インドで子どもに会って考える旅~スタディツアー2012報告(3)

インドで子どもに会って考える旅~スタディツアー2012報告(3)

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2012年度、ACEインド・スタディツアー報告第三回目は、UNICEF(国際連合児童基金)インド事務所への訪問と、フェアトレード団体「タラ・プロジェクト」の活動、ツアー参加者による振り返りの様子について報告します。

UNICEF(国際連合児童基金)インド事務所訪問

UNICEFとは

ACEインド・スタディツアー2012世界中の子どもたちの命と健康を守るために活動する国連機関です。今回は、児童労働を含む子どもの権利保護のためのプログラムについて話を聞いてきました。

ユニセフ・インド事務所では、子どもの権利保護のためにインド国内の15の州(主に農村地域、コットン・紅茶生産地など)でプログラムを展開しています。中央・州・地区レベルの政府による政策の中で、子ども権利に関わる行政制度が効果的になる技術的な支援を行っています。

ユニセフ・インド事務所の主な活動

  • 子どもの保護に関する政策の強化
    子どもの権利や保護措置についての行政担当者の訓練などを行う
  • 質の良い基礎教育の普及
    義務教育を徹底し、教育の質を上げるための教員訓練などを行って中途退学を防ぐ
  • コミュニティのエンパワーメント
    子どもの権利や教育の大切さ、行政制度などの情報・知識を伝え、コミュニティ全体で改善に取りくめるよう住民の能力強化を図る
  • 社会保護とのつながり強化
    貧困層など社会的に弱い立場の家庭が行政による支援を受けられるようにする

インドでは児童労働の問題を解決する上で、様々な課題もあります。例えば、子どもの権利や教育への理解が不十分なこと、政府の政策における子ども保護の優先順位が低いこと、親の季節労働により子どもが移住し未就学となること、女子差別により女子は多様な機会から排除されてしまうこと、質の良い教育を確保するための教員が不足していることなどです。子どもに対する社会的な見方・考え方を変え、子どもの権利に基づいた取りくみが推進されることが重要です。

タラ・プロジェクト訪問

タラ・プロジェクトとは

タラ・プロジェクトは、生産者が搾取されない貿易(取引)によって社会を変えることをめざすインドのフェアトレード団体で、経済的に不利な状況に置かれる職人の自立を支援するため、1970年から活動を始め、主に手工芸品の生産・販売を行っています。「世界フェアトレード機構(WFTO)に加盟し、国内では「インド・フェアトレードフォーラム」の設立メンバーでもあります。

フェアトレード商品の生産、販売 (多くは海外に輸出)

  • 職業機会の提供、技術訓練
  • 生産者の家族の生活向上(教育、健康保険、環境保護、マイクロファイナンス、啓発活動)
  • 児童労働防止のための啓発、アドボカシー活動
  • 子どものための教育支援(学習センター、教育費支援)

職人の方のおはなし(1)  スニタさん(女性)

「タラ・プロジェクトのもとで働けるようになってから、私の人生は変わりました。昔は努力しても生活を良くすることができず、生きがいもありませんでした。字が読めず、バスに乗ることもできませんでした。でも今は、教育や仕事の機会を得たり、自分の権利を知るようになりました。自信を持てるようになって、うれしいです。また昔は自分のことも良くすることができませんでしたが、今は自分のことも他人のことも助けられるようになりました。」

職人の方のおはなし(2)  モスミンさん(女性)

「私の村では、女性は外出できないし、他人に顔を見せることができず、外の世界がどんなものか知りませんでした。自分の意見を言うこともできまでした。でも今は、自分がしている仕事について全部分かります。また職場でも、意見を言えるようになりました。」

フェアトレード商品の生産現場を訪問した参加者の感想

商品の作成や販売だけでなく、労働に関する幅広い取り組みをされていました。スニタさんなど他の生産者の方の話の中でも「今は生きがいを感じている」という言葉を何度も聞き印象に残りました。日本人を含めた先進国の人々の買い物の仕方が変われば、変えられるものや救えるものがたくさんあるのだと感じました。(20代女性)

ACEインド・スタディツアー ACEインド・スタディツアー
素敵な商品がいっぱいでした! 一生懸命に作業進めるスタッフさん

 

スタディツアーの振り返り

全ての訪問が終わった日の夜、参加者全員でこれまでのツアーについて振り返る時間をもちました。ツアー中に学んで感じた貴重な考えを、日本に帰る前にしっかりと自分たちの中でまとめて整理するためです。

それぞれの訪問先について、よかったこと、課題と提案、疑問など考えました。また、参加者の一人一人が、このツアーを通して「自分には何ができるか」ということを考えました。いくつか、参加者の「自分には何ができるか」を紹介します。

ACEインド・スタディツアー ACEインド・スタディツアー
全員が積極的に意見を出し合いました

  • 大学生の自分に今何ができるかを考えたとき、「伝える」ことが一番。伝えていくことで情報をつなげていって、児童労働に関心を持ってくれる人を増やしたい。(20代女性)
  • 一人の消費者として、ただ安いものを買うのではなく、一度良く考えて買い物をする。(20代女性)
  • 児童労働を使っていない取引先から購入する。子どもにやさしいビジネスをしていく。(20代女性)
  • ツアーに参加し、児童労働の問題を現地で見てきたこの経験が自分にとっての第一歩。児童労働の問題を様々な視点からとらえ、さらにもう一歩踏み込んだactionを起こす!(20代男性)

 

ACEインド・スタディツアー2012
スタディツアーで学んだこと、感じたことを今後に生かしていきます!

報告:国際協力事業インターン 横田 美希

インドで子どもに会って考える旅~スタディツアー2012報告

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2012.11.15