【岩附通信vol.43】「自分を取り繕う必要はもうない!」~解き放たれたACE合宿~ | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

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岩附通信

2024年9月6日

【岩附通信vol.43】「自分を取り繕う必要はもうない!」~解き放たれたACE合宿~

こんにちは!今月も沖縄より岩附です。いつもご支援をいただきありがとうございます!

これを書いている今日(7/29)は、沖縄県うるま市において、子どもの権利実践研修を実施しました。
今回はうるま市・うるま市教育委員会からの後援もいただき、自治体職員のみなさんの参加を想定し、かつそこに地元の若者も参加してもらい、若者の声も研修内で聴くという、新しいバージョンで初めての実施です。
うるま市のパートナー団体URUFULL(ウルフル、と読みます)さんが培ってきた若者たちとの関係性があるからこそ成り立ったこの研修。参加してくれたみなさんに感謝です。

そして今月はじめ、ACE合宿を行いましたので、今日の通信はそのことを書きたいと思います。
実はACEの職員はフルリモート、全員自宅から働いています。
4月からスタッフも増え、お互いオンラインでは毎週顔を合わせていても、実際には対面で会ったことは一度もない、という方々が結構いました。
また、業務上関わり合いがある人とはよく話しますが、そうではない人との会話はオンラインだとどうしても限られてしまいます。

そのため今回の合宿は、お互いを知り合うこと、組織の理解を深めること、またNVC(Non-Violent Communication、非暴力コミュニケーション)を体験することをねらいとして、プログラムを練りました。

遠方在住(沖縄、広島など)の参加者の移動時間を考慮し、2泊3日といっても、1日目の午後から3日目の午前という実質2日間のプログラム。
今回の合宿はこういう感じにしたい、というイメージが自分の中にあったので、様々な業務の合間を縫いながらイニシアチブをとってきました。

そんな合宿後のアンケートで、ある職員がこんな回答をよせてくれました(一部編集しています)。

「入職してからこれまで、多くのスタッフの方々とオンラインのみの関わりで、相手の息遣いや顔の表情、ボディランゲージが分かりづらく、どこか勝手に自分が作り出す一番怖い印象(どこか距離がある、自分をよく思っていない、等)を形作ってしまっていました。

実際に会って話す時も最初は緊張しましたが、プログラムでの時間やその後の夜ご飯、お酒を共にする時間を通して、みなさん一人一人が私の作った虚像とかけ離れていることを実感することができました。

そして、みなさん一人一人の実像がどんな姿かを実感すると同時に、みなさんの優しさやどんな人でも受け入れるという姿勢に気づき、それにより、自分自身がどんな人間であるのかを取り繕う必要がなくなったのかなとも感じています。

今までいろんな組織に属してきましたが、どこに居てもずっと自分自身を取り繕って、良いように見せたい、できないとダメだと思って生きてきたように思います。そしてそれが自分を苦しめていたのだと改めて気づかされました。
多くの気づきを教えてくれた初めてのACE合宿となりましたので、とても満足しています。」

・・・企画メンバーとして、由香、感動です。

2日目のNVC研修では、渋谷聡子さんを講師に迎えて自分自身の感情とニーズに向き合い、抱えていた想いを表現し、自己理解を深めたスタッフが多かったと思いますし、そうした場を共有できたことで、他者理解も深まったと思います。

合宿の3日目には、それぞれの大切にしたいニーズを言語化し、それを表現するためのアクションを決めて宣言しました。

こうしてそれぞれにインパクトのある合宿となったと思いますが、私自身、この合宿後にオンラインで会議をしたとき「・・・・質感が違う・・!!!」ということに驚きました。
コロナ前の事務所があった時のメンバーの数と、そのあとフルリモートになってから入職したメンバーの数がちょうど半々ぐらいになってきましたので、やはり実際に会って、全身全霊でその人を感じ、対話の時間をとっていくことの大事さをひしと感じました。

ACEでは2014年から「学習する組織」やNVCの研修を通じ「関係の質」を改善させることに注力してきました。
遠回りのように見えて、こうした研修などを通じて職員同士の関係性の質を高めていくことが、事業の成果を最大化することにつながると考えています。

お互い人間ですから、意図していなくても傷つけてしまったり、思い込んでしまったり、行き違いが生じてしまったり、コミュニケーションの課題はつきることがないと思います。
それでも、それをそのままにせずに、対話できること、そういう場・時間的スペースをきちんと確保していくことも、組織運営では大切なのではないかと思いました。

そんなことを書きつつ、個人的には反省点も多い日々・・・ではありますが、自分自身の振り返りもしつつ、自分の箱にとじこまらずに、個々の力が出せて、イキイキと働けるACEを目指していきたいと思います。

暑い日が続き、水害も起きるなど、楽しいことばかりではない夏休みかもしれませんが(個人的には、夏休み中の子どもたちのお昼対応・塾のお弁当作りに悩まされ中です)、みなさまが無事にこの夏を乗り切れますように。

2024年7月 ACE代表 岩附由香

※「岩附通信」は、会員・子どもの権利サポーターの方の特典として毎月1回配信しているコンテンツですが、配信から一カ月以上が経過したものを代表ブログにて一般公開しています。

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