2025年11月30日
【岩附通信vol.58】新しいことをはじめる時の揺れと恐れを越えて

継続的なご支援、ご協力をいつもありがとうございます。
怒涛の10月が終わろうとしています。振り返ってみると、今月はこれからはじめようとする「まだやったことのない、新しい取り組み」を同時並行で3つぐらい進めるというなかなかチャレンジングな1ヶ月でした。
きっとそう見えていないと思いますが、実は何か新しいことを始めようとするときは、結構心がざわざわしています。期待と不安が混じり合った、見えない波のようなものが押し寄せてきて、「これいけるんじゃない?」「やってみたい」「きっとできる!」とポジティブに思う日と、「失敗したらまずい」「うまくいかなかったら恥ずかしい」「なんでこんな大変ことを引き受けちゃったんだろう」という声がどこかから忍び込んでくる日があります。
昨日、私の頭の中にある新しい取り組みのイメージをまだ共有できていないスタッフからも不安の声がミーティングで出ました。それを受けて「じつは私もすごく不安」と思わず告白してしまったわけですが、そんな不安に駆られるときについ見てしまうYujiさん(毎日今日はこういう日ですよと投稿してらっしゃる、以前私がYujiさん主催のイベント「ホニャララライブ」にも出させていただいた、心のよりどころにしている星読み人)のX投稿を見たところ、
今日の星しらべ
10/30
足元が揺れたり、ぐらついたりするかもですが、 基盤がかわるとき、根っこを据えるところが変わる時って、まぁそんなもんだわね。 揺れに身を任せて、新しいところにフォーカスを当てると良き!の日
#新しいことにエネルギー向けちゃお! #いれかわり #新陳代謝
(@yujiscopeさんのポスト(https://x.com/yujiscope/status/1983538318840402231)より引用)
と書いてあり、「まさに!」で、星のめぐりあわせもそういっているんだから、と、心の揺れに身を任せつつ、やることやろう!っと切り替えることができました。
そんな夜が明けた今朝も、毎月やっている勉強会に出たところ、そこでの参加メンバーから「なぜ自分はこんなに大変なのに新しいことを次々やっているんだろうと思った時に自分の特性を知って納得した」との共有があり、これまた至極共感するやら励まされるやらで、朝からさらに前向きな気持ちになりました。
たまに「どうしてそんなに新しいことを次々と始められるのですか」と聞かれることがあります。ACEしかり、「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」しかり、何かを新しく立ち上げる時、エネルギーを発揮しやすい私ですが、実際には、新しいことを始めるたびに不安を感じています。同時に多くのことに興味を持ち、アイデアが次々と浮かんできても、本当に出来るかな、どう思われるかな、いくらなんでも新しいことを同時にはじめすぎ、などもう一人の自分が待ったをかけてきます。その「揺れ」も含め、動きながら考え、対話を重ね、試しながら修正していく。それが私にとっての「ゼロからイチを生み出す」方法なのかもしれません。
そして経営者でもある私にとっては、活動を作るだけでなく、資金調達、組織運営、人材育成、ガバナンスなど、現実的で複雑な課題にも頭を巡らせなくてはなりません。1日の中でいろんな帽子(役割)を被っては脱ぎ、また別の帽子を被っては脱ぎと、自分でも慌ただしいし、ひとつのことのじっくり取り組むことにものすごく憧れます(でも出来ません)。
社会的使命と経営的な持続可能性の両立はなかなか難しく、かつ私たちのように「社会の当たり前を変える」活動では、成果を数値で測ることが難しい局面も多くあります。支援や協力がいただけなかったり、活動が一時停滞したりすると、自分のやってきたことの意味を問い直したくなる夜もあります。そんなとき、私はいつも原点に立ち返るようにしています。――なぜこの活動を始めたのか。あのとき、どんな未来を描いていたのか。心が揺れるたびに、その問いが私を立て直してくれます。
恐れを乗り越えるもう一つの鍵は、「仲間の存在」です。ACEのスタッフや協働しているNGO仲間、パートナー企業、寄付者の方々、そして活動を支えてくださる多くの人々。一緒に挑戦してくれる仲間の存在が、自信をなくしそうになる私に勇気を支えてくれています。ゼロからイチを生み出す力は、一人のものではありません。小さな情熱が重なり合い、社会を動かす大きなうねりへと変わっていくのだと思います。
新しい挑戦を前にしたとき、恐れを感じるのは自然なことなのだと思います。ACEの活動も、最初は誰も知らないところから始まりました。それが今、国内外の政策や企業の行動を動かす力になりつつあります。もしあのとき、「怖いから」と立ち止まっていたら、この景色はなかったでしょう。
揺れながらでも、恐れながらでも構わない。
大切なのは、動き続けること。
完璧でなくても、一歩を踏み出す勇気を持ち続けること。
その積み重ねが、社会を少しずつ変えていくのではないか、と思います。
というわけでまだしばらくこの揺れと恐れともに歩み続ける期間が続きそうです。
大分寒くなりました。我が家は早速今月娘2人がインフルエンザ経験しましたが、巷で流行っているようです。みなさまどうぞお気をつけて、ご健康にお過ごしください!
2025年10月31日 ACE代表 岩附由香
※「岩附通信」は、会員・子どもの権利サポーターの方の特典として毎月1回配信しているコンテンツですが、配信から一カ月以上が経過したものは代表ブログにて一般公開しています。
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