【ガーナ便り】アンディくんが抱く大きな夢 | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

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【ガーナ便り】アンディくんが抱く大きな夢

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ACE国際協力事業(ガーナ)担当 近藤光こんにちは。ACEの子ども支援事業(ガーナ)担当の近藤光です。

いつもACEに対するご支援、まことにありがとうございます。

さて、私は2014年3月23日からガーナに来ております。「スマイル・ガーナ プロジェクト」の活動地を訪問し、子どもたちやおとなたちに会って、活動の様子や村の変化などについて話を聞いてきましたので、ご紹介したいと思います。

1)子どもを保護する条例が制定されました

今回の訪問における最大のトピックは、何といっても地域内における、子どもの権利を守るための条例の制定です。2014年3月31日に会合が行われ、これまでプロジェクトを行ってきたアシャンティ州アチュマンプニュア郡の4つの村において、子どもを守るための条例が制定されました。

子ども保護条例の制定に向けたミーティングの様子会合には、4つの村の関係者(村長、長老会、子ども保護委員会、子ども権利クラブなど)およびアチュマ・ンプニュア郡の関係者(郡知事、警察、教育局、裁判所、社会福祉局、保健局)が一同に集まり、条例制定のための意見交換を行いました。

児童労働や人身売買の禁止はガーナの子ども法などにも規定されていますが、地域に改めて条例として制定することで、より多くの人々、特に新しくこの地域に移り住んできた人々に対して大きな宣伝効果が期待できます。

 

これまでも何度かご報告してきましたが、地域内で起こっている児童労働、人身取引は、多くが他の地域(おもにガーナ北部や近隣諸国)からの移住者の家庭で起こっていました。 そうした人たちに対しても、子どもを学校に行かせずに働かせることは違反ですよということを強く認識させることになります。

もちろんそのまま別の地域に子どもを行かせてしまうという懸念は残ります。ですので、このような条例や子どもを守る意識をより広い地域に広げていくことが今後の課題です。 ぜひとも現地のスタッフとともに考えていきたいと思っています。

2)教員へのトレーニングが行われました

ガーナ便り:教員トレーニング条例制定の日に前後して、プロジェクト地域にある学校の先生たちに対する教員トレーニングが行われました。参加者によると、教員トレーニングのおもな内容は以下の通りです。

教師と生徒の関係をどう構築するかを考える。生徒との関係を良くするためには、生徒の保護者(親、または預かっている親戚)との関係が良くなければならない。生徒の生活の背景を理解しなければいけない。その生徒が貧しく困窮している場合は配慮しなければいけない。生徒一人一人の個性は違うので気を配らなければいけない。

私は教員トレーニングに触れたのは初めてだったのですが、最初は「教え方のテクニックを教える」ものだと思っていました。しかし実際は、生徒との関係や生徒への配慮の仕方に重きを置いていたことにとても驚き、教育は”教える側”と”教えられる側”の信頼関係が大切なのだと改めて気づかされました。

生徒とのつながりの大切さを学んだ先生のみなさんには、これからも地域の子どもや親たちと信頼関係を築いて、子どもたちの未来を創っていってほしいと思います。

3)学用品を支給している子どもの家庭を訪ねて

今回訪ねた家族は、いずれもお母さんだけしかいない家族です。ガーナは離婚率が高い国の一つですが、今回訪ねた家族はみな、死別だそうです。

ACEが支援している村に住むアマ・ンクルマさんは、一度も学校に行ったことがなく、読み書きはおろか、自分の年齢も分からないといいます。彼女は夫と死別したあと、2人の子どもを育てました。最初はなかなか学校に行かせられなかったそうですが、2011年にプロジェクトが始まり、学用品の支給を受けてからは、毎日学校に通わせるようになったそうです。「とにかく自分のような苦労を子どもたちには合わせたくない。できれば高校まで行かせてあげたい。」という言葉が印象的でした。

また、同じ村に住むアバンさん(63歳)は、妹のアドワさん(59歳:夫と死別)の子どもを学校に通わせたいと思い、学用品の支給について問い合わせてきました。彼は学校になかなかいけなかった甥や姪たちのため、自分の家の壁を黒板にして勉強を教えているそうです。

この村でも、支援が始まり2年半が経ち、村人たちの間に子どもの教育に対する意識が高まっていることを感じました。

大きな夢

最後に、村で学用品の支給を受けているアンディくん(仮名/12歳:5年生、伯父と同居、母親はガーナ北部に在住、父親は死別)を訪ねた際のエピソードを紹介します。

彼に「将来の夢は何」と尋ねたところ、はっきりとした口調で「大統領」と言いました!学用品を支給した子どもに何度か同じ質問をしたことがありますが、これほど大きな夢を語った子どもは初めてです。

将来の夢は?っと聞くとハッキリした口調で「大統領」と答えたアンディくん

驚きのあまり私は「Boys, be ambitious!(少年よ大志を抱け!)」と思いっきりベタなコメントを言ってしまいました・・・

そんなこんなでいろいろな発見があったガーナ出張でした。次回の出張の際も、ぜひ新たなご報告ができればと思います。これからも、ご支援ご協力をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

2014年4月4日 ガーナにて 近藤 光

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2014.04.04