【開催報告】中高生対象トークイベント「国際協力の仕事を知ろう!~日本にいる私たちができること~」

【開催報告】中高生対象トークイベント「国際協力の仕事を知ろう!~日本にいる私たちができること~」

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2024年8月21日(水)に、国際協力に関心を持つ中高生を対象としたキャリアイベント「国際協力の仕事を知ろう!~日本にいる私たちができること~」を開催しました。ACEでガーナプロジェクトを担当し、ACE入職以前も様々な形で国際協力に携わってきた、赤堀友希さんにゲストとして登壇してもらい、ガーナの児童労働問題やACEでの業務内容、これまでのキャリアについて伺いました。

大切なのは、相手を理解する努力

イベント前半は、インターンがインタビュアーとして赤堀さんに質問する形で進行しました。最初に伺ったのは、ガーナの児童労働問題の現状と、それに対するACEの取り組みです。ガーナでは約5人に1人の子どもが児童労働をしています。子どもが働かざるを得ない状況は、単に各家庭の貧困だけではなく、安い商品を求める消費者、不十分な教育サービス、子どもが働いて当たり前という考え方など、様々な要因が重なって生じているというお話が印象的でした。

さらに、児童労働を生み出す社会構造を変え、カカオ生産や生活の向上、地域の安定を通して、子どもの教育と権利を守ることを目的とするACEの「スマイル・ガーナ プロジェクト」も紹介していただきました。赤堀さんは、言語や文化の壁にぶつかりながらも、丁寧なコミュニ―ケーションを心がけているそうです。現地のニーズに合った適切な支援を行うためには、相手を理解する努力が大切なのだと感じました。

スマイル・ガーナ プロジェクトについて説明する様子

さまざまなチャレンジが、次の仕事に活きてくる

続いて、赤堀さんがこれまで歩まれてきたキャリアについてお話を伺いました。学生時代に参加したカンボジアでのスタディツアーを通して、国際協力の仕事に関心を持った赤堀さんが、最初に働いたのはなんと飲食業界でした。一見国際協力とは縁遠いようにも見えますが、従業員が気持ちよく働ける環境を整えるという当時の仕事が、今のガーナでのプロジェクトにも生かされているそうです。

また、アフリカに長年興味を持ちながらも、開発コンサルト会社や独立行政法人ではアジアの国で活動することで、視野を広げることができたとおっしゃっていました。赤堀さんのキャリアのお話を通して、興味があることだけに限らず、色々なチャレンジをして経験を積むことの重要性を実感しました。

これまでのキャリアを紹介する様子

中高生にもできる!不要品が寄付になる「キモチと。」でACEの活動を応援

イベント前半最後には、児童労働の解決のために中高生でもできるアクションとして、不要品が寄付になる「キモチと。」を紹介しました。今回参加してくださった皆さまにも、ぜひ取り組んでいただけたらと思います。

詳細・申し込みはこちらから↓
https://monokifu.acejapan.org/

キモチと。について説明する様子

質疑応答

イベント後半は、参加者から自由に質問や相談をしていただく時間を設けました。学校でフェアトレードをテーマに研究している高校生や、実際にガーナでの留学経験のある高校生から鋭い意見や質問をいただきました。スタッフからの回答も併せて紹介します。

・フェアトレード商品の売り上げを増やす方法として味やパッケージを変えるといった施策を考えてみたが、いまいちうまくいかなかった。良い方法はないか。
→フェアトレード商品の改良ももちろんだが、チョコレートに安さを過剰に求めすぎる消費者や、生産コストを抑えることを優先しがちな企業の意識を変える必要があると感じている。

・「児童労働はよくないものである」という認識は都市部と地方で違うのか?
→ほとんどの家庭は、自分の子どもを学校には行かせたい、でも学校が遠すぎて行けない、学用品が買えないから勉強できない、ひとり親だから収穫期に手伝ってもらわなきゃいけない、だから諦めているという状況。「子どもを働かせて何が悪い!」というのは少数派で、村で1~2家庭あるかないか。

・長く支援を受けている農村、集落があるなら、もう少し発展しても良いのではと思うが、なかなか状況が変わらないのはなぜなのか。
→カカオを作ることでは十分な賃金を得られない というカカオ産業の構造を変えないと、カカオ農家の生活レベルも良くならないし、子どもたちの教育事情も変わらない。ガーナ政府と協力して、企業を巻き込んで解決を目指す必要がある。

・NGOの活動は現場から近いところで出来る、状況に応じて柔軟に対応できるというお話があったが、NGO以外の団体の活動はどうなのか、柔軟に変えることは難しいのか。
→開発コンサルでは国際協力機関の案件を受託して、その案件を現地で動かしていく仕事。活動の中身、期間が決まっているため、現地の状況に応じて柔軟に(現地の人にこの部分が伝わってないから時間をかけてやろう、とか、もう一回研修やろう、とか)変えていくのはなかなか難しいと感じた。

企画運営を担当するインターンとして参加した私自身も、今回のイベントを通して、たくさんの学びを得ることができました。参加者の皆さまに、「これからも児童労働や国際協力について考えていきたい」「自分でもアクションを起こしたい」と感じていただけたら嬉しいです。

集合写真

2024年8月インターンあやか

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2024.09.02