【ガーナ便り】「学校が好き!」学用品の支給を受けて学校へ通うようになった子どもとその家族たち | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

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【ガーナ便り】「学校が好き!」学用品の支給を受けて学校へ通うようになった子どもとその家族たち

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みなさん、こんにちは!いつもACEの活動への温かいご支援をいただき、ありがとうございます。ガーナ担当スタッフの赤堀友希です。

スマイル・ガーナ プロジェクトでは、経済的に困窮し、児童労働をしてしまうリスクの高い家庭の子ども達に学用品や制服の無償支給を行っています。今回のガーナ便りでは、昨年(2021年)6月に学用品の支援を受け取った子どもたちとその家族のその後の様子をお届けします。

家庭の状況も、その中で暮らす子どもの様子も様々ですが、つらい状況の中でも、子どもの教育を優先してくれている家族の姿がありました。子どもが安心して学び、成長するには、経済的なサポートももちろんですが、家族からの愛が大きいのだと感じます。3人の子どもたちとその家族のストーリー、ぜひご覧ください。

最近のガーナ:建国以来もっとも高いインフレ率が生活にも影響

日本は季節の変わり目で、肌寒くなったり温かくなったり、気温の変化が激しいこの頃です。ガーナでは少しずつ雨季が始まってきました。恵みの雨が降りだし嬉しい季節なのですが、心配なニュースとして、ガーナで高い物価上昇が続いています。ニュースによると、ガーナ建国以来、最も高い上昇率だそうで、4月の物価上昇は23.6%、交通機関の料金や食べ物の価格、水道光熱費の価格などが急上昇し、カカオ農家さんをはじめとした一般市民の生活が苦しくなっています。支援地を巡回する際の車のガソリン代も上昇しており、プロジェクトの活動費も締め付けられています。為替レートも悪化しており、ガーナの通貨(ガーナセディ)はアフリカ諸国の中で最も下落幅の大きい通貨になっているとのことです。

アーヤさんとその家族

学校で授業を受けるアーヤさん

アーヤさん(仮名)は小学校4年生で、60代後半のお母さんと一緒に暮らしています。学校の先生は、「アーヤさんの家は村の小学校から遠く離れていますが、時間を守り、規則正しく学校に通っています」と、アーヤさんをほめています。アーヤさんはクラスの中でも成績が優秀で、2021年6月に開催した児童労働の撤廃イベントでは、学校対抗のクイズ大会(プロジェクトの支援地にある小学校2校が競うクイズ大会)の参加メンバーに選ばれました。

アーヤさんは、将来は学校の先生になりたいという夢を持っています。お母さんは、アーヤさんが学用品一式を支援してもらったことに感謝していて、「娘の教育に関心を持っていて、PTAの会合に定期的に出席しています」と話してくれました。

学校対抗クイズ大会で学校代表チームのメンバーとなったアーヤさん(左)

 

レックスさんとその家族

レックスさん(左下)とその家族への
インタビュー

レックスさん(仮名)のお父さんは、数年前に自動車事故に遭い、右足を骨折しました。事故の前は石屋さんで、カカオ農園も所有していました。事故後、お父さんは地方病院で2回の手術を受け、その後さらに、骨の修復を専門にする病院を紹介されました。病院代・手術代の18,000ガーナセディ(日本円で約293,000円)を工面するために、カカオ農園を約15年もの間貸しに出さなければなりませんでした。

お父さんの入院中や治療中、お母さんはお父さんと一緒に病院に行き、お父さんのサポートをする必要がありました。そのため、両親が家に不在の間、おばあさんがレックスさんのお世話をしてくれました。現在、お父さんは松葉杖をついて歩けるまでになりましたが、家族は経済的に弱い立場にあります。お父さんは農作業ができず、お母さんは家にいてお父さんのお世話をして、おばあさんは80代と高齢です。

そのような状況ではありますが、レックスさんは毎日元気に学校に通っています。「学校に行くのは楽しいよ!」と恥ずかしそうにはにかんで答えてくれました。レックスさんの両親は、学用品の支援に非常に感謝していて、子ども達のために最善を尽くすことを約束してくれました。お父さんは、家族の経済状況を改善させるためにも早く回復することを望んでいます

レックスさん(中央)とお母さんと弟

 

ランディーさんとその家族

ランディーさん(仮名)は、8年前からブルリ潰瘍(※)を患っているお父さんと一緒に暮らしています。お父さんは、これまで様々な病院で治療をして、5,000ガーナセディ(日本円で約81,000円)以上を費やしてきました。結局、医療費が高額になりすぎたため、治療に必要な薬を買えなくなってしまいました。このため、ランディーさんのお母さんと3人の兄弟は家を出て、より良い環境を求めて他の地域に移りました。

お父さんによると、お母さんは移住先で、ガーナの主食の一つであるケンケの行商をして3人の子どもたちを養っていて、ランディーさんとお父さんに時々送金もしています。お父さんは、ガーナ政府による弱者支援のためのプロジェクト(世界銀行とジェンダー省が実施しているLEAPと呼ばれるもの)の対象者になることを望んでいたのですが、機会に恵まれず、対象者にはなれませんでした。

ランディーさんは毎日学校に登校していて、「学校が好き!」と言っています。お父さんは、「息子が学用品の支援を受けたことに感謝している。これからも自分にできる方法を模索して、少しでも息子の教育を支援していきたい」と答えてくれました。

※結核やハンセン病を引き起こす細菌属に分類される病気。

学用品支援でもらった制服と鞄を見せるランディーさん(左)とお父さん

 

スマイル・ガーナプロジェクトでは、引き続き、子どもの教育と家族の経済的支援をしています!引き続き応援いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします!

ガーナ担当 赤堀 友希

ガーナの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2022.05.25