【ガーナ便り】子どもたちが「自分の権利」を知る時間――子ども権利クラブの取り組み
こんにちは!赤堀友希です。
ACEはガーナのカカオ生産地で、危険な労働にさらされている子どもたちを守り、教育を支援する「スマイル・ガーナ プロジェクト」を実施しています。
プロジェクトで支援している村の学校では、今年の3月から毎週、「子ども権利クラブ」を実施しています。今回はこの子ども権利クラブについて子どもたちにインタビューした内容をご紹介します。
子ども権利クラブとは?
児童労働を含め、子どもにまつわる問題が起きる原因の一つに、子どもには尊重される権利があるということ自体が、おとなにも子どもにも知られていないという側面があります。このためプロジェクトでは、子どもたちが自身の持っている権利を知り、権利の主体として行動することの大切さを学ぶこと目的に、子ども権利クラブ(Child Dignity Club)を運営しています。
子ども権利クラブは小学1~3年生と、小学4年生~中学3年生までの2グループに分かれた合同授業として、毎週1回1コマ(1時間)の授業があり、様々な子どもの権利や、学校のカリキュラムでは学ばない、性教育などについても学びます。先生たちは事前にプロジェクトが用意した研修を受け、授業をファシリテートします。

小学1~3年生の子ども権利クラブの様子
権利について学んで思ったこと:レベッカさんの声
子ども権利クラブに参加している子どもたちは、実際に何を学び、どんな発見があたのでしょうか?村の学校に通っている13歳のレベッカさん(仮名)にインタビューしました。
先週の子ども権利クラブの授業では、生理について学びました。今まで学んだ中で一番印象に残っているのは、子どもの権利についてです。私は色々な種類の権利を持っていると知ることができたし、他の子も同じ権利を持っているから、相手の権利も大切にする必要があると思いました。
子ども権利クラブで知ったことを、隣の村にいる友だちのテレサにも教えてあげました。彼女の学校には子ども権利クラブがないので、教えてあげようと思ったんです。テレサは私の話にとっても興奮していて、話してよかったと思いました。
子ども権利クラブの授業を受け始めて、私には権利があるけど、権利を守るための責任もあると感じています。例えば私が話を聞いてほしいときは、相手の話もしっかり聞いてあげたいです。

レベッカさんは小学校6年生。将来、看護師になるために勉強を頑張っている
自身の権利に気付くと共に、相手にも同じ権利があると感じたレベッカさん。友だちにも教えてあげていて、友だちを想う優しい気持ちが伝わってきました。
子どもたちが声をあげ、参加できるコミュニティへ

プロジェクトで作成した子ども権利クラブマニュアルの、子どもの参加する権利について説明しているページ。先生はマニュアルに沿って授業を進める。
今、子どもたちは子どもの権利を学んでいるところですが、一通り権利について学んだら、子ども同士やおとなと一緒に話し合う時間を設け、子どもたちが学校や家庭で直面している問題や解決策について話し合うためのワークショップを設ける予定です。話し合った内容や提案は、校長先生を通じて村のリーダーたちに伝達されます。プロジェクトは、村のリーダーたちに、行政とも連携して子どもたちの問題に取り組むことを促していきます。
子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮すること。これは子ども権利クラブで子どもたちが学んでいる子どもの権利の一つです。上述のワークショップで、子どもたちが思いや意見を表現し、自身に物事を変えていける力があることを実感したり、保護者が子どもたちを社会の一員として認識したりする場になればと願っています。
子どもの権利クラブの活動を通して、自分にも権利があり相手にも権利があることが子どもたちに伝わってきています。 おとなにも知ってもらうことで、子どもの意見が尊重される村づくりをめざしていきます。
ACEの活動はみなさまからのご寄付で支えられています。子どもたちの学ぶ権利や遊ぶ権利、学校生活を守っていけるよう、これからも応援いただけると幸いです!
ガーナの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!
- カテゴリー:報告
- 投稿日:2025.07.22
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