは、アフリカ連合やアフリカの駐日大使館関係者などとのコネクションを構築することができ、またアフリカから来日したNGO関係者とも交流することができました。今後はこのネットワークを活用して、アフリカ政府に児童労働問題への関心を高めてもらうように、アフリカ連合への働きかけを強化していきたいと考えています。また、マリ、コートジボワール、ブルキナ・ファソ、ニジェールで活発にアドボカシー活動をしている市民社会組織が存在していることが分かったため、連携の可能性を探っていきたいとも考えています。
なお、第7回アフリカ開発会議に関連して、ガーナからACEのプロジェクト関係者を招聘し、サイドイベントなどを行いました。詳細は下記リンクをご覧ください。
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- カテゴリー:報告
- 投稿日:2019.09.20