「本当は学校に行きたい」――金採掘(ガラムセイ)と向き合うガーナの子どもたち
「本当は学校に行きたい」――金採掘(ガラムセイ)と向き合うガーナの子どもたち
こんにちは、ACEの伊藤です。
ACEは、ガーナのカカオ生産地で子どもを児童労働から守り、教育につなげるための活動を行っています。ガーナの制度として構築を進めている「児童労働フリーゾーン」は、学校環境の整備や子ども・家庭への支援、地域での子ども保護の仕組みが整った地域を国が認定するものです。ACEは、この「児童労働フリーゾーン」に認定される地域を増やすために、国際労働機関(ILO: International Labour Organization)のプロジェクトを受託し現地での取り組みを進めています。
12月、プロジェクトを実施している2つのコミュニティを訪問し、現地での活動をモニタリング視察しました。。普段は村の見回りや子どもの保護活動を行う住民ボランティア組織「子ども保護委員会」や学校教員との活動がほとんどですが、この日は、児童労働リスクがあると特定された子どもたちや、その保護者と直接じっくり話をすることができました。
近年、ガーナでは「ガラムセイ」と呼ばれる持続不可能な金の採掘が広がり、カカオ産業や地域社会に深刻な影響を及ぼしています。カカオ農家の土地が奪われるだけでなく、水銀などの有害化学物質による環境汚染や健康被害、さらに児童労働や事故のリスクも高まっています。

ガラムセイサイトに流れる水は、採掘に伴う土壌の流出および水銀などの化学物質によって赤く変色しています
これまでもガラムセイに従事する子どもたちと話す機会はありましたが、「学校に行って時間を無駄にするより、お金を稼いだ方がいい」と強気な言葉を口にする子が少なくありませんでした。
しかし今回、1人ひとりがカウンセリングを受ける中で、本当は学校に行きたいこと、親に「行く必要がない」と聞いてもらえないこと、制服を用意してくれないことを涙を溜めて打ち明けてくれた子どもがいました。制服の採寸を受けている時は、緊張しつつも、どこかはにかんだ表情を見せていた姿が印象に残っています。

子どもたちと話をする校長先生と現地スタッフ

プロジェクトでは、子どもたちの就学支援として学用品と制服を支給します。制服を作るため、1人ずつ採寸を行いました。緊張しながらも少し誇らしげな子どもたちの表情が印象的でした。
何より嬉しかったのは、前日に学校を休んでガラムセイの現場で金を取り出す作業をしていた少年が、その翌日、学校に来ていたことです。
前日、彼が作業をしている様子を見守りながら話をしたのですが、その時に校長先生の言葉を伝えました。30分ほど一緒にいた間に彼はいくつも金のかけらを見つけていましたが、その校長先生の言葉がずっと頭に残ってその後の作業に集中できなかったそうです。悩んだ末、翌日学校に来ることを決めたのだそうです。

前日、幼い弟を連れて川の中で作業をしていた少年
校長先生の言葉は、「学校に来なさい。ガラムセイで一日400セディのために搾取されるよりも、勉強して事業やお金を動かす側になりなさい。400セディのために失う学校での1日は、あなたの人生にとって何十倍もの損失になることを知りなさい」。この校長先生はいつも毅然としていながら、子どもたちにとても優しい眼差しを向けて話をする、とても立派で尊敬できる方です。

子どもたちに声をかける校長先生(写真左)
まだまだ「ガラムセイでお金を稼いだ方がいい、勉強は無駄」と考えるおとなや子どもが多い印象です。しかし、彼女の言葉がまずは生徒の間に浸透し、そして彼女のような考え方がおとなたちの間でも広がっていくことを願ってます。
ガラムセイ現場への子どもの立ち入り禁止や、子どもを関わらせた保護者・事業関係者への罰則といった規制だけでは、抜け道を潜ったり地下に潜るようになるだけです。大金を得ているように思わされているけれど実は搾取されているということ。目先の利益を追求して自分たちのコミュニティや子どもたちの将来が破壊されているということ。住民たち自身がそこに想いを巡らせられないと、状況は変えられないと、強く感じた訪問でした。
ACEの活動はみなさまからのご寄付で支えられています。危険なガラムセイから子どもたちを守り教育につなげられるよう、これからも応援いただけると幸いです。
ガーナの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!
- カテゴリー:報告
- 投稿日:2026.01.16





