【ガーナ便り】発効に向けた、最後の全国会議を開催!チャイルドレイバー・フリー・ゾーン認定制度、いよいよ大詰めです!
みなさん、こんにちは。ACE事務局長の白木朋子@ガーナです。いつもACEの活動へ温かいご支援、ご協力をいただきありがとうございます。
ACEはカカオの生産地域から児童労働をなくすことをめざした「スマイル・ガーナ プロジェクト」を2009年からおこなっています。一昨年の11月からは、ガーナ国内に『チャイルドレイバー・フリー・ゾーン(児童労働のない地域、略してCLFZ)』を認定して広げていくための制度づくりを、ガーナの雇用労働省(MELR)と一緒に進めてきました。
2020年1月28日には、ガーナの首都アクラにて、「チャイルドレイバー・フリー・ゾーン」の定義や条件、審査方法などを定めたガイドライン文書の発効に向けた、最後の全国会議が開催されました。
会議の参加者は、ガーナの児童労働撤廃に向けた国家計画のもとに設置されている、「児童労働に関する国家運営委員会(NSCCL)」のメンバー(各中央省庁の代表者)や、制度の運営にあたり重要な役割を果たす地方自治体の代表者のほか、企業、NGO、労働組合などの関係者で、60名ほどが集まりました。
会議は、イグナチウス・アウア雇用労働大臣の熱のこもったスピーチに始まり、ガイドライン文書の概要説明の後、文書を4つのパートに分けてグループに分担し、内容について確認、議論するグループワークを行いました。グループワーク後は、各グループから出たコメントや修正案を共有し、全体で質問や議論が交わされました。
このガイドライン文書は、2018年11月のキックオフの全国会議に始まり、地方自治体レベルでの会議などをおこないながら改良を重ねてきているものです。各グループでは文章の細かいところまで丁寧に確認がなされ、新たな制度をより良いものとして確立させたいという参加者の強い期待を感じました。
2日後の1月30日には作業部会が開催され、28日の会議で出た意見や修正案を取りまとめ、文書の最終ドラフトを仕上げる作業を行いました。作業部会メンバーは朝10時から夕方4時まで会議室にこもり、昼休憩もまともに取らずに最後まで、根気強く修正作業をおこないました。
まだいくつか細々とした整理や確認が残っていますが、文書はほぼこれで完成!最終調整を経て、雇用労働大臣の承認を受けたのちに完成となり、いよいよ3月中旬にはお披露目、運用開始となる見込みです。
2018年11月からの1年強の期間、ガーナへの渡航は5回を重ねました。ガーナの中央政府機関との連携による制度づくりという初めての試み。初めて尽くしで先が見えず、本当にできるのか?と不安になる時もありましたが、なんとかここまでたどり着くことができました。
このプロセスを支えていたのは、今回の制度づくりに関わったガーナの人たちの、「児童労働問題をどうにか解決したい」という熱意だったと思います。ACEとしても、毎年集められる資金が限られる中、自分たちが直接課題を解決できる小さな範囲に留まらず、少しでもインパクトを広げられるように、これまでのプロジェクトの経験を活かせればとの思いで取り組んできました。
新しいガイドライン文書ができることにより、中央政府、地方自治体、地域コミュニティ、NGO、企業など、児童労働の問題に現場で関わる人たちがひとつの方向に向かって力を合わせ、大きな流れとなって本質的な問題解決が進むようになることを願っています。
今回の取り組みに対し、最初のプロセスから資金的、専門的な支援を提供いただき、ガーナにも何度も足を運んでいただいている、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社のみなさま、そして、いつもACEの活動にご支援をいただいているみなさまには、あらためて心より感謝申し上げます。
ひとまずのゴールまであと少し!ですが、まだまだたくさんの力が必要です。チョコ募金へのご寄付を通じて、カカオ生産地での子どもや農家の支援、ガーナでの制度づくりを支えていただけます。みなさまの引き続きのご支援、ご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。
2020年1月31日
認定NPO法人ACE 事務局長
白木朋子
*1月30日付のガーナのウェブニュースに今回の会議の様子が取り上げられました!
Ghana losing fight against child labour – Minister
本件に関連した活動報告はこちら:
2019.08.08【ガーナ便り】児童労働フリーゾーン実現に向けてのガーナ政府との取組み
2018.12.03【ガーナ便り】チャイルドレイバー・フリー・ゾーン認定制度づくりに向けた大きな一歩を踏み出しました!
ガーナの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!
- カテゴリー:報告
- 投稿日:2020.02.03