世界の児童労働ミニ講座
児童労働とは・・・Child Labour と Child Work
「児童労働Child Labour」とは、子どもの成長にとって害のある労働を指します。
子どもの労働すべてを指すわけではありません。
国際条約にしたがった定義としては、15歳未満(途上国は14歳未満、つまり義務教育を受けるべき年齢の子ども)の労働と、18歳未満の危険有害労働をさします。
ACEでは、以下の定義を用いて、児童労働(Child Labour)と子どもの仕事(Child Work)を区別して考えています。
*注:ここでは、「子ども」を「国連子どもの権利条約」にしたがい18歳未満の子どものことを指します。

世界で一番親切!?児童労働の数の解説〜2010年発表最新統計〜
国際労働機関(ILO)は「グローバルレポート」を発表し、4年に一度、世界の児童労働者数の推計を発表しています。2010年5月に発表されたグローバルレポート “Accelerating action against child labour” (邦題「反児童労働行動の加速化」)を基に最新情報を解説します。 2010年5月に国際労働機関(ILO)より発表された最新の児童労働者数は、2億1500万人(5歳-17歳)です。これは、世界の子どもの7人に1人にあたります。前回(2006年)は2億1800万人と児童労働者数が発表されていましたが、ILOは少なく見積りすぎたとして、今回の発表で2004年時点の児童労働者数を2億2200万人に訂正しています。
表1を見ると、世界の子ども人口は15億8620万人へ増加していますが、児童労働者数は2000年から少しづつ減ってきています。2004年と2008年の推計を比較すると、児童労働者の数は2億2200万人から約700万人減少し、-3.2%となりました。しかし、2000年-2004年の変化率は-9.5%を記録しており、減少のペースが落ちています。
表1:5歳-17歳の子どもの人口と労働人口の数位(単位:100万人)
| 2000年 | 2004年 (増減率) | 2008年 (増減率) | |
|---|---|---|---|
| 子どもの人口 | 1531.4 | 1566.3 (2.3%) | 1586.2 (1.3%) |
| 就労児童 | 351.9 | 317.4 (-8.3%) | 305.6 (-5.3%) |
| 児童労働 | 245.5 | 217.7 (-9.5%) | 215.2 (-3.2%) |
| 危険労働 | 170.5 | 126.3 (-24.7%) | 115.3 (-10.2%) |
児童労働の世界分布〜働く子どもの割合がもっとも高いのはアフリカ〜

グラフ1の5-17歳の児童労働者の地域分布を見ると、アジア・太平洋地域が児童労働者全体の53%を占め、児童労働者の数が最も多くなっています。次に多いのがサハラ以南アフリカ(サハラ砂漠より南に位置するアフリカ諸国)で、全体の30%を占めています。 一方、その地域の子どもの数に対する児童労働者の割合が最も高いのはサハラ以南アフリカです。4人に1人の子どもが児童労働に就いています。
世界の児童労働−産業別統計−〜約6割が農業分野〜

児童労働を産業別に見ると、農業分野が最も多く、全体の6割を占めます。2004年からの変化を見ると、農業が69%から60%に、工業が9%から7%に減少し、サービス業の割合が22%から26%に増加しました。セクター別の男女比を見ると、農業と工業ではそれぞれ62.8%、68.5%と男子が共に多数を占める一方、サービス業は、52.6%と女子が男子を上回っていることが特徴です。
ACEでは、2010年5月にILOから発表された児童労働の最新統計情報をまとめた、ワーキングペーパーを発行しました。より詳しい世界の児童労働の傾向を表やグラフを交えてお伝えしています。ACEオンラインショップより、お買い求めください。No.3では最新情報を、No.1では2006年のグローバルレポートの発表内容を紹介しています。
⇒ ACEワーキングペーパーシリーズNo.3 児童労働の撤廃へ向けた課題と日本ができること(2010年8月発行)
⇒ ACEワーキングペーパーシリーズNo.1 開発における児童労働の主流化(2006年発行)
児童労働を禁止する国際条約〜日本はすべての条約に批准〜
児童労働は、国際条約で禁止されているだけではなく、実は途上国政府のほとんどが児童労働を禁止する法律を持っています。国際労働機関(ILO)は、国際的な労働に関する条約をこれまでに作ってきました。1973年に最低年齢条約が出来たときは、この条約を批准(ひじゅん:守ると約束すること)する国は多くありませんでした。
しかし、1999年に最悪の形態の児童労働条約が新しく出来て、児童労働についての世界的な世論が高まったことで、138号条約も批准する国が増えました。
特に最悪の形態の児童労働条約は、ILO総会で満場一致で可決され、ILO史上最も早いスピードで批准国が増えた歴史的な条約になりました。日本は以下の三つの条約すべてを批准・締結しています。
最低年齢条約(ILO第138号、1973年)
- 働いてよいのは義務教育を終えてから(一般的に15歳。途上国は14歳でも可)
- 軽易な労働は13歳(途上国は12歳でも可)
- 健康・安全・道徳を損なうおそれのある労働は18歳
*2009年11月現在、ILO加盟国183カ国中、154カ国が批准.
最悪の形態の児童労働条約(ILO第182号、1999年)
「最悪の形態」とは以下のものを指します。
- 強制労働、債務労働、農奴、紛争での子ども兵士(強制的な徴兵)、人身売買
- 買春、ポルノ
- 麻薬の売買などの犯罪行為
- その他危険な労働(虐待にさらされる労働、炭坑内、水中、危険な高所や閉所での労働、危険な機械を使用する労働、化学物質や高温、騒音にさらされる労働、長時間労働、夜間労働、不当に拘束される労働など)
*2009年11月現在、ILO加盟国183カ国中、171カ国が批准
子どもの権利条約(国連、1989年)
子どもの権利条約は、子どもの権利を語る上で最も基本的な条約です。
「子ども」とは18歳未満のすべてのものさします。
この条約は、子どもの生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利を明文化し、子どもたちが生まれながらにして権利を持っていることを認めています。この中で、教育を受ける権利、経済的搾取から守られる権利なども明記されています。
児童労働基礎情報(総合の学習の時間や調べ学習などにぜひお使いください)
児童労働の基礎的な情報をA4両面にまとめたプリントです。





