【2024年下半期の活動ハイライト】今年もACEを応援いただき ありがとうございました!

【2024年下半期の活動ハイライト】今年もACEを応援いただき ありがとうございました!

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早いもので今年も残すところあと一週間を切りました。この一年ACEの活動を支え、応援してくださったみなさまに、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

この1年も大変多くの方にご支援・ご協力をいただき、ガーナでの子ども支援活動のほか、日本国内での子どもの権利保護の活動、企業連携、グローバルなアドボカシー、講師派遣やイベント実施による市民参加の促進など、さまざまな活動に取り組むことができました。

本ページに2024年下半期の活動報告をまとめましたので、ぜひお読みください。

2025年もこれらの活動を拡大・加速させていきます。特にJICAの委託事業として進めているガーナでの「児童労働フリーゾーン」認定制度の普及に向けた活動に注力し、大きなインパクトを出せるように取り組んでまいります。

冬募金にご協力ください!

2025年1月10日まで、200万円を目標にご寄付を募っています。ACEの活動は、みなさまからのご寄付に支えられています。 児童労働を生み出さない社会を実現するために、ご寄付での応援を、どうぞよろしくお願いいたします!

詳しくはこちら

2024年下半期(2024年6月~12月)の活動報告

ガーナ・カカオ生産地での スマイル・ガーナ プロジェクト

カカオ危機の被害を食い止める!農家へのカカオ栽培研修

プロジェクトの支援地では、樹齢25年以上の古いカカオの木が大半を占めており、カカオの作物病やアリの侵食によりカカオの収量が減少しています。

こうした被害が広がっている一因としては、カカオ農園の適切な管理に関する知識が不足していることが挙げられます。

このためプロジェクトでは、2024年7月、カカオ収量の減少により生活が特に厳しくなった、子どものいる家庭のカカオ農家60人に対して、5日間のカカオ栽培研修を実施しました。

参加者からは、「今まではカカオ農園で農薬をなんとなく使っていたが、いつ、どのように散布すればよいのかが分かった」といった声が聞かれました。

農薬の散布方法について講師から説明を受けるカカオ農家

 

「コミュニティ活動計画」により、中学校建設に向けて大きな一歩

コミュニティ活動計画とは、村(コミュニティ)で児童労働を解決するために必要と思われる活動と、その実施計画を記載したものです。住民たちはプロジェクトスタッフの支援のもと何度も議論を重ね、2024年6月にコミュニティ活動計画が完成しました。

支援地のうち1村では村に中学校がなく、子どもたちは数時間かけて他の村の中学校に通っているため、中学校の建設が計画の一つに挙げられました。

11月、学校運営委員会とPTA、子どもたちで募金を集めるためのイベントを開催し、現地通貨で9万4千円相当の募金が集まりました。

村の村長は、「村の小学校ができて55年経つが、このようなイベントをしたのは初めて。これらかも学校の発展のために協力していこう」と住民に呼び掛けました。

また、プロジェクトでは、コミュニティ活動計画を実施するための資金を村でプールする仕組みとして、カカオ研修などに参加した農家を対象に、農村貯蓄貸付組合(VSLA)を組織化し、同組合の貯蓄金の一部をコミュニティ活動計画に活用するとのルール作りを行いました。

募金イベントでダンスを披露する子どもたち

ガーナで「児童労働フリーゾーン」を実現させるための取り組み

国際協力機構(JICA)の委託事業「児童労働フリーゾーンを通じた子どもの保護主流化プロジェクト」の活動を進めるにあたり、スマイル・ガーナ プロジェクトや他の企業との連携プロジェクトでの学びや経験をスタッフ同士で共有し合うともに、現地で活用する研修教材の作成のサポートをしました。

また「児童労働フリーゾーン」認定制度を持続的に運用していくための資金動員メカニズムを検討する上でのリサーチや関係者へのヒアリングについてのサポートも行いました。

8月下旬から9月上旬にかけて、ガーナにスタッフを派遣し、ガーナでの取り組み状況を把握しました。

カカオ産業の児童労働に関連するさまざまなリサーチ、情報収集と共有

ガーナでのカカオや児童労働に関連する政府機関や社会的な動向に関するリサーチや情報収集を継続的に行いました。

カカオ危機と呼ばれるカカオの国際価格の上昇とその背景にあるガーナを含む西アフリカのカカオ生産量の減少とその要因、ガーナ国内での政府機関によるカカオ買取価格の動向などについて把握し、チョコレートプロジェクトの年次報告書にまとめ、チョコレート関連企業にも共有しました。

ガーナでの「児童労働フリーゾーン」の強化・普及の支援を含む、日本の関係者の取り組み状況や日本のカカオプラットフォームの動向を、カカオ産業のサステナビリティに取り組むグローバルな市民社会ネットワークである「Voice Network」の会合で共有するとともに、欧州での政府、ビジネスセクター、市民社会組織の動向を把握しました。

インド・コットン生産地でのピース・インド プロジェクト

住民が「児童労働のない村」を維持できるよう、プロジェクト評価を実施

2023年8月まで実施してきた「ピース・インド プロジェクト」活動地および周辺地域において、フォローアップ活動として「プロジェクト評価」を実施し、エンパワーされた住民が自立的に「児童労働のない村」を維持できるようまとめました。

日本国内で子どもの権利を普及するための活動

「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」を通じた活動

提言書をこども家庭庁大臣に提出

子どもたちと政策提言活動を行う「子どもメガホンプロジェクト」において、子どもの権利に関する全国アンケート調査の結果をもとに、提言書「子どもが権利を使うことができる社会をつくるために」を作成しました。

2024年7月にはこども家庭庁を表敬訪問し、こども家庭庁大臣に同提言書を手交し、意見交換会を行いました。

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「子どもの権利条約フォーラム2024in東京」開催、2000人以上が参加

2024年11月9日~10日に「子どもの権利条約フォーラム2024in東京」(主催:広げよう!子どもの権利条約キャンペーン、フォーラム実行委員会)が開催され、子どもやおとなの個人、市民団体、自治体、専門家など約2,000人が参加し、子どもの権利に関する理解や実践を広めるための交流が行われました。

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子どもたちとの内部勉強会を開催

子どもメガホンプロジェクトの子どもメンバーと共に内部勉強会を2回実施し、国内外での子どもの権利の普及や実践事例などについて、また国連子どもの権利条約に関する審査のための子どもレポートについて学びました。

講師派遣事業を実施

講師派遣3件(宮崎県、島根県、東京都)を通じて、自治体および市民団体を対象に、子どもの権利やこども基本法について、また自治体政策におけるの子どもの意見反映などに関する講演を行いました。

沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクト

沖縄うるま市や那覇市を中心に、子どもの権利に関する研修やワークショップを実施しました。このプロジェクトでは沖縄県の子どものウェルビーイングの向上を目的に、①子どもの権利に基づく支援方法の広がり②子どもたちが自身の権利を知り、自己理解、自己肯定感を高め、自己表現、意見表明ができるようになる③子どもの権利条約・こども基本法に根差した活動が沖縄県内の各地域で活発化し、定常化する ことを目指しています。

子どもの権利をおとなに伝える!実践研修を実施

2024年6月と10月に那覇市で、7月にうるま市でおとな向けの子どもの権利研修を実施し、計71名が参加しました。

子どもの権利を子どもに伝える!小学校でのワークショップを実施

2024年6月に2校、11月に1校の小学校で子ども向けの「わたしらしさを大切にする子どもの権利ワークショップ」を実施し、237人が子どもの権利について学び、自分の気持ちを表現する方法を学びました。

共感的コミュニケーションを通じて「自分の大切なニーズ」を発見

8月に那覇市の企業や学童で共感的コミュニケーションの研修を行い、子ども27名、おとな16名が参加しました。企業で行った親子向けの研修では、「いつもは話せないことが話せた」など、参加したおとなからも好評でした。

学童では夏休みがあける直前のタイミングだったため、これからはじまる学校への複雑な気持ちを確認しつつ、自分が大切にしたいニーズを選び、プレゼント型に折った折り紙にそれを書いて持ち帰ってもらいました。

おとなと子どもが対話する「しゃべり場」で、子ども参加を促進

10月に「うるま うまんちゅしゃべり場」としておとなと子ども・若者の対話会を行いました。この準備にあたり、うるま市では「うるびーユースサポーター」が結成され、子どもの声を集めて表明するためのサポートをユースメンバーが行っています。

当日はこども16名、おとな11名が参加しました。グループにわかれて「うるま市がもし子どものウェルビーイング全国1位になったとしたら、それはどんな感じ?」というお題をもとに、理想の状態、そのために必要なこと、自分たちでできることを話し合いました。

しゃべり場参加者と一緒に

話し合いの内容を記録した模造紙

ユースメンバー作成のうるびーちゃん(キャラクター)

子ども支援者向け研修

子どもに関わる支援者を対象に、子どもへの暴力や虐待など危害を予防し子どもにとって安心安全な組織・活動づくりを目指す子どものセーフガーディング(*)の支援を行っています。

研修会やガイドブックを通じ、子ども食堂や居場所関係者に伝える

こども食堂や居場所の運営者・スタッフ向けの研修会で講師を務めたほか、子どもの権利や子どものセーフガーディングに関するガイドブックを製作し、認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえを通じて子ども食堂に配信されました。

* 子どものセーフガーディング:組織の関係者・活動において、子どもにいかなる危害も及ぼさないよう予防や対応を組織の責任として取り組むこと。つまり虐待・搾取など、子どもの権利を侵害するような行為や危険を防ぎ、安心・安全な活動と運営をめざす取り組みです。

子どもの権利を伝えるワークショップの開発

沖縄県を中心に展開中!

内容をブラッシュアップし、「わたしらしさを大切にする子どもの権利ワークショップ」というプログラムとして完成しました。

沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクトと連携しながら、小学生向けに実施しています。

国際社会・政府への働きかけ

国連未来サミットに参加、最終成果文書に「児童労働撤廃」と記述

2024年9月に国連未来サミットに参加しました。残念ながら児童労働に関する提言は発言の機会を得られませんでしたが、最終成果文書である「未来のための協定」に児童労働の撤廃についての記述が得られました。

ニューヨークの国連本部にて(ACE代表 岩附) 

持続可能な事業の推進に向けた企業・経営者への働きかけと連携

「セブンプレミアム」チョコレートの取り組みがさらに進化!売上の一部が産地支援に

2023年11月に始まった「セブンプレミアム」チョコレートシリーズの取り組みでは、対象商品の売上の一部をACEに寄付いただいています。

2024年春夏シリーズでも寄付の取り組みは継続され、2024年秋冬シリーズからは、パッケージの裏面や店頭POPにて、売上の一部がACEへの寄付になることが表示されるようになりました。

チョコレートを手に取る一人ひとりの消費行動が、産地の生活や環境の改善につながることがより明確に伝わるようになりました。

写真左:店頭POP、右:パッケージ裏面の記載

児童労働防止の取り組みを学ぶ!JICA主催の児童労働勉強会でCLMRS を深掘り

2024年10月3日、JICAが主催する「サステイナブル・カカオ・プラットフォーム」の児童労働分科会において、オンライン勉強会を開催しました。国際カカオイニシアチブ(ICI)からICI ガーナ事務所副代表、プログラム・コーディネーターを講師としてお招きし、通訳を交えてCLMRS(児童労働監視・改善システム )について学ぶ機会を設けました。

CLMRSは、児童労働を特定し、救済と再発防止に向けた支援を提供する包括的な仕組みであり、カカオ産業における児童労働問題を解決するためのアプローチとして企業のサプライチェーンに導入されています。勉強会では、実際にCLMRSを導入している日本企業から具体的な事例紹介もあり、現場での取り組みがどのように進められているのかを詳細に理解することができました。

啓発活動

学校授業や一般市民向け講演で直接伝える活動 

2024年6月~12月の期間に13件の授業・講演への講師派遣を行い、児童労働や子どもの権利について伝えました。 

6月12日「児童労働反対世界デー」を中心とした啓発キャンペーンを実施

児童労働撤廃のために「あなたにできる3つのアクション」を提案し、参加を呼びかけました。 詳しくはこちら

6月13日にはガーナと中継でつないだオンラインイベント「カカオの国から現地レポート! 児童労働から抜け出した子どもたちの、チェンジのストーリー」を開催し、200名近いお申込みをいただき、関心の高さが伺えました。 詳しくはこちら

 

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2024.12.24