【沖縄便り】子どもの権利を、もっと身近に。うるま市/沖縄県社協での「子どもの権利実践研修」実施報告

【沖縄便り】子どもの権利を、もっと身近に。うるま市/沖縄県社協での「子どもの権利実践研修」実施報告

こんにちは。スタッフの田柳です。
ACEでは、沖縄県内の子どものウェルビーイング向上を目指す「沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクト」を、子ども・若者の居場所を運営する一般社団法人URUFULL、NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆいと共に行っています。

2025年5月から6月にかけて、沖縄県内で「子どもの権利実践研修」を開催する機会を2回いただきました。

1回目は、うるま市で居場所支援に関わるみなさんを対象に。
2回目は、沖縄県社会福祉協議会主催のもと、児童館で働く職員の方々とともに。

どちらの研修も共通して、「子どもの権利」と「こども基本法」の考え方を土台に、子どもの権利を尊重した行動・対話を実践したり、子どもの安心・安全を守るために、おとなができることを学び・語り合う場となりました。

当日のプログラム(うるま市研修では時間の都合で「7.気持ちと願いを感じてみよう」は割愛)

 

2つの研修、それぞれの現場から

2025年5月14日のうるま市主催の研修では、市内で子どもの居場所づくりに取り組む団体職員や支援員、中部地域のコーディネーターなど、子どもたちの身近な存在であるみなさんが集まりました。

一方、6月27日の沖縄県社会福祉協議会による研修では、児童館に勤務する職員(館長・児童厚生員など)を対象に、同じ子ども支援でも少し異なる立場から、実践に活かせる視点を深めていきました。

どちらの研修も、自己紹介とアイスブレイクからはじまり、自分自身の子ども時代の「ウキウキ」したことと「モヤモヤ」したことを振り返ることで、子どもにとっての日常でのおとなとの関わりの大切さや、関わりの中にある影響力について、考えるきっかけを提供しました。

参加者同士の学びと共感がうまれた場

どちらの研修でも、「子ども・若者のセーフガーディング」への関心の高さが印象的でした。

うるま市の方ではACEが伴走支援を行いセーフガーディングを導入した団体の方から実体験を共有する時間を設けました。「最初は行動規範の内容に戸惑ったが、居場所の考えの軸ができて職員も子どもも守れるものだと感じた」「行動や子どもとの関わりで迷った時の目印になり、1人で迷わずにすむようになったことを実感した」「職員間の情報共有の仕方や頻度が変わった」と語られ、聞いていた参加者の方々のうなずき・表情やアンケート回答から、セーフガーディングの必要性や取り入れることの良さをしっかり受け取っていただけていると感じました。

一方、児童館職員を対象とした研修では、同じ立場だからこそ共感し合える空気が会場に広がっていました。

研修タイトルに「自分を守って子どもも守る~児童館職員のための子どもの権利研修~ 」と銘打っていたこともあり、「気持ちと願いを感じてみよう」のワークでは、子どもと接する際の自分自身の想いや大切にしたいことに目を向ける時間を設けました。児童館職員のみなさんの日ごろのご苦労・子どもとの接し方に迷った体験談は、私たちも「それは難しいですね…」と頭を抱えてしまうものばかりで、グループで一緒に共感しながらその時の感情や大事にしたかった願いに目を向けました。

感想からは「自分の事・気持ちは後回しにしてしまうことが多いが、もう少し自分の気持ち・やりたい事に目を向けようと思う。」「ダイアログカードで見える化し頭と心の整理ができ、とても良かった。」「普段の関わりの中で、おとなの都合で子どもの思いを後回しにしていたのかも…と気づきました。」という感想が聞かれ、子どもと、関わるおとな両方を大事にした接し方のヒントを得ていただけたと実感しました。

ダイアログカードを使ってワークをする様子

 

どちらの研修も、ロールプレイでは笑いも交えながら楽しそうに取り組む様子が見られ、グループワークでも活発なやりとりが続き、参加者のみなさんの積極性を感じる場面が多くありました。

子どもの権利が、地域に根づいていくように

この「子どもの権利実践研修」のプログラムは、沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクトが始まる以前からACEで開発を重ねてきたものでした。

開発当初から、「いつか自治体主催の研修や地域組織の研修で活用されるようになったらいいな」と思い描いていたことが、今回こうして実現したのは、大きな一歩だと感じています。

ACEがこのプロジェクトを行えるのも、日ごろから支えてくださるご支援者、活動に参加してくださるみなさんのおかげです。ご支援・応援をありがとうございます。

今後さらに沖縄県の自治体や団体主催の研修でこのプログラムが広がり、子どもたちと関わるおとな一人ひとりが、子どもの権利を「知っている」から「日々の関わりで活かす」へと進んでいけるよう、今後も現場と共に学び実践を重ねていきたいと思います。


沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクトについてはこちらから:沖縄県での活動「沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクト」

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2025.08.25