映画『バレンタイン一揆』上映&HASUNA白木夏子さんとのトーク報告
2013年8月18日(日)、東京の目黒にあるHUB Tokyoで、ゲストにHASUNA Co.,Ltd 代表取締役兼チーフデザイナーの白木夏子さんを迎え、映画『バレンタイン一揆』上映会&トークを開催しました。
映画とトークセッションを通じて、社会貢献や国際協力に関心がある方たちが次の一歩を踏み出すきっかけづくりになるよう、児童労働の現状や株式会社HASUNAとNPO法人ACEの理念や活動内容を紹介しました。
第一部:映画『バレンタイン一揆』上映
映画『バレンタイン一揆』では、ガーナを訪れた3人の女の子がカカオ農園での児童労働の問題に直面し、悩み、奮闘した日々が描かれています。映画に登場したガーナのカカオ生産地域の村は、ACEが2009年から取り組んでいるスマイル・ガーナ・プロジェクトの支援地です。カカオ生産地の児童労働の問題解決のため、ACE 白木朋子は「チョコレートを食べると幸せになる。そのチョコレートを作る人たちも幸せな気分になる世界を目指したい。」と話しました。
映画を観たHASUNA 白木夏子さんは、映画の内容が自分の学生時代と重なり、なにもできず四苦八苦していた頃を思い出したそうです。「インドの鉱山で出会った貧しくて学校にも行けず、ご飯もまともに食べることができない子どもたち。その傍ら、恵まれた環境に置かれている自分が彼らのために何もすることができなかった。」
第二部:トークセッション~HASUNA白木夏子×ACE白木朋子~
第二部では、映画の企画者である電通ソーシャル・デザイン・エンジンの並河進さんにご協力いただき、企業とNPOという異なる立場の取り組みや課題について、貴重なお話を聞く事ができました。
一生身につけるもので、世界をHAPPYに!
白木夏子さんは、フェアトレード/エシカル・ジュエリーの価値について話してくれました。
「消費社会に生きるなか、自分が買う物の中で結婚指輪は一生身につけるものです。自分の愛する相手と共有したポリシーが『みんなが笑顔に、世界がHAPPYに』というHASUNAと同じような思いであったならとても嬉しいです。そんなジュエリーを身につける人の思いに応えられた時、エシカルな商品がお客様にとってもプラスに働いていると感じます。」
企業とNPO、それぞれの使命とは
「HASUNAは企業として『一流のジュエリーをつくる』というコンセプトをもと、出来る限りのことをしています。創業当時はジュエリーのネガティブな側面、児童労働などの問題の伝え方のさじ加減に葛藤がありましたが、今はネガティブな側面を無理にお客様に伝えてはいません。純粋に『良いジュエリーが好き』というお客様が多く、そういった方に伝える必要はないと考えています。ジュエリーの楽しみ方やどのような旅をしてきたかなど、ジュエリーのロマンを話し、お客様におしゃれを楽しんでいただきたいです。」と話して下さいました。
HASUNAとしてではなく、白木夏子さん個人で活動する際には、児童労働などの問題について積極的に伝えていくスタイルをとっており、個人と会社の代表という立場を分けているそうです。
白木夏子さんのコメントを受け、ACE白木朋子は「企業とNPOにはそれぞれ役割があり、HASUNAさんが伝えきれないことを我々が伝えることが大切なのです。ネガティブなことは耳をふさぎたくなりますが、現状を伝えることがNPOの仕事であり、企業との役割分担が重要なのですね。」と企業とNPOの役割分担について述べました。
世界を笑顔で輝かせるために私たちが目指すこと
「一流を極めることです。一流であるからこそジュエリー生産に関わる全ての人がスマイルになる世の中を実現させたいです。世界中の子どもたちが学校に通えて、ご飯を食べることができて、健康な一日をすごせますように。」(HASUNA 白木夏子)
「知らない間に児童労働に加担してしまっている仕組みをなくすため、エシカルなビジネスと消費の関係を実現させたいです。そのために今後も啓発活動を続けていき、映画『バレンタイン一揆』の上映も日本全国47都道府県で実現させたいと考えています。」(ACE 白木朋子)
アプローチは異なりますが「児童労働をなくしたい。世界のみんながHAPPYになってほしい。」というふたりの共通する熱い思いが伝わってくる対談になりました。対談の進行を担当くださった並河さんも「ひとつの問題にもオルタナティブな取り組み方があるのですね。僕も一緒に活動していきたい。」と話してくださいました。
第三部:参加者同士で感想と「ひとこと宣言」をシェア
トークセッション後、参加者同士で感想のシェアと自分にできることを「ひとこと宣言」に書いていただきました。この想いをかたちにし、一歩を踏み出すきっかけになればと考えています。
イベント終了後も、参加者同士が親睦を深め互いの熱い思いを語っている姿が印象的でした。帰り際、ガーナの支援地区のカカオマスを主原料にした森永製菓「1チョコ for 1スマイル」チョコレートを多くの参加者の方が買ってくださいました。ひとりひとりの“一歩”が集まることが、世界から児童労働なくすための大きなステップに繋がるのだと感じました。
ゲストのみなさま、ご参加いただいたみなさま、お忙しい中まことにありがとうございました。
報告:ソーシャルビジネス担当インターン 青山 朋恵
映画上映会&トークの様子が「オルタナS」で取り上げられました
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- カテゴリー:報告
- 投稿日:2013.08.22