【岩附通信vol.46】型にはめられるのが嫌なんです | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

児童労働のない未来へ-NPO 法人ACE代表 岩附由香のブログ(single-blog)

岩附通信

2024年11月30日

【岩附通信vol.46】型にはめられるのが嫌なんです

10月のカレンダーをめくるタイミングがもう来てしまったことに驚きを隠せない岩附ですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
ご支援・ご協力をいつもありがとうございます。

10月初めに、沖縄県に出張に行ってきました。
今年1月から通算8回目の沖縄出張の目的は、「沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクト」のイベントです。
こどもとおとなが対話する場として「うまんちゅしゃべり場」を企画し実施したのと、主に支援者向けの研修を那覇で行ってきました。

しゃべり場では、「うるま市が日本で子どものウェルビーイングランキング1位を獲得したとしたら、どんな感じだと思う?」というところから、
こんな風になったらいいな、というアイディアを出し、それに対してできるアクションを考えてもらう、というワークショップをやりました。

その中から、小学生の参加メンバーから出てきたアイディアが「ほんとうの100円ショップ」。
最近、100円ショップって200円とか300円のものが売っていたりもしますよね。
そうじゃなくって本当に全部100円という100円ショップがあったらいいのに!
というアイディアが出まして、いいね!という参加者からの声もあり、「11月の福祉まつりで実現しよう!」という運びになったそうです。
みんなで売ってもいいものを持ち寄って、100円で売る、ということのようなのですが、
そういう子どもたちから出てきたアイディアが実現化していくのを見るのはとても楽しいです。

10月は講演の機会が割と多く、母校の上智大学でも毎年この時期に講演をしています。
「市民による国際協力」という輪講(毎回講師が変わる)授業で、児童労働や子どもの権利にACEがどう取り組んでいるかという話をしています。

今回は講義が終わった後質問に来てくれた子から「すごく共感しました!」という声をもらい、どの部分かな、と聞いてみたら、
なんと私が入学した直後に大学がつまらなく感じて脱出するために交換留学に応募した、というところの「学校がつまらない」という部分でした(苦笑)。

期待が大きすぎたり、授業が思っていたものと違ったり、人それぞれつまらない理由も違うと思いますが、私はいま思えば学科の選択ミスだったなと思います。
でもそれでマイアミ大学に留学して、その帰りにメキシコに寄ったことで児童労働の場面と出会うわけですから、今思うとそれも必然だったのかもしれません。
実際は留学にいざいこうとなった2年生ではもう大学が楽しくなっていたのですから、本当に何がどう転ぶかわからないですよね。

そして10月24日発売のForbesで、今注目のNPOを50選ぶという企画があり、こちらにACEも選んでいただきました!
買おうとしたら1200円もしたので雑誌っていまこんなに高いの!と驚愕したわけですが、「選ばれてたね、おめでとう!」って会った方には言われたりするのと同時に、
この特集についてNPO仲間のSNSを見ているといろんな反応があり、それについて考えた結論が今回のタイトル「型にはめられるのが嫌なんです」になります。

極めて個人的な話になりますが、今でも思い出す体験があります。
通訳の学校に通っていた時のことです。
当時通っていた学校の先生とそりがあわず、その先生がいろんなことを決めつけて発言するのが気になっていました。
そんな中、「岩附さんはまじめなんですね!」と決めつけられたのがとても嫌で「まじめではありません!」と切れ気味に返した、という出来事です。
雰囲気を悪くしてごめんなさい・・とも、なんであんなに反応してしまったんだろう?とも思うわけですが、
どうやら私は「あなたはこういう人だ」と決めつけられるとそれに抗いたくなってしまうという性質があるようです。

NPOも、「非営利の活動をしている」というくくりでまとめられ、型にはめられがちな気がしています。
でも、最近思うのは、いろんなカタチがあっていいと思うのです。
NPOだからこうしなくちゃいけないとか、こうあるべきだ、という議論を押しつけられると、とても窮屈に感じてしまいます。
今回のForbesの特集も、「こういう特集に選ばれたりするのは東京のキラキラ団体ばかり」というコメントを見たりすると、
「キラキラってなに?!」っとそのくくり方や、あてはめられる事に、抵抗を感じてしまったりします。

と書いておいてなんですが、じゃあNPOだからなんでもいいのかといわれると、それもまた違う、と感じるのも事実です。
何が大事かといわれると、ACEの場合はそれが「ACE’s WAY 」に表されているように思っています。
起きている物事をシステムとして見ること、対話を重視すること、そして、権利ベース・アプローチ。
「人権」がACEの活動の根幹にはある、あってほしい、という感覚が自分に強くあるのと、
透明性とか民主主義とか公平性といったようなものも、物事や意思決定を行うときに気にかかる部分だなぁと感じます。
団体がどのような成果を出しているかだけでなく、そのあり方やプロセスも、自分にとっては大事なNPOの活動の一部なんだろうな、と思います。

民主主義といえば、衆議院選挙が終わりました。
みなさんは投票に行かれましたか?個人的にはこども基本法の策定過程で大変お世話になった議員さんが落選してしまうなど、残念な結果もありましたが、
国の政策を決定する場にいる国会議員の多様性が高まることは、良い傾向なのではないかと思っています。

これから政治の場でもいろんな議論が行われていくと思いますが「政治家だから」「○○党だから」と型にはめず、
ACEの提言内容に理解を示してくださる方を増やしていけるよう、努力していきたいと思います。

2024年10月31日 ACE代表 岩附由香

※「岩附通信」は、会員・子どもの権利サポーターの方の特典として毎月1回配信しているコンテンツですが、配信から一カ月以上が経過したものを代表ブログにて一般公開しています。

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