幸せへのチョコレート

【第3回】ガーナ事業を担当している職員・山口さんにインタビュー:現地に行ったからこそ知ったガーナの児童労働の背景とは?

こんにちは!ACEで広報ボランティアをしている横尾です。

連載1・2回目ではガーナの独特すぎる文化を紹介してきましたが、3回目以降は山口さんが現地のコミュニティで感じた課題やACEの取り組みなどについて触れていきたいと思います。ACEが取り組んでいる「児童労働問題」。今回はガーナの児童労働は何が原因となっているのか、一緒に考えていきましょう。

横尾:視察されたコミュニティでは、(ACEの支援が始まる前に)カカオ農園での児童労働が問題になっていたと思うのですが、実際にそのコミュニティを見て、何か新たに気が付いたことはありましたか?

山口:実際に児童労働に携わっている子どもたちを見たわけではないですが、いろいろ話を聞くと、貧しくて児童労働に関わってしまう子どもたちも多いのですが、実は別の理由で児童労働に関わる子どもたちもいるということを知りました。

横尾:“児童労働=貧しいから働く”というイメージがすごく強いですが、その別の理由とは何なのですか?

山口:もちろん貧しさが大きな問題にはなっています。視察後に聞いた話ですが、親を亡くした子どもが季節労働者として働くおじさんに北部から、プロジェクトが支援する村に連れてこられました。その子はここで話されているチュイ語が理解できないので「どうせ言葉が分からないから学校に行かせる必要はない」というおじさんの考えで、カカオ農園で働かされていたというケースがあったそうです。労働者の移動や、言語の問題等は知らなかったので、この現実を初めて知りました。

横尾:そうなんですね。私はガーナの北部に住んでいましたが、北部から季節労働者として他の地域へ移り住んでいる人がいることは知りませんでした。

ガーナのプチ知識 南部と北部の格差

ガーナ北部は乾燥した気候のため大規模な作物の栽培は難しく、自給自足的な農業が中心となっています。インフラの開発も他の地域より遅れており、貧しい地域も多くあり、そのため若者が仕事を求めて南部(経済の中心地)へ出稼ぎに出ています。

山口:他には、カカオ農園でのお手伝いだけではなく、学校に行かずに家事の手伝いをしたり、子どもが多い家庭の場合は、上の子どもが下の兄弟の面倒をみたりするケースもあるそうです。

横尾:それは、学校より家事を優先させているということですか?

山口:そうですね。親がマーケット(市場)に行く間、「下の子を見ていてね」と言われて、学校に行く時間なのに、学校に行かずに面倒をみているケースもあると聞きます。

ガーナのプチ知識 生活の基盤 マーケット

ガーナにあるマーケットとは、食料品や日用品まで様々なものが手に入る市場のことです。ガーナには日本のようなスーパーは都市にしかないため、日々必要な物はすべてこのマーケットで手に入れています。

横尾:なかなか外から見えにくい児童労働ですね。

山口:話を聞いたり、報告書を読んだ限りでは、親の手伝いをするということが義務ではないけれど、子どもたちにとっては「親孝行としてやらなきゃいけない」という認識が強いように感じました。親の側は、もしかしたら「子どもが、親の言うことを聞いて、きちんと家事や仕事を手伝うのが当たり前」という認識なのかもしれません。このような、ガーナの文脈での、親と子の義務や責任に対するとらえ方や、これまでの慣習が、児童労働の背景にあるような気がしました。

横尾:私もガーナにいた時、山口さんと同じように感じました。きっと子どもたちの本音は、親の手伝いではなくて友達と遊びたいんだろうなと感じましたが、親の言うことは絶対なので、口答えする姿はほとんど見たことがないですね。

山口:そうですよね。私は児童労働の問題にはACEに入るまでは関わったことがなかったので、今回の視察で、複雑な要因が多くあると学びました。ACEとしては、村の住民による子ども保護委員会(Community Child Protection Committee)(以下CCPC)を設置・能力強化を進めています。CCPCではコミュニティでの見守りを通じ、児童労働のリスクのある子どもを特定し、親/保護者とカウンセリングをしたり、必要な行政サービスにつなげるよう活動しています。

横尾:村の住民同士で子どもたちを見守る活動があるんですね!ガーナでは住民同士のコミュニケーションはとても活発なので、そういった互いに見守る活動は良い方法だなと思いました。

山口:そうですね。ACEは、コミュニティの規則を作る支援や、CCPCを通じたコミュニティでの啓発活動も行っており、コミュニティ住民の皆さんが何が児童労働に該当するのかを正しく理解し、子どもが学校にいるべき時間に農場で手伝わせたり、家で子守をさせたりする習慣を見直していけるよう、啓発や話し合いの活動を継続して行っています。

横尾:山口さんの話を聞いて、“何が児童労働にあたるのか”、その認識の変化がとても大切なんだなと感じました。少し話は変わりますが、そのコミュニティの子どもたちの印象はどうでしたか?

山口:小学校に行った時は、海外からの訪問者ということで、学校の窓からとても興味深そうに、わぁ~、誰が来たのだろうと、こちらを見ていて、同時に、ちょっと怖がっている様子でした。興味はあるけど、近寄れないようで…。私が一歩近寄ってみると、わぁ~と後ろに逃げて…、でも私が一歩下がると一歩前に近づくみたいな。笑

横尾:とっても面白い反応ですね。おそらく子どもたちは外国人にどう接していいか分からないんでしょうね。

山口:そうだと思います。

                                 学校の子どもたち

横尾:その学校の子どもたちとは話しましたか?

山口:はい。子どもたちはチュイ語を話すので、現地のスタッフに通訳してもらいました。子どもたちは、みんなとてもシャイでしたね。話した子は「学校が好き!」と嬉しそうに話してくれました。

今回のインタビューはここまで。ガーナでは貧しさだけではなく、文化的な背景も児童労働に関係しているのですね。次回はACEがガーナで取り組んでいる他の取り組みについてふれていきます!

4回目の連載もお楽しみに☆彡

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2026.10.13