2025年2月28日
【岩附通信vol.48】あきらめないけど、こだわらない
1月ってあっという間に過ぎますよね。
新年最初の1か月、みなさまいかが過ごされましたでしょうか。
個人的な話になりますが、娘の中学受験が山場を迎えておりましたところ、
おかげさまで無事決着し、控えていた出張と飲み会もこれでやっと解禁!
・・・ということで早速今年初の沖縄出張に行ってまいりました。
今回は沖縄県うるま市で地元社会福祉協議会さんが主催される「こども未来フェスタ」の中で
一番大きい会議室を借り切ってのイベント主催でした。
ラジオ番組風に、ユースサポーターのメンバーがMCをつとめてトークセッションを繰り広げつつ、
同じ部屋でカフェ風にコーヒーや鳥めしを提供、
子どもの権利すごろくやかるたの体験コーナーや、
NVC(=共感的コミュニケーション)を体験できる「しほの部屋」(ACEスタッフ坂口志保(しほ)が担当)のコーナーがあるなどのイベントです。
このイベントは「子どもの声を行政に届ける」という意図ではじめた一連のプログラムの最後のものとして位置づけられているのですが、
当初想定していたのは「行政の人に意見書を出しておいて、それに対して行政から子どもたちに報告をもらう」というような場でした。
実際ぜんぜん違うものになったのですが、
振り返って「当初の案にこだわらなくてよかったな」と思ったので、
その実感を今号の岩附通信のタイトルにさせていただいています。
こども基本法には、自治体は子どもの意見をこども施策に反映させることを「義務」としています。
ただ実際にこれまでやってこなかったそのような取り組みを急に行政としてやりだすのも難しいだろうといことで、
民間で試しにやってみて、行政の方に参加してもらおう、というのが今回の趣旨でした。
ステップ1は行政の方々への研修、ステップ2は対話の場、ステップ3は報告の
3つのステップを想定していました。
今回の事業はうるま市、および教育委員会からも後援をいただき実施させていただいていましたが、
いざはじめてみると、行政の方にとって、「課を背負って参加するのは難しい」という声があがりました。
そうした声を受けて、軌道修正しながら、より対話的な、
そしてこどもや若者と同じように行政の方にも参加者として参加してもらいながら、
どちらか一方が意見を出して答えるではなく、みんなで一緒に考える、というような手法を
「うまんちゅしゃべり場」としてステップ2で開催しました。
ここで出たアイディアをまとめて冊子にし、今回のステップ3でも配布することとしました。
ステップ3の企画をパートナー団体のURUFULLのスタッフや、若者たちと考える中で、
一方的に話をするんじゃなくてラジオ風にトーク番組のように話して
それを聞いてもらえたらいいね、という案が自然と出てきて、
MCもじゃあ若者メンバーに務めてもらおう!となり、
MCを務めるメンバーが台本も考えてくれました。
こういうイベントを話し合っているとき、いろんなアイディアが出てきて、いいね!と楽しみながら出来たことが、
おもしろい企画に繋がったのではないかなとも思います。
また、ご縁あって、このラジオ風トークをほんとにラジオで流してもらえることになりました。
以前活動を一緒にしていた方(当時高校生)がFMうるまの取締役をされていることに気づき
相談したところ、やりましょう!とふたつ返事で生放送が実現しました。
ただトークをしていても、なかなか関係者以外聞きに来てもらえないので、
鳥飯やコーヒーの提供、福引きなど、このあたりの楽しい仕掛けは
URUFULLさんが普段から現場をお持ちならではの巻き込み力で実施してくれました。
私が壇上から見ていて、熱心に聞いてくれているなぁという大人の方が何名かいたのですが、
後からそれがうるま市行政の子ども関連の部長・局長級の方々だったことがわかり、
結果的に行政の方にもしっかりインプットができて、もともとの意図も達成され、
なんだか本当に結果オーライなイベントにもなりました。
もちろんこちらも事前に担当者の方に開催案内を送るなどしていたのですが、
局内で回覧してくれていたらしく、それが功を奏したのではないかと思います。
今回つくづく思ったのは、こだわりすぎなくてよかった、ということです。
当初の企画をゴリ押ししたら上手くいってなかったでしょう。
でも意図は持ちつづけ、子どもたちの声を反映した冊子を作り、形にしたことで、
より広く多くの方に手元に残る形で伝えることができました。
もともと予定されていたイベント中でやらせていただいたことが集客にも寄与し、
いただいた機会を活かしてみんなでアイディアを出し合いながら進められ、
若者たちが発表や進行を経験する参加の機会にもなったなと思います。
そして、うるま市の関係局からも「職員の研修をしてもらいたい」との依頼をいただいており、
行政の方々からそのようなお申し出を頂けるようになったことも、
一連の協働で価値を感じていただけたひとつの成果かなと感じています。
あきらめないけど、こだわらない。
意図は持ちつづけながら、柔軟に戦略を変えて機会を捉えて活かす、
そんなことが出来たのかなぁ、と思った沖縄のイベントでした。
寒いような、寒くないような1月が終わりますが、
みなさま引き続きウィルス的な流行りものにはのらないよう気をつけていただきつつ、
お元気に過ごされますようにお祈りしております。
そして継続的なご支援をいただけますこと、心より御礼申し上げます。
実はACEは認定NPOの資格の更新時期を迎えております。
認定NPOとしての更新に係る様々な質問や資料の確認が無事終わり、
諸所整えなくてはならないことがないわけではないものの、
認定NPOの要件であるパブリックサポートテスト(3000円以上のご寄付を頂く方が毎年100人以上、などの条件があります)はおかげさまでクリアしており、
多くの方に毎年支えていただいていることで、ACEが認定NPO法人で居続けられております。
本当にありがとうございます。
お手元にご寄付の領収書が届いている頃かと思います。
何かお気づきの点がございましたらご連絡ください。
現場からは以上です!今年もどうぞよろしくお願いします。
2025年1月31日 ACE代表 岩附由香
※「岩附通信」は、会員・子どもの権利サポーターの方の特典として毎月1回配信しているコンテンツですが、配信から一カ月以上が経過したものを代表ブログにて一般公開しています。
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