2025年3月31日
【岩附通信vol.50】綿々と、と「肝」について
1月ってあっという間に過ぎますよね、と1月の通信に書いたのですが、
2月はそれ以上にあっという間でした。
そもそも日数が少ない上に祝日も2回あるので、
2月末締め切りのものが重なりアップアップしています。
みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
確定申告に絶賛取組中の方もいらっしゃるかもしれません。
そして3月は多くの方にとって年度末。
お忙しさが増す方も多いかと思いますがどうぞお体に気を付けてお過ごしください。
さて、今回は先週末に沖縄うまんちゅ子どもの権利プロジェクトのメンバーと行った
スタディーツアーのお話をしたいと思います。
子どもの権利に関する「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウムが
名古屋市主催で開催されるため、
沖縄からメンバーに参加してもらうのと同時に
近隣の取り組みを視察できないかと企画した今回のスタディーツアー。
ツアーといってもこのシンポジウムの開催日前日に視察をくっつけただけなんですが、
実際に見て話を聴くことで、取り組みに関する解像度が上がり、
今までウェブサイト等で記事を読んだだけでは見えてこなかった肝が見えた気がします。
愛知県新城市には「若者議会」があります。
条例で定めがあり、毎年開催されるこの議会には16歳~29歳の若者が参加し、
様々な観点から市長に答申という形で事業を提案、
次年度それを自治体として自治体職員が実行する、
というサイクルで10年回っているこの議会、
ご担当者と担当課のみなさまにお話を聞くことが出来ました。
きっかけは、New Castleという名前を持つ自治体が集まり、
若者代表として参加し世界の若者と交流した方が、
日本に帰ってきてもっと何かしたいというところから、
前市長がそれは面白いと取り上げ、その後人口減少を背景とした危機感もあり、
市民自治を広めようという観点をもって条例化されたものです。
条例で定められていることの強さは、
必ず繰り返し行われる事業として綿々と続いていくこと。
毎年1000万円を上限として、これまで10年間で提案された事業の数々の中には、
あまり見に来る人のいなかった郷土資料スペースを学生が勉強などできる場所に改装する、というようなものから、
観光推進のためのフォトコンテスト事業まで様々なものがあり、
若者が提案したものが1年だけでなく継続して市の事業として続いていくようなものもあって、
市の事業を若者が提案し、市が実行していくというスタイルが貫かれているところがすごいなと思いました。
このほかに若者自身がアクションを起こすための助成金制度などもあります。
子どもの権利の話をすると、
いかに子どもたちが健やかに育てるように「守る」か、という話になることも多いのですが、
こうした「市民権」、いわゆるシチズンシップは子どもの参加する権利の保障ともいえるので、この事業の肝はそこでした。
こういう若者向け事業は何かと「成果はなにか」等問われることもあるかと思いますが、
あえてそういった目標値のようなものを設定しておらず、
「若者が自治に参加する」プロセスそのものを肝としているところも大変興味深い事例でした。
もうひとつ、綿々と続いてきているのが、「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウムです。
これは子どもの権利総合研究所の荒牧さんが実行委員長となって、
子ども施策のあり方やまち・コミュニティづくりの展望を見出すために、
自治体関係者と研究者・専門家・NPO等が連携・協力して、2002 年から開催されているシンポジウムです。
1日目の全体会、2日目の分科会を通じ、全国から集った自治体職員の方々が様々な取り組み事例を紹介してくださいます。
今回が21回目ということで、これを綿々と続けて来られた先生方、またこれは自治体主催ですので、
毎年受け入れる自治体をみつけ予算化してもらう働きかけを長年続けられてきたことが、
改めてすごいなぁと思っています。
このシンポジウムは子どもの権利が肝なのですが、
今回はこども基本法施行後のこども計画を創られてきた自治体さんのお話が興味深かったです。
すでに子どもの権利条例があるところとないところがありますが、
ないところは、このこども計画を作る際に基本理念として子どもの権利を掲げているところもあり、
なるほどそういうやり方ができるのか!と。
なかなか各自治体の取り組みを子細に聞けるチャンスもないので、
本当に貴重な機会、場を綿々と作り続けてきてくださったみなさんに感謝だなぁと思いました。
ということで、綿々と肝を感じる2月のスタディツアーが終了いたしました。
ここで学んだこと、出来た繋がりをこの後の活動に活かしていきたいと思います。
ご支援・ご協力、ありがとうございます!
2025年2月28日 ACE代表 岩附由香
P.S. ACEが25周年を記念してつくりましたチョコレート「アニダソ」、おかげさまで完売いたしました。多くの方にご利用いただき、ありがとうございました!
P.S.2 先月お伝えしたうまんちゅプロジェクトのワークショップの内容をまとめた冊子が公開されました!よろしければぜひご覧ください。
https://acejapan.org/info/2025/02/353415
※「岩附通信」は、会員・子どもの権利サポーターの方の特典として毎月1回配信しているコンテンツですが、配信から一カ月以上が経過したものは代表ブログにて一般公開しています。
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