子どもを児童労働から守るための啓発活動を続けています

子どもを児童労働から守るための啓発活動を続けています

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ACEは、子どもを児童労働から守るための啓発資料3種類(中学生用、高校生用、おとな用)作成し、配布しています。2021 年4 月から2022 年5 月15日まで、NPO法人アーユス仏教国際協ネットワークさんから助成金「2021年度『街の灯』支援事業(特別枠)~コロナ禍を乗り切るための支援~」をいただき、コロナ禍において子どもの権利を奪うような労働から子どもたちを守るために活動しました。

新型コロナウイルス感染症拡大で、行動制限、学校閉鎖、飲食店の営業自粛などがあり、経済的・精神的に厳しい状況に追い込まれている人たち多くいます。ACEにも、定時制高校生から「アルバイトが見つからない」「シフトを減らされた」「アルバイト先が休業して仕方なく辞めた」「仕事がなく生活が苦しい」という声が届きました。

経営が厳しい事業主は違法な労働条件で人を雇ったり、家庭の経済状況が悪くなった子どもたちは違法な労働条件でも働かざるを得なくなったりする懸念がありました。実際、高い報酬に惑わされて特殊詐欺など犯罪に巻き込まれて、逮捕された高校生もいました。

学校では、労働基準法など働く人を守るルールを学ぶ機会が少ないので、ACEの啓発資料を通して多くの子どもたちに働く人を守るルールをお知らせする活動を行っています。

啓発資料の配布

「知ってる?働く人を守るルール」(中学生向けハンドブック)

新学期にあわせて、2021年4月7日に「知ってる?働く人を守るルール」発行についてのプレスリリースを発信し、ACEのSNSや子ども支援者のネットワークのメーリングリストなどで、全国に周知を図りました。

関係省庁(文部科学省、厚生労働省、法務省、経済産業省)、子ども支援団体、メディア、中学校、高校、フリースクール、少年院・少年鑑別所、児童養護施設、自立援助ホーム、子どもの居場所などに計4000部を送付しました。

日本労働組合総連合会と日本教職員組合のご協力を得て、全国の支部に発送していただきました。

沖縄県では、県教育委員会からハンドブックを案内する通知をすべての公立中学校に出していただきました。また、中学校、高校、児童相談所、青少年センター、就労支援センター、児童館、公民館、子ども支援団体などにも配布しました。

「あなたのアルバイトは、だいじょうぶ?」(高校生向けリーフレット)

沖縄県の公立の定時制・通信制高校のすべての生徒さんに、2019年度からお届けしていて、2021年度も新1年生に配布しました。「来年度も送ってほしいです」という先生からのご要望もあるなど、好評です。また、沖縄県の一部の全日制高校、大阪府の定時制高校、フリースクールなどにも送付しました。
2022年度には、沖縄県の県教育委員会からリーフレット案内する通知をすべての公立高校に出していただくことになりました。

「あなたの職場で、年少者の労働環境が守られていますか?」(おとな向けリーフレット)

企業の人たち、沖縄県の高校の先生などに配布しました。

 

「知ってる?働く人を守るルール」発行にあたって勉強会を開催しました

「知ってる?働く人を守るルール~子どもが違法な労働に巻き込まれないための勉強会~」開催(2021年8月12日@オンライン)

夏休み期間中に、沖縄県の人たちを対象におとな向けと子ども向けの勉強会をそれぞれ午後と夜に、沖縄県のNPOちゅらゆいさんと共催しました。本当は対面で行いたかったのですが、新型コロナウイルス感染対策で緊急事態宣言が発令されていたため、オンラインでの開催となりました。
子どもにかかわっているおとな向けの勉強会では、ハンドブックの内容を説明した後に、グループで疑問点、感想、児童労働の事例などについて話し合ってもらいました。グループワークからは、①おとな(親、先生、使用者など)と子ども(中学生など早い時期に)、両方への啓発が重要、②社会全体で家庭へのサポートを行うことが重要、という意見が多く出ました。
子ども向けの勉強会のグループワークでは、実際の求人広告を見て、疑問点や気になる点、そしてだいじょうぶそうなバイトか、怪しそうなバイトかについて話し合ってもらいました。見落としがちな細かい点についてまで指摘があり、求人広告を見る時に大事な点に注意が向けられていました。アンケート結果から「同じ求人を見ててもそれぞれ違う角度から見ていておもしろかった」「みんなで求人広告を見て、少しでもよさそうな場所を見つけられる方法があるんだなと思いました」など好評で、「労働基準法について知れたのはよかった」という感想もありました。

→詳しくは、こちらをご覧ください。
https://acejapan.org/info/2021/08/57551

セミナー「子どもが違法な労働に巻き込まれないために考えよう!」を開催しました(2022年2月23日@オンライン)

全国で子どもを支援している人たちを対象として、日々子どもに接している育て上げネットの工藤啓さん、東京外国語大学の小島祥美さん、川崎市ふれあい館の鈴木健さん、3名のスピーカーとモデレーターにちゅらゆいの金城隆一さんによるによるトークセッションで、違法な労働に従事させられている子どもの事例やその対応などを共有してもらいました。

次に、ACEから日本の児童労働に対する取り組みとハンドブック「知ってる?働く人を守るルール」を紹介しました。そして、グループワークでは、児童労働の事例やどんな対応をしたのか、ハンドブックをどう活用できるか、についても話し合ってもらいました。

アンケートでは、全員が「日本の児童労働について理解が深まった」と答え、日々子どもとかかわっているスピーカーの現場での話がとてもよかったと書かれていました。ハンドブックの活用法についても、中学生だけでなく、ブラックバイトを防ぐためと雇用側になることもあるために大学生へ、雇用主へ、学生の悩み電話相談の相談員へなどへの配布というアイデアをいただきました。

→詳しくは、こちらをご覧ください。
https://acejapan.org/info/2022/03/346142

アーユス「第3回街の灯トーク」登壇(2022年1月18日@オンライン)

アーユス仏教国際協ネットワークの枝木美香さんのモデレーションのもとに、ACEで日本の児童労働を担当している岩附由香と太田まさこが日本の児童労働問題の現状と課題、沖縄でのACEの取り組み、今後への展望などについてお話しました。


ACEが作成した啓発資料の配布とセミナー開催などを通して、日本に児童労働が存在すること、どんな労働が児童労働なのか、児童労働の要因について、知ってもらうことができました。そして、日本から児童労働をなくすために取り組んでいく必要があるという参加者の想いが感じられました。

子どもを支援しているおとなが、違法な労働について理解を深め、子どもを児童労働から守るサポートが行えるように活動を続けていきます。

これからも、みなさまのご支援・ご協力をよろしくお願いします!

世界の子どもの笑顔のため、世界を変える小さな一歩を。

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2022.06.30