【2025年下半期の活動ハイライト】今年もACEを応援いただき ありがとうございました!

【2025年下半期の活動ハイライト】今年もACEを応援いただき ありがとうございました!

早いもので今年も残すところあと一週間を切りました。この一年ACEの活動を支え、応援してくださったみなさまに、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

2025年6月に世界の児童労働推計が1億3800万人と発表され、持続可能な開発目標(SDGs)の目標8ターゲット7(SDG 8.7)に掲げられていた「2025年までの児童労働撤廃」目標には届かない見通しが明らかになりました。

そのような中でしたが、この1年も大変多くの方にご支援・ご協力をいただき、ガーナでの子ども支援活動のほか、企業連携、グローバルなアドボカシー、日本国内での子どもの権利保護の活動など、さまざまな活動を深化させることができました。

本ページに2025年下半期の活動報告をまとめましたので、ぜひお読みください。

2026年もこれらの活動を拡大・加速させていきます。特にガーナでの「児童労働フリーゾーン」認定制度の確立や「ビジネスと人権」に関する活動に注力し、大きなインパクトを出せるように取り組んでまいります。

引き続きの応援をどうぞよろしくお願いいたします!ACEスタッフ一同(2025年7月ACE合宿にて)

 

2025年下半期(2025年6月~12月)の活動報告

ガーナ・カカオ生産地での スマイル・ガーナ プロジェクト

住民の組合組織による基金の運用が軌道に乗ってきました!

ACEのプロジェクトが終了した村をフォローアップする中で見えてきた課題は、困窮家庭への学用品の支援や、学校給食の支援などを続けていくための資金が足りないため継続が難しいということでした。そのため、コミュニティでお金を貯金し、計画的に活用していくための仕組みとして、組合を作り基金を立ち上げました。

9月には基金の第一期が終了し、1年間にわたり積み立てられた基金は、コミュニティ活動計画や学校改善計画に基づき、校舎の修繕や教員宿舎の建設などに活用されています。

住民主体で運営された組合の第一期目が大きな成果を挙げたことを受け、組合への加入希望者は村内外で増加しています。現在、第一期を完了した組合は第二期の活動を開始するとともに、村内における新たな組合設立の支援にも取り組んでいます。

若者11名が職業訓練を受け、自立を目指して奮闘中です

教育を受けないまま義務教育年齢を過ぎてしまった若者たちが安全な仕事をしながら自立していけるように、また、児童労働をやめて教育を受けた子どもたちの将来的な働き口となれるように、若者の雇用機会を向上する取り組みを今年2月に始めました。

11名の若者が、散髪と服の仕立ての師匠のもとで毎日学んでいます。彼らが3年間のトレーニングを受けて自立していけるよう、村の子ども保護委員会や郡の社会福祉局と連携しながら支援を続けていきます。

カカオ・チョコレート関連の企業・産業界との連携

VOICE Networkが発行した「カカオバロメーター」の執筆に参加しました

ACEは、持続可能なカカオ産業の実現をめざす国際ネットワーク「VOICE Network」の会員として、同ネットワークが10月8日に発行したカカオ産業の課題をまとめた共同報告書の作成に参画しました。

児童労働のパートに関する原稿の執筆を担当し、カカオ産業における人権課題の現状整理に貢献しました。

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プラットフォームでの勉強会実施や会議運営を行いました

「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」児童労働分科会の事務局として、勉強会・情報共有を実施しました。ILO・ユニセフによる最新の児童労働世界推計や「カカオバロメーター」を取り上げ、児童労働の現状や課題について共有しました。

また、カカオ・プラットフォームの場において、ACEがメーカー・商社と連携して進める児童労働対策の事例発表を行い、カカオ・チョコレート関連企業・産業界との連携強化を図りました。 

児童労働に関する政府・社会への働きかけ

児童労働白書2025年版を発行&発行記念セミナーを開催しました

10月27日、株式会社オウルズコンサルティンググループとデロイト トーマツ コンサルティング合同会社とともに、児童労働に関する最新状況や企業に求められる対応などを包括的にまとめた「児童労働白書2025 ―ビジネスと児童労働―」を発行しました。

同日、同書の発行を記念したセミナーを開催しました。「国連ビジネスと人権作業部会」議長のピチャモン・イェオファントン氏を迎え、世界の「ビジネスと人権」の潮流や日本の課題、企業への期待について聞くとともに、各領域でビジネスと人権に取り組む専門家のパネルディスカッションを行いました。

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「国連ハイレベル政治フォーラム」でサイドイベントを実施しました

7月16日、ニューヨークで開催された「国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF2025)」にて、児童労働をテーマとした国際対話を呼びかけるサイドイベントを開催しました。 米国の児童労働経験者、児童労働に反対するグローバルマーチ、ガーナ政府、チョコレート企業のトニーズ・チョコロンリー、米国のNGO連盟であるChild Labour Coalition、ACEが登壇し、児童労働のない世界の実現に向けて取り組みを進めるという強い意志が共有されました。

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左から、児童労働に反対するグローバルマーチ・ライアン氏、ACE・岩附、ガーナ労働省・アジェマン氏、Child Labor Coalition・マーキー氏、児童労働経験者・アギラール氏、トニーズ・チョコロンリー・マガリャエス氏

「国連ビジネスと人権フォーラム」で児童労働フリーゾーンについて発表しました

11月24日~26日にスイスのジュネーヴで開催された「第14回国連ビジネスと人権フォーラム」にACEから3名が参加しました。

 ACEはJICAとともにアフリカ地域セッションを共催し、ガーナ政府関係者の登壇を通じて「児童労働フリーゾーン」の取り組みを国際社会に発信しました。あわせて、関連資料の作成・配布や、各種セッションへの参加、現地ステークホルダーとの情報交換を行い、ビジネスと人権をめぐる最新動向の把握とネットワーク構築につなげました。

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児童労働ネットワークを通じてキャンペーンや院内集会を開催しました

ACEが事務局を務める「児童労働ネットワーク」では、5月15日~6月30日にかけて児童労働の世論啓発のため「ストップ!児童労働キャンペーン」を展開しました。職場や学校などの団体から、個人でのご参加まで、様々なスタイルで多くの皆さまにご協力いただきました。
その結果、目標としていた1万アクションを大きく上回る14,185アクションが集まりました。 

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また、6月12日には衆議院議員会館内で、国会議員、国際機関、政府関係者、各国大使館関係者、企業、NGO、労働組合など様々なステークホルダーが一堂に会する院内集会「児童労働ゼロ、その日はいつ?」を開催しました。77名が参加し、児童労働撤廃に向けた議論や決意表明を行いました。  

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写真提供: 児童労働ネットワーク

日本の児童労働に関して声明を発表しました

静岡県焼津市の解体作業現場で17歳の少年が転落死した事故や、タイ人少女が人身取引の被害に遭っていた報道を受け、日本にもある児童労働の現状把握と対策を求めて声明を発表しました。

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日本国内で子どもの権利を普及するための活動

「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」事務局として、子どもの権利に関するイベントを開催しました

ACEが事務局を務める「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」では、7月から11月にかけて3つのイベントを開催しました。

①7月31日オンラインセミナー「学校における子どもの意見表明・参加~こども基本法のもとで学校はどう変わるか?~」
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②9月16日オンラインセミナー「学校における子どもと先生の自由~市民活動が果たせる役割」
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③11月11日シンポジウム「子どもの権利をすべての子どもの当たり前に—ニュージーランド子どもコミッショナーに聞く、子どもの権利保障と日本の展望—」
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沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクトで、「子どもの権利ファシリテーター養成講座」を開催中です

ACEは「わたしらしさを大切にする子どもの権利ワークショップ」を開発し、沖縄の小学校などで実践してきました。より多くの子どもたちにこのワークショップを届け、子どもの権利を伝えていくため、ファシリテーター養成講座を実施しています。基礎編3回と実践編3回の全6回の講座のうち、第3回までを10~11月に開催しました。

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子ども支援者向け 子どものセーフガーディング研修

ACEでは、子どもに関するさまざまな活動の場において子どもにとって安全・安心な環境をつくる「子どもと若者のセーフガーディング」の普及・定着に取り組んでいます。

団体や組織が子どもの権利を守る仕組みを整え、現場で実践できるよう、伴走支援も行っています。

2025年6月~8月にかけて特定非営利活動法人 放課後NPOアフタースクールの管理職・現場の職員を対象に、全3回の連続研修を行いました。

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また、2024年~2025年にかけて「沖縄うまんちゅ子どもの権利推進プロジェクト」で協働してきたパートナー団体のNPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆいと一般社団法人URUFULL の2団体を対象に、全4回の研修を実施しました。

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冬募金にご協力ください

2026年1月31日まで、300万円を目標にご寄付を募っています。ACEの活動は、みなさまからのご寄付に支えられています。海外も、日本も、すべての子どもの権利を守るために、ご寄付での応援を、どうぞよろしくお願いいたします!

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  • カテゴリー:報告
  • 投稿日:2025.12.26