幸せへのチョコレート

【ガーナ便り】コミュニティ活動計画を作ろう!

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こんにちは!ガーナ担当スタッフの赤堀です。今年になり初めてのガーナ便りです。

ACEはガーナのカカオ生産地で、危険な労働にさらされている子どもたちを守り、教育を支援する「スマイル・ガーナ プロジェクト」を実施しています。

去年の12月には、プロジェクトで支援していた村のカカオ豆を使った「アニダソチョコレート」を数量限定で販売開始しました!1枚につき500円がプロジェクトへの寄付となります。隠し味の八丁味噌の香りも感じながら、ガーナの村の子どもたちやカカオ農家さんに思いをはせて、味わっていただけたら嬉しいです。

さて、プロジェクトが活動をしている2つの村では、子どもたちがカカオ農園で働かなくてもよい環境にするために、「コミュニティ活動計画」なるものを作成しようと住民が動き出しています。

住民自身が子どもを守る環境づくりを

コミュニティ活動計画とは?

今年1月、現在活動している2つの村で、コミュニティ活動計画を作成するためのワークショップ(研修)を行いました。コミュニティ活動計画とは、村(コミュニティ)で児童労働を解決するために必要と思われる活動と、その実施計画が記載されたものです。コミュニティ活動計画の作成は児童労働フリーゾーン(CLFZ)の指標の一つにもなっていますが、プロジェクトではこの活動計画を活用して、コミュニティ住民自身が継続して子どもを守ることができる環境作りをしようと試みています。

前回のガーナ便りでもお伝えした通り、プロジェクトでは経済的に困窮している家庭の子どもたちに学用品を届けたり、週5日のうち水~金曜日の学校給食を支援したりしていますが、プロジェクト完了後は、コミュニティ住民自身でこれらの活動を継続していってほしいと考えています。そのような活動が継続されることで、子どもが働くのではなく、学校に通い続けることができると考えるからです。

児童労働を解決するために取り組むべき村の課題と解決策

ワークショップには村の長老会や子ども保護委員会(CCPC)のメンバー、学校の教員や学校運営委員会(SMC)、PTAの代表などが参加しました。

「児童労働を解決するために取り組むべき村の課題は何ですか?」というプロジェクトスタッフからの問いかけに、住民たちは以下のようなことを話してくれました。

  • 子どもたちが学校で楽しく過ごせるような環境が十分整っていない。
  • 教員の宿舎が村にないこと。教員が村の外に住むしかなく、村まで通勤するのに時間がかかり、授業の開始時間が遅れる時があるため。
  • 一部の住民の、児童労働の危険性や教育の大切さについての意識の低さ。
  • 保護者が子育てで直面している困難について尋ねる機会が少ないこと。
  • 子どもたちの感じている課題を知る機会が少ないこと。

「児童労働を解決するために取り組むべき村の課題は?」という問いかけに返答する住民(写真右)

課題に対してどんな活動が必要なのか、白熱する議論

次に、これらの課題への解決策として、コミュニティ活動計画にどのような活動を盛り込むかを話し合い、以下の活動案が出されました。

  • 住民同士でお金を出し合って、住民が負担する学校給食の実施日を増やす。
  • 住民による、経済的に困窮した子どもたちへの学用品の供給。
  • 教員宿舎の建設 。
  • 村の学校の子ども用の机と椅子の修理。
  • 児童労働の危険性についての啓発活動の継続。

ワークショップには自治体の職員にも同席してもらい、コミュニティ活動計画を実施する際に活用できる自治体の助成金についても解説してもらいました。プロジェクトからは、住民が寄付を募りコミュニティ基金を設立して、各活動の実施資金とすることも提案しました。コミュニティ基金にはプロジェクトからいくらかの運転資金を提供し、プロジェクトが終了するまでに住民の寄付のみで基金が成り立つようにすることを目指したいと考えています。

自治体の助成金について説明する自治体の職員

 

ワークショップは活動案を出すところまでで終了しましたが、2~3月にかけて、住民は何度か話し合いの場を設けて、各活動を誰が担い、いつまでに実施するのか、そのための予算はいくらかかり、どのように資金を調達するのかなどを盛り込んだ活動計画を作成中です。コミュニティ住民自身が継続して子どもを守れる環境を作るために、一歩ずつ進んでいきます!

副収入を得るための稲作研修

子どもたちがカカオ農園で働かなくてもよい環境にするためには、子どもの保護者であるカカオ農家の収入が向上し、各家庭で子どもの教育に必要なものを買い続けられるようになることも重要です。

プロジェクトでは子どもがいる貧困家庭の保護者を対象に、今月から稲作の研修を開始します。研修には郡の農業省の職員を講師として招き、整地方法や苗床管理、病虫害の対策など、実践を含めて稲作についての幅広い知識を学びます。

稲作のデモンストレーションを行う農地を確認するプロジェクトスタッフと農業省職員

稲作研修について農業省と協議

この研修を通じて家庭の収入が向上することにより、学用品や給食費が賄えるように、また、コミュニティ基金への寄付もできるようになることを目指していきます!

稲作研修の受講希望者から家庭の状況を聞き取り、受講者を選定

 

来月にはカカオの栽培研修も実施予定です。これらの研修の様子は、次回のガーナ便りでお伝えさせていただきます!

このような活動は、みなさまからのご寄付で支えられています。子どもたちの学校生活をこれからも守っていけるよう、今後とも、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

ガーナ担当 赤堀 友希

ガーナの子どもたちを笑顔にするために
応援よろしくお願いします!

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2024.03.19