SDGサミット2023に向けて、国連との非公式な対話で政策提言しました

SDGサミット2023に向けて、国連との非公式な対話で政策提言しました

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SDGサミット2023で発表される政治宣言の作成が始まっています。国連経済社会理事会の特殊諮問資格があるACEは、そのドラフトについての非公式な対話に招待され、2025年を目標達成としている児童労働への取り組み強化を提言しました。

我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が2015年に開催された「国連持続可能な開発サミット」で採択され、世界は17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成をめざしています。

2019年のSDGサミットでは、2015年から4年間の取り組みを見直して、政治宣言「持続可能な開発に向けた行動と遂行の10年に向けた態勢強化」を採択しました。それから4年、2015年から2030年の中間年にあたる2023年、国連総会中の9月18~19日に、SDGサミット2023が行われます。SDGsの実施状況について、再確認・見直しを行います。

SDGサミット2023では、成果文書として政治宣言が発表されることになっていて、すでにドラフトが作成されています。

ACEは、国連経済社会理事会からその活動分野の一部について特別の能力と関心を有するNGOとして、「特殊諮問資格」が与えられていて、「SDGサミット2023:非公式なステークホルダーとの対話~政治宣言のゼロ・のドラフトへの意見提供」に招待され、発言したい場合は申し込めることになっていました。

国連には持続可能な開発プロセスの公式グループ「メジャー・グループおよびその他のステークホルダー」というのがあり、発言者にはメジャー・グループが優先されると募集要項に書いてありました。また、世界中のNGOが申し込むはずですから、選ばれるのは難しいかなと思いつつ、とにかく応募しました。実際、150以上の申し込みがあったそうです。
そして、なんとACEが選ばれました!

SDGサミット2023:非公式なステークホルダーとの対話

SDGサミット2023:非公式なステークホルダーとの対話」は2023年6月7日に行われ、世界140か国以上から1600人以上の参加登録があり、800人がZoom会議に参加しました。また、フェイスブックで、約2700人がライブストリーミングをしました。

14名の発表者のほとんどが女性、子どもと若者、労働者・労働組合など、メジャー・グループからだったにもかかわらず、ACEの代表、岩附由香が、グローバルなネットワーク「児童労働に反対するグローバルマーチ」と日本のネットワーク「児童労働ネットワーク」を代表して、2025年を目標達成としている児童労働への取り組み強化を提言しました。

発表の概要

SDG 8.7 児童労働の撤廃は2025年を目標としているにもかかわらず、世界では1億6000万人の子どもが児童労働に従事しています。SDGサミットでは、目標と現実のギャップが大きく、達成が難しい課題、児童労働について政治宣言に含めるべきだと考えます。

「誰1人取り残さない」ためには、もっとも目が向けられていない人たち、特に開発途上国の農村地域や女性・子どもに重点を置くべきです。農村地域は、気候変動、コロナなどによって、もっとも大きな影響を受けています。

子どもたちを含む地域の人たちとの対話を通してニーズや解決策を考え、取り入れた包括的なエリアベース・アプローチをSDGs達成のための戦略に含めるべきです。また、これまで成功してきた事例をもとに、規模を拡大し、スピードを上げて実施していくためには、資金が必要です。より早く、効率的に変化を起こすために、政府開発援助(ODA)を地方レベルに提供すべきです。

子どもたちは、これ以上待つことはできません。より強いコミットメントをもち、目標達成のためのアクションが取られるようになるSDGサミットとなるようにしていきましょう。

※こちらのStatementというタブから、各発表がご覧になれます。
https://sdgs.un.org/events/sdg-summit-2023-informal-stakeholder-dialogue-inputs-political-declaration-zero-draft-52657


この非公式な対話のファシリテーターをされていたのは、アイルランドのファーガル・ミセン国連大使とカタールのアリヤ・アハメド・サイフ・アル=サーニ国連大使でした。この2人が9月のSDGサミットで政治宣言の協議をリードしています。

ミセンさんは、政治宣言は簡潔で力強いものにしたい。今日、発表された労働問題、雇用創出、ジェンダーに関わる暴力、障害などについての提言を持ち帰ります、と最後にコメントされました。

 

SDGsには169ものターゲットが含まれていて、それらすべてについて政治宣言で取り上げることは難しいと理解します。しかし、「児童労働」に一言も触れられていないことをACEとして見逃す訳にはいきません。与えられたチャンスをつかんで、多くの課題があるなか、児童労働という問題が隅に追いやられないように、国連の関係者に訴えることができてよかったと思っています。

児童労働によって権利を、未来を奪われている子どもたちのために、世界各国の政府や関係者がアクションを加速化するきっかけとなるよう、引き続きSDGサミット2023に向けて働きかけていきます。

これからも、みなさまのご支援・ご協力をよろしくお願いします!

発表内容のグラフィックレコード

児童労働が右上に描かれています!
・視点を変えて
・(児童労働を)終わらせなければならない
・エリアベース・アプローチ
と提言した内容がまとめられています。

出典:UN DESA

「SDGサミット2023:非公式なステークホルダーとの対話」は、こちらからご覧いただけます。
https://bit.ly/SDGSummitZeroDraft

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2023.06.20