タイ:エビ産業の児童労働、米国側の申し立てを否認
タイ:エビ産業の児童労働、米国側の申し立てを否認
バンコク(2007年6月22日)ー タイ労働省は、米国エビ協会による「タイは児童労働を使ってエビを米国の市場へ投げ売りしている」との申し立てに対して、「労働者権利に関わる法に遵守している」と回答し、児童労働搾取を否定した。
同省は、「エビ産業が盛んなサムットサコーン県での事実調査では、児童労働搾取は見つからなかった。しかし、主にミャンマーからの移民労働者がおり、社会開発・人間安全省および警察に対して、移民労働者が法的な就労許可を得ているか確認するよう求めた。」と述べた。タイの労働保護法は、労働者権利に関わる一般的な労働条件のほか、児童労働や移民労働者の権利保護についても規定している。
タイの海外へのエビ輸出額は、約20億米ドル。その半分は米国へ取引される。日本への輸出シェアは、ヨーロッパと同じく約20%。
タイ中部サムットサコーン県の湾岸地域には、エビの殻むきなど加工工場が多くあり、児童労働やミャンマー移民労働者の搾取について、国内でも報道されている。
ある工場では、労働者約200人のうち半分が児童労働者だった。また別の工場では、児童労働を含むミャンマー人労働者約800名が、監禁状態で18時間以上働かされ、人権監査団によって救出された。NGOによると、ミャンマー移民労働者の多くはブローカーの人身売買によって働いている。
エビの加工が現地の小さな請負会社で行われるため、海外からのバイヤーは商品の製造過程をチェックすることが難しい。その結果、工場が不法労働や児童労働を使っていないかどうかの確認作業は、その責任を負うタイ政府・労働省に頼っている。しかし、労働省は、これら工場に対して厳しい監査を行うための適切な人手や資源が不足している状況だ。工場での労働搾取が発見されても、警察は、工場の操業の継続を許しているという。
- カテゴリー:児童労働ニュース
- 投稿日:2007.07.12