幸せへのチョコレート

ガーナのカカオ生産地の調査を行いました

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甘くておいしいチョコレート。実はその原料カカオの7割は西アフリカのガーナから日本に輸入されています。

2008年2月、ACEの岩附、白木の2名がガーナを訪ね、今後ACEとしてどのような支援ができるか検討するため、カカオ生産地域の児童労働の実態を調べる現地調査を行いました。

ガーナのカカオ生産地域の村を調査

今回の調査では、カカオ生産を行っている3つの村に滞在しました。滞在した村では、ガーナの人にとって重要なイベントでもあるお葬式に出席させてもらったり、水くみをしたりして、村の人たちと交流したりと、どこもあたたかく迎えてくださいました。
村では、カカオ畑を見学させてもらったり、学校や家庭を訪問してのインタビュー、調査結果を村の人たちにフィードバックするワークショップなどを行いました。

カカオ生産地域の子どもたちが行う作業

カカオ豆の生産にはさまざまな作業工程があります。苗を育て、豆を収穫し、袋に詰めて、売る。子どもたちはこれらほぼ全ての工程に携わっていることがわかりました。カカオ生産地域での子どもたつの労働で、最も問題となっているのは、畑から家まで重たい収穫物を運ぶことです。畑から数キロ離れた家まで、頭の上に重い収穫物を載せて炎天下を歩きます。
長距離、長時間の作業によって、頭痛や足腰の痛み、慢性的な肉体疲労など、子どもの身体に大きな負担となっていることがわかりました。 子どもたちからは「疲れすぎて、次の日は学校に行けないこともある」、「頭痛がするので薬を飲む」などの声が聞かれました。その他、特に有害・危険と考えられる農薬散布、肥料の扱い、なたの使用も子どもたちが行っていることがわかりました。

ガーナの教育環境

今回訪問した3つの村に限らず、カカオを生産している村では、子どもたちの教育環境が十分に整っていないこともわかりました。大雨が降ったら崩れてしまいそうな壁のない校舎、椅子や机の不足、教科書もひとり1冊ずつなく家に持ち帰ることもできません。授業料は無料でも、制服やノート、ペンなどの学用品は各家庭で用意しなければなりません。貧しく、子どもが多い家庭では特に大変なようです。

調査を行った意義

今回の調査でインタビューしたカカオ農家の男性から「チョコレートを食べるだけでなく、原材料のカカオがどのような状況で作られているかを見に来てくれたあなた方は思慮深い、感謝します」と言われました。その期待を裏切らないよう、現地のNGOと協力しながらプロジェクトを立案し、日本でも提言を行っていきます。
今回の調査を元に、ワークショップ教材「おいしいチョコレートの真実」を開発しました。カカオ産業の児童労働をなくすために何ができるか考える体験型学習教材です。また、2007年度ACE総会の開催に合わせて、調査報告会と「おいしいチョコレートの真実」のワークショップを行いました。
チョコっと世界をのぞいてみよう~ガーナ報告会&チョコレートWS~
※ワークショップのやり方をまとめた教材セットは、ACEオンラインショップからご購入いただけます。
ACEオンラインショップ 教材「おいしいチョコレートの真実」

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  • カテゴリー:子ども・若者支援
  • 投稿日:2008.05.03