【開催報告】11/16-17 子どもの権利条約フォーラム2019

【開催報告】11/16-17 子どもの権利条約フォーラム2019

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2019年は、子どもの権利条約が国連で採択されて30年、日本が批准して25年の年です。子どもの権利について学び、各個人・団体等がつながりあうことを目的として、2019年11月16日(土) 、17日(日)の2日間、東京の文京学院大学にて、「子どもの権利条約フォーラム2019」が開催されました。

ACEは、このイベントの呼びかけ団体「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン実行委員会」として、企画運営に関わりました。本イベントには、2日間で、全国各地から、子どもからご年配の方までの個人、教職員、子ども支援に関わる団体職員・専門家、国際協力団体職員など多様な立場から約650人が参加しました。

1日目:教育シンポジウム

初日は、文京学院大学の仁愛ホールにて、毎日新聞社・毎日メディアカフェとの共催で、教育シンポジウム「子どもの権利を考える~みんなで考えよう!『自分らしさ』って何だろう」を開催しました。子どもの権利について考えるため、タレント・声優の春名風花さんをはじめ、居場所づくり、LGBT、教育に携わるおとな(松岡宗嗣さん、神本美恵子さん、西野博之さん)のゲストによるパネルディスカッションや、子どもたち自身によるリレートークも行われました。

毎日メディアカフェ教育シンポジウム、子どもたちによるリレートークの様子

子どもたちによるリレートークの様子

学校での厳しい校則、いじめ、不登校、家庭内暴力、性的マイノリティへの理解不足など、生きづらさを感じる子どもたちがいます。リレートークでは、親から虐待を受けて保護された経験がある子ども、学校で友達から嫌がらせを受けたり先生から怒られたりした経験を持つ性的マイノリティの子ども、子どもの権利を周知するために活動する子どもたちが登壇しました。それぞれの経験や想いを発信すると共に、子どもの権利を子ども自身やおとなたちが知ること、多様性を尊重すること、子どもが守られ安心して過ごせる場所づくりの必要性などについて様々な提言が出されました。

シンポジウム終了後には、全国各地から参加した子どもたちやおとな同士が親睦を深める交流会も行われました。

2日目:テーマ別分科会・全体会

2日目は、文京学院大学の教室を複数使って、子どもの権利にかかわる様々なテーマ別の分科会、ランチセミナー、そして全体会など合計25のプログラムが実施されました。

分科会「私たちは本当に安全な団体?~セーフガーディングの取組へ」

ACEは、JANICセーフガーディング・ワーキンググループ(以下、WG)のメンバーとして、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパンと協働で、分科会「私たちは本当に安全な団体?~セーフガーディングの取組へ」を実施しました。

セーフガーディングとは、組織のスタッフによって、または事業活動において、子どもたちにいかなる危害も及ぼさないよう、危険や虐待のリスクにさらすことのないように努め、活動を通じて子どもの安全にかかわる懸念が生じたときに、しかるべき責任機関に報告する組織の責任のことを指します。

分科会では、まずセーフガーディングとは何かについて、報道事例などを通して概要を紹介した後、参加者が自らかかわる組織や活動の中でのセーフガーディングに関わる懸念や問題などの経験を共有しあいました。

次にWGメンバーから、セーフガーディングに取り組むためには何が必要かについて、WGが作成したセーフガーディングに関する最低基準リストや行動規範のサンプルなどを紹介しながら説明しました。ACEからは具体的な取り組み事例として、導入に至った経緯や取り組み状況について紹介しました。これらを受けて、参加者同士でセーフガーディングの取り組みについてやりたいことを話し合い、共有しあいました。

参加者のほとんどがセーフガーディングという名前は知らなかったようですが、関係する課題を抱えていました。「行動規範を作りたい。またそれを子どもに伝えたい」「まず組織内で話合いたい」「セーフガーディングに関する最低基準のガイドを見たい」といった声が聞かれ、今後取り組んでいきたいという意識が高まったことが伺えました。

ACEでの事例について話す成田

ACEでの導入事例について話す成田

グループ発表の様子

グループ発表の様子

全体会

進行を務めるACE岩附(右)、杉山(中央)、NCRC林さん(左)

全体会も盛り上がりました!

最後のプログラムである全体会では、イベントの感想や、子どもの権利にかかわる「10年後のありたい姿」について参加者同士で話し合い、発表してもらいました。その後、来年2021年11月14日~15日に南砺市福野文化創造センターヘリオスにて「子どもの権利条約フォーラム」を開催する富山から参加した子どもたちからのメッセージ、本キャンペーンのアドバイザーである尾木ママからのビデオメッセージの上映を行いました。最後にキャンペーンの代表と事務局から、本キャンペーンや、フォーラムの今後の展望などについてお話ししました。参加者の多くが、今後もフォーラムに参加したいと考えている様子が伺えました。

参加者との集合写真

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
ACEは今後も、子どもの権利が大切にされる社会の実現を目指し、本キャンペーンを通じて発信を続けていきます。

「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」の概要についてはこちら:広げよう!子どもの権利条約キャンペーン

 

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2020.01.28