アドボカシー(政策提言)についての活動報告会を開催しました
アドボカシー(政策提言)についての活動報告会を開催しました
こんにちは。マルチステークホルダー連携と政策提言を担当している川村です。
11月13日(木)、アドボカシーに関する活動報告会「子どもの声をどう届ける?~国際会議の現場から見える、社会を変える【アドボカシー】の力~」をオンラインにて開催しました。平日の夜にも関わらず、たくさんの方がご関心をお寄せくださり参加くださったこと、とてもうれしかったです。
目に見えにくいけれど、確実に社会を動かしている活動
NGOの活動と言えば、現場での支援活動が一番イメージしやすいかもしれません。ですが、法律や仕組みが変わらなければ、現場の努力が一時的なものになってしまいます。
だからこそACEでは、児童労働のない世界、すべての子どもの「子どもの権利」が尊重される社会の実現のために、現地支援・企業との連携・政策提言という三つの歯車をそろえて動かすことが必要不可欠であると捉え、政策提言を重要な活動に位置づけています。
ACEの政策提言活動は、
・国内と国際
・ACE単独で行うものとネットワークを通して他団体と協働で行うもの
などがあり多岐にわたりますが、近年の活動をご紹介しました。
ACE単独で行う活動と、ネットワークで行う活動との違いや、アドボカシーをすることの意義・意図についてもご紹介しました。

国内活動
- 11月11日開催、「子どもの権利をすべての子どもの当たり前に」〜ニュージーランド子どもコミッショナーに聞く、子どもの権利保障と日本の展望〜(ACEが事務局を務める「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」主催)
- 10月、11月に続けて日本で起きた「最悪の形態の児童労働」に対する声明の発表
- ビジネスと人権に関する行動計画(NAP)原案に対するパブリックコメントの提出
- 6月12日開催、院内集会「児童労働ゼロ、その日はいつ?」 ~SDG8.7 児童労働撤廃目標期限の2025年の今、 私たちにできることは? ~(ACEが事務局を務める「児童労働ネットワーク」主催)
など
国際的な活動
ACEが加盟しているネットワークについてはこちらをご覧ください:https://acejapan.org/activity/advocacy
児童労働撤廃に向けた国際的な議論において、大事な局面を迎える
SDGsの目標8.7で国際社会が世界の子どもたちに約束した「2025年までにあらゆる形態の児童労働をなくす」ことが現実困難とみられる今、アドボカシー活動の中で重要と位置づける国際会議についても触れました。
会議の準備期間における主催者および関連者へのインプット、会期中のサイドイベント実施やネットワーキング、今までの取り組みを更に加速するために会議で得た学びや情報を国内外の連携パートナーと共有することなど、国際会議を取り巻く活動を共有しました。
国連ハイレベル政治フォーラム(2025年7月、ニューヨーク)
7月にニューヨークの国連本部で開催された国連ハイレベル政治フォーラムに参加した私から、メインセッションへの参加のほか、ACEが主催したサイドイベントの様子や、他団体主催のサイドイベントへ登壇し、イベントテーマに合わせながらACEの活動を共有したことなどを報告しました。
国際会議に参加した身として、その場にいたからこそ感じた葛藤や世界の分断を感じたことや、国連のセキュリティゲートを通るたびに感じた「特権(privilege)」についてお話ししました。今なお児童労働に従事する状況にある1億3800万人のこどもたちの「声なき声」を国際社会に届けるために、その特権を無駄にしないよう改めて強い思いを抱いたこともお伝えしました。

国連ハイレベル政治フォーラム参加の詳しい報告はこちら:
SDGs目標「児童労働ゼロ」達成期限まであと半年 国連で日本のNGOが国際対話を呼びかけ 〜ハイレベル政治フォーラム(HLPF2025)でサイドイベント実施〜
ジュネーヴ、モロッコでの国際会議について
2025年11月にジュネーヴにて開催される「第14回国連ビジネスと人権フォーラム」と、2026年2月にモロッコで開催される「第6回児童労働に反対する世界会議」について、それぞれどのような場で、ACEとして何を意図して会議に臨むかについてご紹介しました。
※2025年12月現在、ジュネーヴでの「第14回国連ビジネスと人権フォーラム」はすでに開催され、ACEからも参加してきました!会議の様子についての活動報告はこちら ジュネーヴでの国際会議「国連ビジネスと人権フォーラム」に参加し、児童労働フリーゾーンについて発表しました
アドボカシーとは?の説明から始まった報告会でしたが、報告会後半の質問タイムでは、国内人権機関についての日本政府の反応についてや、企業・政府・市民社会組織で連携の際に業界によって難しさは異なるのか、などとても専門的な内容となり、参加者のみなさまの関心の高さが見受けられました。
ACEのアドボカシー活動には、子ども家庭庁の設立など表に見える大きな成果もありますが、実際には、議員や関係大臣との対話、他団体との協働など、長期的に積み重ねてきた “見えない努力” が多くを占めています。結果が出るまで数年、時には10年以上かかることも珍しくありません。
現地での支援活動は成果が伝わりやすい一方、アドボカシー活動はどうしても成果が見えづらく、支援者の皆さまに十分にお伝えしきれないもどかしさが常にあります。
2030年へ向けて、加速が必要です
今年6月、ILOとユニセフは「2030年までに児童労働を撤廃するには、現在の11倍のペースで削減を進める必要がある」と発表しました。
この現実を前に、私たちACEは、さまざまな世界会議への参加をはじめ、政府の取り組み(法の整備や政策の実施)を後押しする政策提言活動により一層力を入れてまいります。
さらに、国際的なルールづくりや各国の法整備が進めば、ACEが直接支援している地域だけでなく、世界中の子どもたちがその恩恵を受けられるようになります。
一度法や国際ルールが整うと、影響は国境を越えて広がり、救われる子どもの数は私たちの想像をはるかに超える規模に及びます。
今後もご支援、ご指導をよろしくお願いいたします。

アドボカシー活動内容やその成果報告はこちらよりご覧いただけます
https://acejapan.org/info/tag/advocacy
- カテゴリー:報告
- 投稿日:2025.12.17





