【第4回】ガーナ事業を担当している職員・山口さんにインタビュー:住民主導の金融システムから生まれた、住民の熱い思いとは?
【第4回】ガーナ事業を担当している職員・山口さんにインタビュー:住民主導の金融システムから生まれた、住民の熱い思いとは?
- 投稿日:2026.10.15
こんにちは!ACEで広報ボランティアをしている横尾です。
前回の連載3回目では、ガーナの児童労働の背景などについて山口さんからお聞きしましたが、今回はACEが取り組んでいるもう一つの活動について具体的に触れていきたいと思います。
横尾:では今度はガーナで視察されたACEの支援活動について聞いていきたいと思います。まず今回視察されたコミュニティはガーナのどのあたりにあるのですか?
山口:Kumasi(南部にあるガーナ第二の都市)から車で3時間ほど離れたBibianiという小規模な街を拠点として、そこからさらに車で1時間~1時間半ほどかけてコミュニティに着きます。人口540~670人の2つのコミュニティが、現在のACEのスマイル・ガーナ プロジェクトの支援対象地です。
横尾:都市からだいぶ離れた地域なんですね。そこの人たちはどうやって生計を立てているのですか。
山口:多くの人がカカオ栽培やその他の農作物栽培で生計を立てています。また、そのカカオ栽培農家のうち、半数以上が「ケアテイカー」と呼ばれる不安定な条件で働く契約農家(参考記事:【ガーナ便り】雨不足で干乾びたカカオ、農家の収入が減少しています)です。
横尾:ほとんどの人が農業に携わっているんですね。そこではACEはどんな活動をしているのですか?
山口:ACEのプロジェクトでは、学校での給食支援、若者の職業訓練、女性のコメ栽培研修、カカオ農家を対象とした技術研修に加えて、「村落貯蓄貸付組合」の導入と運営を支援しています。ガーナ出張時には、この村落貯蓄貸付組合の活動を視察しました。この村落貯蓄貸付組合では、毎週、コミュニティの住民たちが会合に参加し、そこで少しずつ貯金をして、必要に応じてそれを子どもの教育費や、自分のビジネスの費用、または農薬を購入する費用などに充てることができます。また、ケガで病院に行くお金がない時など、急な出費の際には貸付も可能な、住民主導型の金融システムです。

村落貯蓄貸付組合 の会合の様子
横尾:銀行のようなシステムをみんなで運営しているんですね!銀行が身近にない地域で、未来のために計画的に貯蓄する仕組みがしっかり機能しているというのはとても驚きました!
山口:そうですね。近くに銀行がないので、住民にとっては毎週その会合に参加して、少しのお金だけどみんなの前で、いくらいくら貯めて、1年後にそれが戻ってくるというシステムがとても新鮮みたいです。
横尾:その組合はコミュニティでいくつくらい活動しているのでしょうか?
山口:2つの対象コミュニティに各2つずつ、合計4つ設立されています。それぞれの組合は約25名前後で成り立っています。活動は1年間を1サイクルとし、ACEは最初の1年間、きちんと組合が機能・運営するように、細やかなモニタリングや指導監督を続けます。その後、組合が続ける意思があれば、第2サイクルを継続します。すでにACEが支援した4つのグループは、第2サイクルを終えました。
横尾:2年間も続いているんですね!!それだけ住民にとって必要な活動となっているんだなと感じます。実際に住民の話を聞く機会はありましたか?
山口:ありました。既に、この村落貯蓄貸付組合の活動がうまくいっているグループの女性が、新たに組合を設立する人々へのアドバイスとして、
「いつまでも自分が貧しいというマインドから抜け出さなきゃいけない」、
「私たちがこの貯蓄組合という仕組みを使って、生活を良くするんだというポジティブな気持ちを持たないといけない」
と、力強く話していたのもが、とても印象に残っています。
横尾:その言葉からとても熱い気持ちを感じますね。
山口:そうですね。彼女のように“自分たちが変わろう”と思える人たちがもっと増えると良いなと感じましたし、私たちがそのような活動を支援したり、継続していく仕組みを作っていきたいなと思いました。

村落貯蓄貸付組合 の研修
今回はここまで。いかがでしたか?
この「村落貯蓄貸付組合」は、貧困リスクを削減し、安定した暮らしを支える力を育む機能があるそうで、私自身とても興味を持ちました。この記事を読んで更に知りたいと思った方は、ぜひ関連記事記事(ガーナの村で始まる内側からの変化――『自分たちにはできない』を越えて)もご覧いただき、現地の様子も想像してもらえたら嬉しいです。
では5回目(最終回)の連載もお楽しみに!
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