発想を変え、正しい理解で、前向きに取り組む -児童労働撤廃に向けて求められる企業の3つの姿勢-(2013/12/5セミナーご案内) | 世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)

児童労働のない未来へ-NPO 法人ACE代表 岩附由香のブログ(single-blog)

企業の社会的責任(CSR)

2013年12月2日

発想を変え、正しい理解で、前向きに取り組む -児童労働撤廃に向けて求められる企業の3つの姿勢-(2013/12/5セミナーご案内)

▼▼12/5 「ビジネスと児童労働」連続セミナー詳細 ▼▼       

https://acejapan.org/event/seminar131205//

いよいよ2013年12月5日より、ACEの新しい企画、「ビジネスと児童労働」連続セミナーを開始します。

いまなぜ、このようなセミナーを企画したのか、その意図と、いま企業に求められる姿勢を、お伝えします。

1.発想を変える ”関係ない”⇒”関係ある”へ

アインシュタインはこんな言葉を残しています。

「問題を解決するためには、問題の背景にある発想から抜け出さなくてはいけない。」

 

私は、「ビジネスと人権」の出発点もここからだと思っています。 「我々のビジネスに、人権問題は関係ない」という発想からまず抜け出すことです。

国連グローバルコンパクトの10項目の1つに「児童労働の実効的な廃止」があるのは偶然ではありません。2012年ユニセフ、セーブ・ザ・チルドレン、国連グローバルコンパクトがまとめた「子どもの権利と企業行動規範(Children‘s Rights and Business Principles)」の中に記された10項目の中にも2番目に「全ての企業は、あらゆる企業活動と関係性において児童労働の撤廃に向け貢献しなくてはらならない。」と記載されています。企業の社会的責任として、児童労働を実質的になくす一端が明確に求められています。

なぜこのような文書に必ず児童労働が入っているのか。

それはビジネスと児童労働が関係しているからです。ある産業で児童労働に取り組みはじめた時のはじめの課題は「存在の否定から、あることを認める」というステップでした。

これだけ長く、複雑化したグローバルなバリューチェーンの中で、世界に1億6800万人といわれる児童労働の問題がないと、言い切ることはできますか?

2.正しく理解する

今回ACEが企画し、12月から開始する連続セミナーでは、まず児童労働を正しく理解することからはじめます。

児童労働は全ての子どもの労働を指すのではありません。日本の場合、企業セクターだけでなく、国際協力に携わる関係者の間でさえ、児童労働の定義が正しく理解されているとは言い難い現状があります。

そして、その根本原因はどこにあるのかについても理解が必要です。なぜなら児童労働を撤廃するには、その根本原因の解決が必要だからです。

世界的な児童労働の現状、なぜ児童労働が起き、それが子どもにどのような影響を与えているのか、また児童労働撤廃に向けて、政府、企業、NGOが果たしている役割を学び、児童労働そのものの理解をすること。それを第1回のセミナーでは深めます。そして、企業としてどう貢献できるのか、具体的な方法を第2回「攻めのCSR」としてチョコレートの事例を、第3回は「守りのCSR」のとしてスポーツメーカーの事例を通じて学びます。

3.前向きに取り組むー”マネジメント”の定義を捉えなおす

アルゼンチンの企業約100社が構成する児童労働撤廃を目指す企業ネットワークの方の言葉を借りれば「児童労働撤廃の政策に寄り最も恩恵を受けるのは企業である」。このような取り組みは途上国に限ったことではありません。スペインにも、グローバルコンパクト加盟企業で児童労働グループを結成し活動をしています。国際社会では、企業が他のステークホルダーと協力して取り組むことは、もはや児童労働撤廃の”前提”となっています。

サプライチェーンマネジメントというと「やらねばならない」ことと捉えられている企業は多いと思います。マネジメントという言葉を「管理」ではなく「その持つ力を活かし、120%引き出す」と考え直すとどうでしょうか。”児童労働をなくし、持続可能な社会を作るのにいかに貢献できるか”、”サプライチェーンに関わる人を今より少し幸せにするにはどうしたらいいか”、この考え方ならワクワクしませんか?Do No Harm(害を与えない)だけでなくDo Some Good(良い変化をもたらす)ことに、シフトしませんか?

日本の人口が減少傾向にありマーケット拡大が難しい中で、「価格ではない差別化」「新たな海外進出」をいかにCSRを重視した「CSR経営」として実現できるか、これが企業のあらなた競争力につながるのではないでしょうか。第4回では児童労働という地球規模の課題解決に、企業としてどのようにエンゲージメントできるのかを共に考えます。

4.トラブルシューティングから、”賢明な企業”へ

アインシュタインの言葉をもひとつ紹介させてください。

“A clever person solves a problem. A wise person avoids it.”
                            ― Albert Einstein

私の訳は:

頭の良い人は問題を解決する。 賢明な人は、その問題が起きないようにする。

 

これはまさに人権デューデリジェンスの必要性と”予防”の重要性を指摘している言葉だと思います。児童労働の問題が起きて、トラブルシューティングに忙殺される前に、本セミナーを通じ、「賢明」な日本企業が増えることを、期待しています。

 

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      ▼▼「ビジネスと児童労働」連続セミナー詳細 ▼▼

    >>> https://acejapan.org/event/seminar131205// <<<   

「ビジネスと児童労働」連続セミナー
第1回[入門編]~世界の最新動向とサプライチェーンの児童労働~

御社の人権や児童労働に対する対策は大丈夫ですか?

2013年9月に国際労働機関(ILO)が発表した世界の児童労働者では、 2008年から4700万人も減少し、「約1億6800万人」となりました。 そんな現状と児童労働への対策を行ってきた企業の実践事例をご紹介する 連続セミナーを企画しました。第一回目は、児童労働問題の入門編として、 児童労働の最新推計と、2013年10月にブラジルで開催された 「児童労働国際会議」で発表された各国企業の取り組み事例をご紹介します。

【第1回 セミナー概要】

 日 時:2013年12月5日(木)15:00~17:00  
 場 所:ハロー貸会議室品川(東京都港区高輪3-25-18 関ビル3F 3A号室)
     JR「品川」駅 高輪口徒歩2分( http://goo.gl/maps/Af8Gc
 参加費:5,000円(※ACE法人会員および全4回参加の方4,000円)
 定 員:30名(先着順)
 講 師:岩附由香(認定PO法人ACE 代表/児童労働ネットワーク 事務局長)

【プログラム内容(案)】

・今さら聞けない、児童労働がビジネスのリスクになる理由  
・児童労働の最新推計と動向  
・2013年10月開催のブラジリア「第3回児童労働国際会議」報告  
・質疑応答etc

【こんな人にオススメ】  
・自社のビジネスに対し児童労働がどのようなリスクになるのか知りたい方  
・自社の人権リスク対策を検討・実践に携わっている方  
・ISO26000や人権デューデリジェンスの理解を深めたい方

【今後の連続セミナー(案)】  

※2回目以降はゲスト講師をお招きし、実践事例をお話しいただく予定。  

第1回:2013年12月(入門編)      
世界の最新動向とサプライチェーンの児童労働  -最新推計、動向と企業の児童労働への取り組み事例-

第2回:2014年3月 (マーケティング事例編)      
チョコレートから考える、ソーシャル消費の理論と実証(仮) -企業とNGOの実践事例から-

第3回:2014年6月 (リスク対応事例編)     
NIKEが直面した児童労働問題(仮)  -企業の対応の在り方-

第4回:2014年9月 (ワークショップ編)      
サプライチェーンの児童労働(仮)-コットンのワークショップから考える社内での対応実践-

【申込方法】〆切:12/3(火)
▼ ACEウェブサイトの「申込フォーム」からお申込みください
https://acejapan.org/event/seminar131205/ 

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