【ガーナ便り】カカオ農家の生活を向上させる新たな取り組みを行っています
みなさん、こんにちは!ガーナ担当の近藤です。緊急事態宣言が出て不自由な日々が続いていますが、必ず元の自由な日々が帰ってくるものと信じて待っています!
さて、ガーナでもコロナ禍の苦しい状況の元、人々は生活を守るために奮闘しています。昨年3月にガーナ全土でロックダウンが敷かれ、その後4月に解かれた後も、人数が多く集まる青空市場などの活動は制限され、多くのカカオ農家に影響がありました。また学校が延べ9か月間も閉鎖されたため、プロジェクト地では62人の子どもが児童労働に戻ってしまいました。2021年1月に学校が再開されたと同時に再び児童労働をやめて学校に戻ってきましたが、それでも多くのカカオ農家が苦しい生活を強いられています。
特に深刻なのは、カカオ農家の収入源が安定せず、子どもたちの教育を安定して支えていくことが難しいことです。もともとカカオ農家の多くがカカオ以外の収入手段を持っていませんでした。そのためカカオの収量や価格の変動などで収入が大幅に減ったりして、生活が不安定になることが多くありました。その問題を解決するために、農産物の栽培品目を多様化することでそのリスクを減らし、農家の生活をより強固にすることができます。
スマイル・ガーナ プロジェクトでは、2019年からは食用カタツムリの養殖をはじめました。そして2020年からは、より収入源を多様化するために、新たにコメの栽培を始めています。実はガーナではコメは高い収益を見込めるうえに、自分たちも消費するとても優良な作物といわれています。カカオ農家にはカカオ栽培をやめて、コメの生産に切り換える農家も現れていると聞きます。
女性の新規収入活動(Women in Additional Income Generating Activities/ WAIGA)と呼ばれるガーナの農村開発スキームを使い、ガーナの農業省の技術者に指導を受けて、コメの栽培を始めました。このコメの栽培トレーニングでは25の農家が参加し、種、肥料などを提供し、その費用は収穫後にコメ袋を代金代わりに相殺します。今年は25農家で合計184袋、1エーカーあたり7.5袋を収穫し、市場でも完売しましました。
児童労働が発生する理由は決して貧困だけではありませんが、やはり貧困からの脱却と収入の向上、安定は子どもの権利、教育環境を守るためにも重要です。特にこのコロナ禍においては、いかに家族が子どもに教育を受けさせることができるかが重要な課題となります。プロジェクトでは今、子ども保護委員会や学校運営委員会など、自分たちで児童労働をなくすためのモニタリング活動や啓発活動を行っています。そのうえで子どもたちが安心して学び、遊ぶための生活基盤が整えば、ガーナ政府が推し進める「児童労働のない地域(Child Labour Free Zone)」の認定に近づくことができます。
コロナ禍の困難な状況においても、現地の人々は児童労働をなくすための活動を継続し、そのために自分たちの生活をよくするための努力も続けています。私たちACEもそんな現地の人々をサポートし、応援していきます!引き続きのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
ガーナの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!
- カテゴリー:報告
- 投稿日:2021.09.15