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 ACEは、チョコレートの原料カカオの産地ガーナでの児童労働の問題を日本の消費者に伝え、
 チョコレートの販売や募金活動、イベントを通じてガーナの子どもたちの支援へつなげる
 「しあわせへのチョコレート」プロジェクトを2009年2月から開始しました。



ACEでは、2008年2月にガーナのカカオ産業の調査を行いました。ガーナ・カカオ産業の調査報告

ガーナで調査し分かった事実や農家の生の声を受け、チョコレートと児童労働に関する学習教材を開発し、2008年9月からオンラインショップで販売を始めました。
 ⇒教材「おいしいチョコレートの真実」
 

特集記事「チョコレートと児童労働」

2007年2月1日

バレンタインデーが近づいてきました。バレンタインデーといえば、チョコレート。チョコレートというと、みなさんは何を思い浮かべますか?駄菓子屋にある1粒20円のものからデパート等で売っている1粒数百円のものまで、チョコといっても幅広い種類がありますが、それらに共通しているのが、その原材料、カカオです。そのカカオにまつわるビターなお話について、ご紹介します。

チョコレートの由来

実はカカオは2000年の歴史を持つ食べ物で、正式名はラテン語で「神々の食物」という意味。通貨として使われていた(うさぎ1匹=10ココア、等)こともある貴重なものでした。カカオの木は赤道から南北15度以内の地域でしか育たないのですが、16世紀にスペインに持ち込まれ、王族の飲み物としてヨーロッパに流通した後、1828年にオランダでココアパウダーが開発されると、1875年にはスイスでミルクチョコレートが登場。こうして、庶民に親しまれる製品としてチョコレートは600億ドルの世界市場を持つようになりました。

現在カカオ豆を生産している主要国のうち4カ国が西アフリカ(カメルーン、ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア)に集中していて、ここでの生産は世界の生産高の約7割を占めます。中でも世界の43%の生産量をかかえ、国民の3分の1がカカオかコーヒー栽培に関わっているという国が、コートジボワールです。

人身売買され、カカオ豆農場で働かされる子どもたち

2001年4月13日に西アフリカのギニア湾で、10〜14歳の139人の子どもを乗せた船が消息を断った事件が報道されました。この船に乗っていたのは、近隣の国から連れて来られた子どもたちで、ベニンからガボンに入り、そこからコートジボワールなどのカカオ豆農場で働くために売り渡されるところだったといいます。報道によると、この船は目的地であるガボンの港で上陸を拒否されたためベニンに引き返したのですが、その時船には23人の子どもしか乗っていなかったそうです。処分に困った船長が子どもを投げ捨てたと疑われていましたが、真相はわかっていません。このようにして、労働者として人身売買される子ども、そしてカカオの栽培に児童労働が使われていることが世界中に知れ渡りました。

IITA(国際熱帯農業研究所)が実施した西アフリカのカカオ生産における児童労働の調査では(2002年発表、世界カカオ基金、米国国際開発庁及び労働省、ILO、各国政府の協力の下実施)、コートジボワールだけで約13万人の子どもが農園での労働に従事しています。カカオ農園は小規模な家族経営である場合が多く、子どもが家族の手伝いとして働いている場合もありますが、1万2千人の子どもが農園経営者の親戚ではない子どもだったそうです。また、農園経営をする家庭の子ども(6歳−17歳)の3分の1は、一度も学校に行ったことがありません。その中には「何らかの仲介機関」によってこの職についている子どももいて、他国から誘拐され奴隷として売られて強制的に働かされている、という報道や他の文献の指摘を裏付けています。この調査では、西アフリカのカカオ農園で働く子どもの64%が14歳以下と述べていて、カカオ栽培の労働集約的な作業、特に農薬の塗布、刃物の使用などは子どもの身体に危険をもたらす可能性が高いといえます。

カカオ産業の対応

2000年、2001年には、欧米でテレビによる報道や、NGOや消費者団体のキャンペーンが行われた結果、世間の注目を集め、カカオ産業も対応をとるようになりました。産業側の対応としては、2001年10月に米国の議員とチョコレート製造業者協会がカカオ農園から最悪の児童労働をなくす目的で「ハーキン・エンゲル議定書」を締結しました。それを受けて2002年には国際ココアイニシアティブが発足し、以後、米国政府、ILO、労働組合、NGO、消費者団体等が共同で実態調査、児童労働予防プロジェクトの開発や実施等を行ってきました。議定書に定められた項目のうち、5つ目の項目『カカオ豆生産量の50%に児童労働が使われていないことを認証できるようにする』が、目標であった2005年までに達成できなかったため、この議定書は延長されました。2006年10月のアメリカ労働省のプレスリリースによると、アメリカのティユーレーン大学のペイソンセンターこの項目の実施を監督することになっています。

日本との関わり

世界のカカオ豆年間生産量約320万トンのうち、約6万トンが日本に輸入されています。日本がカカオを輸入している国の内訳を見ると(表1)、ガーナが約7割を占めています。ガーナからの輸入が多い理由は、ガーナは政府が価格や品質を管理しているため、安定した品質の豆の輸入が見込めるからだということです。一部、南米からも輸入していますが、輸入量は少なく、アフリカ産と比べて価格が高いのが特徴です。 

国名 平成17年(2005年)
単位:トン 
インドネシア 339 0.61%
コスタリカ 132 0.24%
ジャマイカ 87 0.16%
トリニダード・トバゴ 222 0.40%
ベネズエラ 4,522 8.13%
エクアドル 7,209 12.97%
ブラジル -
コートジボワール 2,325 4.18%
ガーナ 38,359 69.00%
ナイジェリア 150 0.27%
カメルーン 2,124 3.82%
その他 121 0.22%
合計 55,590 100.00%

ちなみにカカオの消費量を他国と比較すると、年間国内消費量は19ヵ国中6位で283,280トン(1位はアメリカ1,556,175トン)、1人当たりの消費量は2.2キロで19位(1位はドイツ11.1キロ)となっています(ともに2004年)。

日本が輸入するカカオ豆のうち、その25%づつを輸入しているのが、森永製菓と明治製菓です。チョコレートのシェアも25%ずつわけていて、製品としては、森永はココア、明治はチョコレートで知られています。

日本には、業界団体として日本チョコレート・ココア協会が存在しており、業界の各世界組織にもここを通じて参加しています。世界ココア基金へは、森永が2006年7月に、明治が同年9月に加盟したばかりで、目立った活動はまだ行われていないようです。カカオ産業における児童労働については、森永では、広報担当者を含め既に組織内での認識を高めているとのことです。

フェアトレード・チョコレート

チョコレートの生産に児童労働が関わることが公になって以来、フェアトレードチョコレートが、児童労働が関わっていないチョコレートとして取り上げられる機会が増えました。1986年に設立されたアメリカのフェアトレード会社、Equal Exchange(イコール・エクスチェンジ)の広報担当のロドニー・ノースさん、チョコレート製品マネージャーのダリー・グードリッチ(Dary Goodrich)さんにお話を聞きました。
「フェアトレード製品は『グルメ市場』の拡大を受け、その支持を広げてきました。コーヒー、チョコレートいずれも消費者の高級製品への志向をとらえ、オーガニック製品などの高品質の商品を提供するだけでなく、そこに生産者への還元という付加価値をつけました。1986年からは、ニカラグア産コーヒー豆をとり扱い、その後エル・サルバドル産など品種を増やしました。96年には米国のコーヒー会社として始めて、小規模協同組合へ収穫前の融資を提供しました。」

オフィスにはコーヒーなどを飲んだり休憩できるこのようなスペースが

Equal Exchange(イコール・エクスチェンジ)
広報担当
 ロドニー・ノースさん

イコール・エクスチェンジは、バナナチップ、はちみつ、ツナなどの製品を開発し、失敗を重ねながら扱う製品を選定してきたそうです。2002年からはカカオ関連製品を取り扱い、売り上げが1千万ドルを超えるヒット商品となりました。コーヒーの大口顧客であった教会関係者から、子どもたちが飲めるものも欲しいという声があり、フェアトレードの認証を受けたカカオ豆と砂糖を使ったココアと、チョコレートバーを販売したのがきっかけだそうです。この原材料のカカオは西アフリカではなく、ドミニカ共和国とペルー産。ドミニカ共和国では、CONOKADOと呼ばれる15,000人の生産者を持つ協同組合と提携しています。また、砂糖はパラグアイとコスタリカ産のものを扱っています。

世界中の取引のある協同組合が集まり、
20周年を祝ってサインを集めたもの

これらの原材料はすべてフェアトレード認証団体であるトランスフェアーの認証を受けています。トランスフェアーUSA(Transfair USA)のホームページによると、この認証を受けたフェアトレード製品の条件は、正当な価格が生産者に支払われること、強制的児童労働の禁止を含めた結社の自由があり、安全な労働環境が保障されていること、直接的貿易(仲介業者の削減)、民主的で透明性のある組織体制、地域開発、持続可能な環境保護などとなっています。このようにフェアトレード商品は、児童労働がないことが前提となっています。

ちなみに、アメリカのチョコレート市場でもフェアトレードのものは市場占有率が1%にも満たないそうです。児童労働のないチョコレートの実現には、まだまだたくさんの取り組みが必要なようです。

あなたはこれからどんなチョコレートを選びますか?

(この記事は、ACE代表岩附由香のブログ「児童労働のない未来へ 〜NPO法人ACE代表 岩附由香のブログ〜」の
  2006年10月11日2006年11月13日掲載分の記事に情報を加え、編集したものです。)

日本でフェアトレード・チョコレートを扱っているお店:

・ピープル・ツリー http://www.peopletree.co.jp/valentine/index.html
・第3世界ショップ http://www.rakuten.co.jp/asante/
・スローウォーターカフェ http://www.slowwatercafe.com/cafe-index.html

フェアトレード・チョコを広める活動:

・Choco-Revo !! 〜 もっとHappyなチョコレートを! http://www.choco-revo.net/

<出典、参考ウェブサイト>

・Combating child labor in cocoa growing, ILO/IPECs Contribution, IPEC February 2005

・Anjula Razdan, “Hot Cocoa”, UTNE Jan-Feb 2006

・IITA, Summary of Findings from the Child Labor Surveys In the Cocoa Sector of West Africa: Cameroon, Coet d’Ivore, Ghana, and Nigeria

・日本チョコレート・ココア協会
 http://www.chocolate-cocoa.com/

http://www.chocolatework.com/chocolate-slavery.htm

・BBCニュース
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/946952.stm
 http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/1272522.stm

・アムネスティ・インターナショナル日本
 http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=418

Last Modified:2009-05-21
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