2023年2月28日
【岩附通信vol.25】「ボスはパーパス」
いつもご支援ありがとうございます!ACE代表岩附です。
今年もどうぞよろしくお願いします!
サポーター・会員のみなさまに、毎月生の声をお届けしたい!と始まったこの岩附通信、2021年は動画、2022年は音声でお届けしましたが、2023年は・・・テキストでメールベースでお届けしてみよう!ということになりました。引き続き、どうぞよろしくお願いします。
今日は、ACEの組織づくりについてお話してみようと思います。
「ティール組織」という言葉、お聞きになったことありますか?
一言でとても説明しづらく、未だにできないのですが、組織がひとつの生命体のように動く組織のことです。そしていま、ACEは「ティール的な組織への進化」真っ只中にあります。
ティール的な組織の組織構造はいくつかパターンがあるのですが、ACEではその構造として「ホラクラシー」と呼ばれる、ホラクラシーワンという会社が開発したシステムを活用した組織運営を導入することになりました。このホラクラシー導入を「自己組織化」と呼んでいます。
ACEでは、そのための自己組織化研修を昨年11月から開始し、1月で一通りの研修が終わりました。いよいよ、2月から徐々にホラクラシーの運用をはじめていきます。
その運用の前提となるのが「セルフ・マネジメント」。自分で自分の仕事を管理する、といえば当たり前のことのように聞こえますが、言うはたやすく、行うは難し。今回ホラクラシーの前提となる、セルフ・マネジメントのスキルとして、GTD(Getting Things Done)やLOS(Langage of Sapces)という手法を学びました。少しご紹介したいと思います。
まず、今回の自己組織化の考え方は「ボスはパーパス」。そしてパーパスを実現するために「ロール」(役割)があり、そのロールが持つパーパスと果たすアカウンタビリティがあり、それに伴うプロジェクトやアクションがある、という構造ととらえています。
このLOSの考え方は、なにかうまくいっていない!という「テンション」があったときに、それがどの文脈で起きているのかを見つけるのに役立つと思いました。
LOSは4つの部屋にわかれていて
1.オペレーショナル・スペース:日々の業務の進め方について
2.ガバナンス・スぺ―ス:組織全体を眺めたときの役割分担や過不足について
3.関係性のスペース:人間関係の中での期待やニーズについて
4.個人のスペース:自分の物事の受け取り方、内側の感情、反応のパターン
があります。
今感じている「テンション」困りごとを、この4つの切り口で分けてみていくことで、具体的な解決方法が見えやすくなってくる、というものです。
これを聴いて、なるほどなーと思いました。ACEはこれまで、NVC(非暴力コミュニケーション)をベースとした研修を行ってきたので、3と4のスキルは組織としても高まっていると思います。でも、1や2については、これまでこの部分の能力を伸ばしたり、皆で仕事の進め方をそろえたり等はしてこなかったエリアであると思いました。今回の研修ではとくにこの1・2に関係する能力を高めないと、ホラクラシー運営の前提となるセルフ・マネジメントが成り立ちません。
それと関係して、「ローレーションシップ」という新しい言葉も出てきました。
ローレーションシップとは、ロール同士の仕事のしかたで、ロール(仕事)と人を分けて考えるということです。つまり、ロール同士のコミュニケーションと、人としてお互いを大切にするコミュニケーションを分ける、ということです。
たとえば、何かしらの組織内締め切りがあって、それを提出していない人がいた場合、ついつい「○○さんも忙しそうだし、今リマインドするのも申し訳ないかな・・・」とか考えてしまいがちなんですが、そこは「ロール」として、思いやる心とは切り分けて、任務遂行する、ということです。
また、受け取る方も「ロ―ルとしてこの人は発信しているんだ」と受け取る、ということです。
実際にやってみようと思うと、なかなかに難しい場面もあるのですが「ロールとしてお伝えしますね」ということで、お互いいいやすく・うけとりやすくなる部分もあるかな?と思いました。
このLOSの考え方、子育てにもちょっと当てはめて考えられるなぁと思いました。
実は、私の子どもたちは「学校に行きたくない」ということが頻繁にあります。が、特に日本でワンオペをしていて、まだACEが事務所があったころには1.オペレーション上、子どもを1人で家に置いていくことをしたくない という事情がありました。2.のガバナンス上は、一応、「学校に行くのが子どもの仕事」と位置付けているので、その仕事を果たすことが子どもたちには求められています。しかし、3.の関係性のスペースとしては「行きたくない気持ちがあるのはわかったよ」と、気持ちを一旦受け取ります。そしてそのとき、4.個人のスペースでは「子どもの気持ちを優先するか」「自分の仕事を調整するか」「リスクをとって子どもを1人で置いていくか」「子どもを学校に行かせることすらできない私は母親失格なのか・・・」などなど、直面している状況に応じてどの選択肢をとるかの選択と、感情の中でものすごい葛藤が起きています(笑)。
家庭内の「母親」ロールとしては、この頻発するテンションに、日々難しい選択を迫られているわけですが、その判断をするにたっての「ボスはパーパス」なので、、まずはうちの家庭のパーパスを定めないといけないんですね、ということに気づきました。
このような形で、組織運営にあたっていろいろみなで学び・気づきながらティール的な組織に向かっている現状をお伝えさせていただきました。ACEの活動の成果を出しやすくし、1人1人のスタッフの持つ力を最大限に引き出す結果につながることを意図し、その進化を遂げる2023年になることを期待しています。みなさまにとっても実りの多い1年となりますように!
2023年1月 ACE代表 岩附由香
※「岩附通信」は、会員・子どもの権利サポーターの方の特典として毎月1回配信しているコンテンツですが、配信から一カ月以上が経過したものは代表ブログにて一般公開しています。